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2021
花は見れない
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熱にうなされて一人布団に横たわる。家族は毎年恒例の花見に出かけた。こういうとき、ひとりだとなんだか心細い。ドアベルの音がした。訪問客は友人だった。「よ。様子はどうだ?」「なんだ、お前か。うつるから早く帰れよ」「やだね。お前と花見しようと思って」その手には桜の枝。春のような男だ。(了)
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