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3章:探求
合宿 3話
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「……この世界のトイレって、異界に通じているの?」
銀華が怪訝そうに眉を寄せて、黒板の文字を追う。
「そういうわけではないと思うけど……でも、確かにトイレの怪異って多いね」
「鍵のかかる個室、鏡が置いてある、無防備な場所……この条件が恐怖心と想像力を刺激するんじゃないか?」
紬の言葉に納得したように銀華がうなずく。顎に指をかけて、ついと視線を茉莉に移した。
「茉莉は、トイレで怖い思いをしたことがあるの?」
「うーん、怖い思いと言うか……心霊番組を見て、トイレやお風呂が怖くなったことはあるよ」
苦笑を浮かべる茉莉に、架瑠は幼い頃の彼女のことを思い出した。一時期、咲良にべったりとくっついていた理由がそれだったな、と。
懐かしむように目元を細めると、ぴょこんとこゆきが銀華の髪から現れて、机の上にぴょんと飛び乗る。
「ちなみに、氷華世界にはこういう怪談はあるのかい?」
「どちらかといえば、わたしたちが怪談側じゃない?」
ねぇ、こゆき? と銀華がこゆきに声をかけると、こくこくとうなずく姿が確認できた。首を動かすたびに、ちりんちりんと鈴のような音が部室に響く。
「こゆきたちの世界だと、怪異と戦えちゃうもんねっ」
「……そういえば、どうして銀華くんはこの学校にきたんだい?」
佑心が興味深そうに銀華に尋ねる。あの黒板の怪異のときに、架瑠たちを助けてくれた銀華。どうして彼女があの怪異のところに姿を現せたのか、聞いたことはなかった。
「ああ……それはね。長から勧められたのよ。外の世界を見てきなさいって。どうせなら、助けてもらったあなたたちと過ごしたかった。そう思って氷華世界からキミたちに繋がる道を歩いたら、なんか怪異に巻き込まれていたってわけ」
ぎしっと音を立てて椅子に背を預ける銀華に、こゆきは机の上で自分の尻尾に頭を乗せて丸くなる。
「長から?」
「ええ。わたしの力が思った以上に強かったら、……まぁ、修行ってことね」
「銀華のサポートのために、こゆきも一緒なの!」
こゆきは目をキラキラと輝かせた。そんなこゆきの頭を撫で、銀華は目を伏せてしみじみと言葉を紡ぐ。
「恋人ともしっかり別れたからね。……ああ、そうだ。あの大樹の下に埋まっていた骨なんだけど……」
銀華は一度言葉を切り、全員を見渡した。
氷華世界の大樹に埋まっていた骨を思い出し、架瑠は息を呑む。
実は、ずっと気になっていた。だが、あの世界の住民ではない自分が尋ねてもいいのだろうかと、ずっと悩んでいたのだ。
銀華が怪訝そうに眉を寄せて、黒板の文字を追う。
「そういうわけではないと思うけど……でも、確かにトイレの怪異って多いね」
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「茉莉は、トイレで怖い思いをしたことがあるの?」
「うーん、怖い思いと言うか……心霊番組を見て、トイレやお風呂が怖くなったことはあるよ」
苦笑を浮かべる茉莉に、架瑠は幼い頃の彼女のことを思い出した。一時期、咲良にべったりとくっついていた理由がそれだったな、と。
懐かしむように目元を細めると、ぴょこんとこゆきが銀華の髪から現れて、机の上にぴょんと飛び乗る。
「ちなみに、氷華世界にはこういう怪談はあるのかい?」
「どちらかといえば、わたしたちが怪談側じゃない?」
ねぇ、こゆき? と銀華がこゆきに声をかけると、こくこくとうなずく姿が確認できた。首を動かすたびに、ちりんちりんと鈴のような音が部室に響く。
「こゆきたちの世界だと、怪異と戦えちゃうもんねっ」
「……そういえば、どうして銀華くんはこの学校にきたんだい?」
佑心が興味深そうに銀華に尋ねる。あの黒板の怪異のときに、架瑠たちを助けてくれた銀華。どうして彼女があの怪異のところに姿を現せたのか、聞いたことはなかった。
「ああ……それはね。長から勧められたのよ。外の世界を見てきなさいって。どうせなら、助けてもらったあなたたちと過ごしたかった。そう思って氷華世界からキミたちに繋がる道を歩いたら、なんか怪異に巻き込まれていたってわけ」
ぎしっと音を立てて椅子に背を預ける銀華に、こゆきは机の上で自分の尻尾に頭を乗せて丸くなる。
「長から?」
「ええ。わたしの力が思った以上に強かったら、……まぁ、修行ってことね」
「銀華のサポートのために、こゆきも一緒なの!」
こゆきは目をキラキラと輝かせた。そんなこゆきの頭を撫で、銀華は目を伏せてしみじみと言葉を紡ぐ。
「恋人ともしっかり別れたからね。……ああ、そうだ。あの大樹の下に埋まっていた骨なんだけど……」
銀華は一度言葉を切り、全員を見渡した。
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