71 / 151
後日談
5.道端の小石
しおりを挟む
広瀬先輩は激昂するかと思いきや、ビックリするくらい落ち着いていた。
「確かに過保護だろうね。オレは、ハルに少しでも元気でいて欲しいし、いつも笑顔でいて欲しいから」
広瀬先輩は冷静に怒っているのかと思ったけど、違うらしい。
多分、篠塚先輩を見つめる表示から垣間見えるのは、『呆れ』。でも、そこに投げやりな空気は一切なく、静かな圧力に気圧されて、篠塚先輩も何も言い返せずにいた。
広瀬先輩はオレに、奥の椅子に移動するように言い、オレの隣に座ると兄貴にも椅子を勧めた。
程なく、ウェイトレスがやって来て、頼んだ覚えのないアイスコーヒーが四つ置かれた。広瀬先輩は、それをオレたちに勧めてから、自分も口を付けた。
「あのさ、あんたが軽い気持ちで乗り込んで来た、あの後、ハルは救急車で病院に運ばれて、一週間入院したんだよ。知ってた?」
篠塚先輩が怪訝そうな表情を隠しもせずに表にあらわす。一体、何の話かと。
……原因が自分かもしれないって、少しは思わないのか!?
オレに言えた義理じゃないかもしれないけど、篠塚先輩の態度はあまりに失礼だった。
確かに、オレたちは陽菜ちゃんを直接害した訳じゃない。せいぜい、言葉で追い詰めようとしただけだ。そして、篠塚先輩は途中で逃げ帰ったから、陽菜ちゃんが倒れるところは見ていない。
だけど……この話の流れで、どうして自分のせいじゃないと思える!?
怒りにかられて、オレがムズムズしているのを感じたのか、兄貴がオレの方を見た。そして、机の上に置いた手を少し浮かせて、静かに聞いておけ、とオレを制した。
おかげで少し冷静になれた。
篠塚先輩も悪い。けど……これは、むしろオレの失態だ。
陽菜ちゃんが倒れた後、オレはちゃんとその事を篠塚先輩に伝えなければいけなかった。オレたちが何をやってしまったのかを。
オレが心中で猛省を繰り広げる間にも、広瀬先輩の話は続いていた。
「あの日、ハルは体調が悪いのに頑張って登校して、でも授業は受けられずに朝から保健室で休んでたんだ」
広瀬先輩は、篠塚先輩の目をじーっと見つめた。
オレと、篠塚先輩の隣に座った兄貴は、広瀬先輩の次の言葉を静かに待つ。
篠塚先輩はどこか不遜な表情を垣間見せた。そんな先輩を見ていられず、オレは徐々に居たたまれなくなってきた。
「今、体調が悪いなら、最初から学校休めば良いって思っただろ? 普通なら休むよな。そりゃそうだろうね」
広瀬先輩はひたすら静かに語る。
「ハルね、心臓が悪いんだよ。運動は一切禁止されていて、走ることも……早歩きすらできないんだ。夏の暑さや冬の寒さに弱くて、その時期になると、枕から頭が上がらない日も多くてね。そういう日は心臓がうまく動いてなくて、家で酸素マスクをして寝てるしかない。毎年のことで、ハルもそれはよく分かってる。
で、今の時季ならまだ身体が動くからって、レポートじゃなくて、できるだけ授業を受けたいからって、あの日も来てた」
広瀬先輩がテーブルの上で握っていた拳をグッと握りしめた。
「オレがなんであんなタイミングで駆けつけられたか、分かる?」
広瀬先輩は「答えて」と篠塚先輩に促した。
淡々と語られる話を聞き、篠塚先輩の不遜な態度もなりを潜める。
「あ、あの子がケータイで、呼んだから」
広瀬先輩が小さく頷いた。
「そう、その通り。じゃあさ、授業中なのに、なんでオレが駆けつけられたと思う?」
「え……それは」
「あの日は、保健室の先生が出張で一日いなかった。これは知ってるよな?」
篠塚先輩が促されて、頷いた。
「オレね、ハルが急に具合が悪くなった時、すぐに駆けつけられるように、スマホを机に上に置いてあったんだ。もちろん、先生の許可を取ってね」
スマホを授業中に机の上に置いておくなんて、普通では許可されるはずがない。
つまり、緊急時へのリスク対策が許されるくらい、陽菜ちゃんの持病の状態は悪いってことで……。
「ハルは遠慮して、普段は電話なんてかけてこない。けど、あの日に限ってオレの電話は鳴った。授業中だけど慌てて出て、……でも何の声もしなかった。そのまま、オレは教室を飛び出して、全力疾走で保健室に駆けつけた」
広瀬先輩はまたコーヒーを飲む。
オレたちは誰もが、飲み物に手をつけられるような心境ではなくて、身じろぎひとつせずに広瀬先輩の話を聞いていた。
「後は、ご存知の通りだ。……確かに過保護だろうね。自覚してるよ」
広瀬先輩はストローでコーヒーをかき混ぜた。
カランカランと氷がぶつかって音を立てた。
「それでも、ハルはオレにとって何より大切な女の子で、オレはハルを守りたいと思っている。もう十年以上ずっと大好きで、誰より大切で、去年、ようやく思いが通じて恋人同士になれたんだ。心臓にはストレスも大敵だから、避けられるものなら避けて通りたい。
それくらい、……道端の小石を、躓かないようにどかして歩くくらいの権利、オレは持っていると思ってる」
さりげなく道端の小石をにされた篠塚先輩。オレもだろうか?
広瀬先輩の話は終わったようで、静かにオレたちの言葉を待った。
最初に行動したのは、兄貴だった。
そう、行動。
兄貴は、立ち上がり姿勢を正すと、九十度に腰を曲げ、静かに頭を下げた。
「弟と後輩が、本当に申し訳ないことをしました」
喉の奥から絞り出したような兄貴の声には、苦渋が滲み出していた。
今回のことで、陽菜ちゃんの身体が相当悪いことは分かった。分かっていた……つもりだった。
陽菜ちゃんは優しいから、オレを責めるようなことは一言もいわなかった。だから、多分、オレはどこかで、そこまで重大な何かをした訳じゃないと思っていたのだろう。
広瀬先輩からの話……陽菜ちゃんを想う恋人側の気持ちを聞くと、ぎゅっと胸が締め付けられるような不安を感じた。
多分、これは広瀬先輩の陽菜ちゃんを心配する気持ちだ。陽菜ちゃんに何かあったらと思うと、居ても立っても居られないような、何かせずにはおれない気持ちだ。
あの日、急に具合を悪くした陽菜ちゃんを手慣れた様子で看病するのを見た。
広瀬先輩は冷静に、怖いくらいに冷静に、的確に動いていた。
……けど、心の奥底まで冷静な訳、ないだろ?
恋人が目の前で苦しんでいて、倒れて意識を失って。
不安に決まってる。そりゃ、不安に決まってるさ。
オレも立ち上がり、兄貴に習って頭を下げた。
「オレに謝る必要はないさ。オレはただ、ハルを心配をしただけの人間で、実際の被害者はハルなんだから」
広瀬先輩はそう言ったけど、そうじゃない、陽菜ちゃんにはもちろんだけど、オレは広瀬先輩に謝らなきゃって思ったんだ。
「でも……じゃあ、どうすれば」
兄貴はオレの心中など知らず、陽菜ちゃんへの謝罪方法を模索する。
「別に何もしなくていいよ」
そう、兄貴に言うと、広瀬先輩は篠塚先輩に視線を移した。
「ただ、あんたには、二度とハルに近づいて欲しくない」
広瀬先輩は、感情のこもらない声で篠塚先輩にそう言った。
それからコーヒーを飲み干し、スッと席を立った。
「じゃあ」
軽く手を上げ、広瀬先輩は立ち去った。
篠塚先輩の顔をそっとうかがい見ると、唇を噛みしめて、俯いていた。
何を考えているのかは分からない。
反省しているのかも分からない。
ただ、この店に入った時のような居丈高な態度も、不遜な態度もすっかり消え失せていた。
「確かに過保護だろうね。オレは、ハルに少しでも元気でいて欲しいし、いつも笑顔でいて欲しいから」
広瀬先輩は冷静に怒っているのかと思ったけど、違うらしい。
多分、篠塚先輩を見つめる表示から垣間見えるのは、『呆れ』。でも、そこに投げやりな空気は一切なく、静かな圧力に気圧されて、篠塚先輩も何も言い返せずにいた。
広瀬先輩はオレに、奥の椅子に移動するように言い、オレの隣に座ると兄貴にも椅子を勧めた。
程なく、ウェイトレスがやって来て、頼んだ覚えのないアイスコーヒーが四つ置かれた。広瀬先輩は、それをオレたちに勧めてから、自分も口を付けた。
「あのさ、あんたが軽い気持ちで乗り込んで来た、あの後、ハルは救急車で病院に運ばれて、一週間入院したんだよ。知ってた?」
篠塚先輩が怪訝そうな表情を隠しもせずに表にあらわす。一体、何の話かと。
……原因が自分かもしれないって、少しは思わないのか!?
オレに言えた義理じゃないかもしれないけど、篠塚先輩の態度はあまりに失礼だった。
確かに、オレたちは陽菜ちゃんを直接害した訳じゃない。せいぜい、言葉で追い詰めようとしただけだ。そして、篠塚先輩は途中で逃げ帰ったから、陽菜ちゃんが倒れるところは見ていない。
だけど……この話の流れで、どうして自分のせいじゃないと思える!?
怒りにかられて、オレがムズムズしているのを感じたのか、兄貴がオレの方を見た。そして、机の上に置いた手を少し浮かせて、静かに聞いておけ、とオレを制した。
おかげで少し冷静になれた。
篠塚先輩も悪い。けど……これは、むしろオレの失態だ。
陽菜ちゃんが倒れた後、オレはちゃんとその事を篠塚先輩に伝えなければいけなかった。オレたちが何をやってしまったのかを。
オレが心中で猛省を繰り広げる間にも、広瀬先輩の話は続いていた。
「あの日、ハルは体調が悪いのに頑張って登校して、でも授業は受けられずに朝から保健室で休んでたんだ」
広瀬先輩は、篠塚先輩の目をじーっと見つめた。
オレと、篠塚先輩の隣に座った兄貴は、広瀬先輩の次の言葉を静かに待つ。
篠塚先輩はどこか不遜な表情を垣間見せた。そんな先輩を見ていられず、オレは徐々に居たたまれなくなってきた。
「今、体調が悪いなら、最初から学校休めば良いって思っただろ? 普通なら休むよな。そりゃそうだろうね」
広瀬先輩はひたすら静かに語る。
「ハルね、心臓が悪いんだよ。運動は一切禁止されていて、走ることも……早歩きすらできないんだ。夏の暑さや冬の寒さに弱くて、その時期になると、枕から頭が上がらない日も多くてね。そういう日は心臓がうまく動いてなくて、家で酸素マスクをして寝てるしかない。毎年のことで、ハルもそれはよく分かってる。
で、今の時季ならまだ身体が動くからって、レポートじゃなくて、できるだけ授業を受けたいからって、あの日も来てた」
広瀬先輩がテーブルの上で握っていた拳をグッと握りしめた。
「オレがなんであんなタイミングで駆けつけられたか、分かる?」
広瀬先輩は「答えて」と篠塚先輩に促した。
淡々と語られる話を聞き、篠塚先輩の不遜な態度もなりを潜める。
「あ、あの子がケータイで、呼んだから」
広瀬先輩が小さく頷いた。
「そう、その通り。じゃあさ、授業中なのに、なんでオレが駆けつけられたと思う?」
「え……それは」
「あの日は、保健室の先生が出張で一日いなかった。これは知ってるよな?」
篠塚先輩が促されて、頷いた。
「オレね、ハルが急に具合が悪くなった時、すぐに駆けつけられるように、スマホを机に上に置いてあったんだ。もちろん、先生の許可を取ってね」
スマホを授業中に机の上に置いておくなんて、普通では許可されるはずがない。
つまり、緊急時へのリスク対策が許されるくらい、陽菜ちゃんの持病の状態は悪いってことで……。
「ハルは遠慮して、普段は電話なんてかけてこない。けど、あの日に限ってオレの電話は鳴った。授業中だけど慌てて出て、……でも何の声もしなかった。そのまま、オレは教室を飛び出して、全力疾走で保健室に駆けつけた」
広瀬先輩はまたコーヒーを飲む。
オレたちは誰もが、飲み物に手をつけられるような心境ではなくて、身じろぎひとつせずに広瀬先輩の話を聞いていた。
「後は、ご存知の通りだ。……確かに過保護だろうね。自覚してるよ」
広瀬先輩はストローでコーヒーをかき混ぜた。
カランカランと氷がぶつかって音を立てた。
「それでも、ハルはオレにとって何より大切な女の子で、オレはハルを守りたいと思っている。もう十年以上ずっと大好きで、誰より大切で、去年、ようやく思いが通じて恋人同士になれたんだ。心臓にはストレスも大敵だから、避けられるものなら避けて通りたい。
それくらい、……道端の小石を、躓かないようにどかして歩くくらいの権利、オレは持っていると思ってる」
さりげなく道端の小石をにされた篠塚先輩。オレもだろうか?
広瀬先輩の話は終わったようで、静かにオレたちの言葉を待った。
最初に行動したのは、兄貴だった。
そう、行動。
兄貴は、立ち上がり姿勢を正すと、九十度に腰を曲げ、静かに頭を下げた。
「弟と後輩が、本当に申し訳ないことをしました」
喉の奥から絞り出したような兄貴の声には、苦渋が滲み出していた。
今回のことで、陽菜ちゃんの身体が相当悪いことは分かった。分かっていた……つもりだった。
陽菜ちゃんは優しいから、オレを責めるようなことは一言もいわなかった。だから、多分、オレはどこかで、そこまで重大な何かをした訳じゃないと思っていたのだろう。
広瀬先輩からの話……陽菜ちゃんを想う恋人側の気持ちを聞くと、ぎゅっと胸が締め付けられるような不安を感じた。
多分、これは広瀬先輩の陽菜ちゃんを心配する気持ちだ。陽菜ちゃんに何かあったらと思うと、居ても立っても居られないような、何かせずにはおれない気持ちだ。
あの日、急に具合を悪くした陽菜ちゃんを手慣れた様子で看病するのを見た。
広瀬先輩は冷静に、怖いくらいに冷静に、的確に動いていた。
……けど、心の奥底まで冷静な訳、ないだろ?
恋人が目の前で苦しんでいて、倒れて意識を失って。
不安に決まってる。そりゃ、不安に決まってるさ。
オレも立ち上がり、兄貴に習って頭を下げた。
「オレに謝る必要はないさ。オレはただ、ハルを心配をしただけの人間で、実際の被害者はハルなんだから」
広瀬先輩はそう言ったけど、そうじゃない、陽菜ちゃんにはもちろんだけど、オレは広瀬先輩に謝らなきゃって思ったんだ。
「でも……じゃあ、どうすれば」
兄貴はオレの心中など知らず、陽菜ちゃんへの謝罪方法を模索する。
「別に何もしなくていいよ」
そう、兄貴に言うと、広瀬先輩は篠塚先輩に視線を移した。
「ただ、あんたには、二度とハルに近づいて欲しくない」
広瀬先輩は、感情のこもらない声で篠塚先輩にそう言った。
それからコーヒーを飲み干し、スッと席を立った。
「じゃあ」
軽く手を上げ、広瀬先輩は立ち去った。
篠塚先輩の顔をそっとうかがい見ると、唇を噛みしめて、俯いていた。
何を考えているのかは分からない。
反省しているのかも分からない。
ただ、この店に入った時のような居丈高な態度も、不遜な態度もすっかり消え失せていた。
1
あなたにおすすめの小説
冷酷総長は、彼女を手中に収めて溺愛の檻から逃さない
彩空百々花
恋愛
誰もが恐れ、羨み、その瞳に映ることだけを渇望するほどに高貴で気高い、今世紀最強の見目麗しき完璧な神様。
酔いしれるほどに麗しく美しい女たちの愛に溺れ続けていた神様は、ある日突然。
「今日からこの女がおれの最愛のひと、ね」
そんなことを、言い出した。
フッてくれてありがとう
nanahi
恋愛
【25th Anniversary CUP】にて、最終ランキング3位に入りました。投票してくださった皆様、読んでくださった皆様、ありがとうございました!
「子どもができたんだ」
ある冬の25日、突然、彼が私に告げた。
「誰の」
私の短い問いにあなたは、しばらく無言だった。
でも私は知っている。
大学生時代の元カノだ。
「じゃあ。元気で」
彼からは謝罪の一言さえなかった。
下を向き、私はひたすら涙を流した。
それから二年後、私は偶然、元彼と再会する。
過去とは全く変わった私と出会って、元彼はふたたび──
自信家CEOは花嫁を略奪する
朝陽ゆりね
恋愛
「あなたとは、一夜限りの関係です」
そのはずだったのに、
そう言ったはずなのに――
私には婚約者がいて、あなたと交際することはできない。
それにあなたは特定の女とはつきあわないのでしょ?
だったら、なぜ?
お願いだからもうかまわないで――
松坂和眞は特定の相手とは交際しないと宣言し、言い寄る女と一時を愉しむ男だ。
だが、経営者としての手腕は世間に広く知られている。
璃桜はそんな和眞に憧れて入社したが、親からもらった自由な時間は3年だった。
そしてその期間が来てしまった。
半年後、親が決めた相手と結婚する。
退職する前日、和眞を誘惑する決意をし、成功するが――
片想い婚〜今日、姉の婚約者と結婚します〜
橘しづき
恋愛
姉には幼い頃から婚約者がいた。両家が決めた相手だった。お互いの家の繁栄のための結婚だという。
私はその彼に、幼い頃からずっと恋心を抱いていた。叶わぬ恋に辟易し、秘めた想いは誰に言わず、二人の結婚式にのぞんだ。
だが当日、姉は結婚式に来なかった。 パニックに陥る両親たち、悲しげな愛しい人。そこで自分の口から声が出た。
「私が……蒼一さんと結婚します」
姉の身代わりに結婚した咲良。好きな人と夫婦になれるも、心も体も通じ合えない片想い。
『冷徹社長の秘書をしていたら、いつの間にか専属の妻に選ばれました』
鍛高譚
恋愛
秘書課に異動してきた相沢結衣は、
仕事一筋で冷徹と噂される社長・西園寺蓮の専属秘書を務めることになる。
厳しい指示、膨大な業務、容赦のない会議――
最初はただ必死に食らいつくだけの日々だった。
だが、誰よりも真剣に仕事と向き合う蓮の姿に触れるうち、
結衣は秘書としての誇りを胸に、確かな成長を遂げていく。
そして、蓮もまた陰で彼女を支える姿勢と誠実な仕事ぶりに心を動かされ、
次第に結衣は“ただの秘書”ではなく、唯一無二の存在になっていく。
同期の嫉妬による妨害、ライバル会社の不正、社内の疑惑。
数々の試練が二人を襲うが――
蓮は揺るがない意志で結衣を守り抜き、
結衣もまた社長としてではなく、一人の男性として蓮を信じ続けた。
そしてある夜、蓮がようやく口にした言葉は、
秘書と社長の関係を静かに越えていく。
「これからの人生も、そばで支えてほしい。」
それは、彼が初めて見せた弱さであり、
結衣だけに向けた真剣な想いだった。
秘書として。
一人の女性として。
結衣は蓮の差し伸べた未来を、涙と共に受け取る――。
仕事も恋も全力で駆け抜ける、
“冷徹社長×秘書”のじれ甘オフィスラブストーリー、ここに完結。
32歳、恋愛未経験の私に彼氏ができました。お相手は次期社長で完璧王子なのに、なぜか可愛い。
さくしゃ
恋愛
32歳、恋愛未経験の私に彼氏ができました。お相手は次期社長で完璧王子なのに、なぜか可愛い。
「甘酒って甘くないんだ!」
ピュアで、
「さ、さお…ふしゅうう」
私の名前を呼ぼうとして呼べなくて。
だけど、
「し、しゅ…ふしゅうう」
それは私も同じで。
不器用な2人による優しい恋愛物語。
果たして私たちは
「さ…ふしゅぅぅ」
下の名前で呼び合えるのでしょうか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる