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1章:始まり
五月の雪 1話
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「で、どうやって部員を集めるつもりなんだ?」
「そうだねぇ。やはり成果を上げるのが一番手っ取り早いのだが……」
「オカルト研究部の成果って、どのようなものでしょうか……?」
おずおずと挙手して質問する茉莉。佑心は「うーむ」と唸り、目を閉じた。
「身近にオカルト的なことがあれば、それを題材に研究できるが……」
佑心は目を開け、ちらりと紬を眺める。その視線に気付いた彼が、ふいと顔を背けて窓に視線を向け、目を丸くした。そのことに気付いた佑心が「おや」と声を上げる。
「珍しい、五月に雪が降るなんて」
「えっ? あ、本当に降ってる……」
黒いカーテンは、今は開けられているため、雪が降ってくる様子がよく見えた。
「積もるでしょうか?」
「いやー、この時期の雪なら積もらないんじゃないかな。今日は不思議なことばかり起こるねぇ」
佑心がしみじみと言葉を紡いでいく。架瑠は同意するようにうなずいて、振り続ける雪をぼんやりと眺める。
「この県では、この時期にも雪が降るのか?」
「滅多にないよ。四月に降ることもたまに、だし」
紬の問いに答えると、「四月にも降るのか!?」と驚いたように目を大きく見開く姿が確認できた。
「なんだかどんどん降ってきたな。今日は早めに解散しようか」
今朝はあれだけ晴れていたのに、今はどんよりとして曇り空になってしまった。このまま降り続けたら家に帰るのが大変になるだろうと考え、佑心はぱんっと手を叩いてその日の部活を終了させる。
「茉莉、送っていくよ」
「え、いいよ、大丈夫。咲良、待っているから」
架瑠の提案に茉莉ははにかみながら両手を振る。
「この天気なら、咲良の部活も早めに終わるんじゃないかな」
「そのとーり!」
いきなり、オカルト研究部の扉が開けられた。ジャージ姿の咲良が立っていて、茉莉に近付くと架瑠たちに頭を下げた。
「急な雪で家に帰れって言われました! 茉莉、一緒に帰ろう」
「う、うん。それじゃあ、また……。お疲れさまでした」
ぺこりと頭を下げてから、茉莉と咲良はオカルト研究部の部室から出ていく。残された男性陣は、それぞれ帰る支度を初めて、昇降口に向かった。校舎の門の前に一台の黒塗りの車が停められていて、架瑠はぎょっとしたように目を丸くする。
「げ」
紬の小さな声が耳に届いた。
「どうし――」
「紬さま、お迎えに参りました」
黒服の紳士が、紬に向かって恭しく頭を下げる姿。
雪が降ったことで下校する生徒が多い中、紬たちの周りだけ、一瞬しんと静まり返った。
「そうだねぇ。やはり成果を上げるのが一番手っ取り早いのだが……」
「オカルト研究部の成果って、どのようなものでしょうか……?」
おずおずと挙手して質問する茉莉。佑心は「うーむ」と唸り、目を閉じた。
「身近にオカルト的なことがあれば、それを題材に研究できるが……」
佑心は目を開け、ちらりと紬を眺める。その視線に気付いた彼が、ふいと顔を背けて窓に視線を向け、目を丸くした。そのことに気付いた佑心が「おや」と声を上げる。
「珍しい、五月に雪が降るなんて」
「えっ? あ、本当に降ってる……」
黒いカーテンは、今は開けられているため、雪が降ってくる様子がよく見えた。
「積もるでしょうか?」
「いやー、この時期の雪なら積もらないんじゃないかな。今日は不思議なことばかり起こるねぇ」
佑心がしみじみと言葉を紡いでいく。架瑠は同意するようにうなずいて、振り続ける雪をぼんやりと眺める。
「この県では、この時期にも雪が降るのか?」
「滅多にないよ。四月に降ることもたまに、だし」
紬の問いに答えると、「四月にも降るのか!?」と驚いたように目を大きく見開く姿が確認できた。
「なんだかどんどん降ってきたな。今日は早めに解散しようか」
今朝はあれだけ晴れていたのに、今はどんよりとして曇り空になってしまった。このまま降り続けたら家に帰るのが大変になるだろうと考え、佑心はぱんっと手を叩いてその日の部活を終了させる。
「茉莉、送っていくよ」
「え、いいよ、大丈夫。咲良、待っているから」
架瑠の提案に茉莉ははにかみながら両手を振る。
「この天気なら、咲良の部活も早めに終わるんじゃないかな」
「そのとーり!」
いきなり、オカルト研究部の扉が開けられた。ジャージ姿の咲良が立っていて、茉莉に近付くと架瑠たちに頭を下げた。
「急な雪で家に帰れって言われました! 茉莉、一緒に帰ろう」
「う、うん。それじゃあ、また……。お疲れさまでした」
ぺこりと頭を下げてから、茉莉と咲良はオカルト研究部の部室から出ていく。残された男性陣は、それぞれ帰る支度を初めて、昇降口に向かった。校舎の門の前に一台の黒塗りの車が停められていて、架瑠はぎょっとしたように目を丸くする。
「げ」
紬の小さな声が耳に届いた。
「どうし――」
「紬さま、お迎えに参りました」
黒服の紳士が、紬に向かって恭しく頭を下げる姿。
雪が降ったことで下校する生徒が多い中、紬たちの周りだけ、一瞬しんと静まり返った。
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