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2019
12月①蜜柑/靴下/好物
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蜜柑 2019.12.01
指先に色がつくから。
それが俺から蜜柑を取り上げた理由。
「お前さ、俺だってもう大人なんだぞ」
「いいから、いいから」
あいつは器用に中味を取り出す。
「はい、あーん」
「やめろったら」
「いいでしょ、ね?」
こいつに弱い俺は口を開いてしまう。
「美味しい?」
まだちょっと酸っぱかったかもしれない。
靴下 2019.12.02
彼が毛糸の靴下を自慢してくる。
「これで絶対に冷えない」とか
「フローリングも怖くない」などと
足先を見せびらかそうと必死だ。
「うん、良かったね」
「だろだろ!」
こみ上げてくる笑いを
噛み殺しながら相槌を打てば、
天使のような笑顔が返ってくる。
また靴下を買いたくなってしまうじゃないか。
好物 2019.12.03
「本当にこれが好きだな」
兄がくすりと笑った。
お皿に乗ったシフォンケーキ。
子供の時からの大好物。
でも昔からこの味ではない。
僕の味覚の変化に合わせて
兄が甘さを変化させいた。
自炊するようになって
初めて気が付くいたのは
料理してくれる人の愛情。
「また食べに来てもいい?」
兄は優しく頷いた。
指先に色がつくから。
それが俺から蜜柑を取り上げた理由。
「お前さ、俺だってもう大人なんだぞ」
「いいから、いいから」
あいつは器用に中味を取り出す。
「はい、あーん」
「やめろったら」
「いいでしょ、ね?」
こいつに弱い俺は口を開いてしまう。
「美味しい?」
まだちょっと酸っぱかったかもしれない。
靴下 2019.12.02
彼が毛糸の靴下を自慢してくる。
「これで絶対に冷えない」とか
「フローリングも怖くない」などと
足先を見せびらかそうと必死だ。
「うん、良かったね」
「だろだろ!」
こみ上げてくる笑いを
噛み殺しながら相槌を打てば、
天使のような笑顔が返ってくる。
また靴下を買いたくなってしまうじゃないか。
好物 2019.12.03
「本当にこれが好きだな」
兄がくすりと笑った。
お皿に乗ったシフォンケーキ。
子供の時からの大好物。
でも昔からこの味ではない。
僕の味覚の変化に合わせて
兄が甘さを変化させいた。
自炊するようになって
初めて気が付くいたのは
料理してくれる人の愛情。
「また食べに来てもいい?」
兄は優しく頷いた。
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