248 / 716
2021
下り坂
しおりを挟む
夕暮れに揺れる自転車にふたりのりで坂を下る。ブレーキのかけ方を忘れたみたいにどんどん加速していくタイヤの回転。鼓動も、呼吸も、いまここにいるということすら忘れて、ふたりで風に溶け合う。たった一瞬、それで終わり。坂の下まで来たら減速してそれは止まる。残暑の合間に秋の香りがしだした。(了)
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
9
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる