【まとめ版】⛓囚われの勇者⛓ -明日にかける鎖-

良音 夜代琴

文字の大きさ
30 / 68
【囚勇03】青年主人を慰めたい従者のお話 -18~21歳

媚薬を盛られた青年主人を慰める従者のお話(2/3)*

しおりを挟む
「ロ、ロッソ!?」
 いつも表情すらほとんど崩さない従者の初めて見せる涙に、勇者は狼狽えた。
 ロッソ自身ですらも、自分の涙を指で掬い、わずかに驚いたような顔をしていた。

 今までも、前の勇者に嬲られ涙を零す事はあった。
 しかし感情の昂りから涙を流したのは、一体いつが最後だったのか。
 ロッソにはもう思い出せないほどに遠い過去の事だった。

 一度溢れ出した涙は止まりそうになかった。
 ロッソは止めどなく零れるそれを拭うことを諦めて、もう一度リンデルを見る。

 心配そうにこちらを見つめる金色の瞳と、それとは不釣り合いに未だそそり立ったままの物。
 それにロッソは焦がれた。
 どうしようもなく、それに貫かれたいと願ってしまう。

「私が……したいと言ったら、勇者様はしてくださるのですか?」
 涙を零して縋るように見つめるその眼には、間違いなく懇願が滲んでいる。

「え……と……」
 あからさまに動揺するリンデルのそれを、指先で愛し気に撫でながら、ロッソが追い討ちをかける。

「私にとって一番大切なのは、間違いなくあなたです」
「いや、それは、大切の意味が違……」
 じわりと逃げようとするリンデルの腕を、ロッソはぐいと掴んで引き寄せる。

「何も違いませんよ?」
 涙を零しながらも、ロッソは妖艶に微笑んだ。
「私にとって、あなた以上に大切なものなどありませんから」

「……っ」
 にじり寄るように口元へ迫るロッソに、リンデルは思わず顔を背ける。
 その隙にロッソはリンデルの腕を二本まとめて頭上に抑え込んだ。

 ロッソは、身動きできずに伏せられた震える金色の睫毛にそっと口付けると、解きかけていた紐に手をかけ自らの下衣を手早く取り払う。

 返事など、もう待つつもりもなかった。

 たとえ答えが求めるそれでなくても構わない。
 この方のお役に立つ事が、私の全てだ。

「ロッソ、待っ……ぅ。あっ。あああっ」
 制止を聞かず、ロッソは勇者のそれを自らへと突き立てる。
 堪えきれない声がリンデルから溢れるのを聞いて、ロッソは自身の暗い感情が満たされるのを感じる。

「あっ、ロッ……っ、んっ、く。ぁぁっ」
 やめてくれと乞う滲んだ金の瞳に気付かないフリをして、ロッソは腰を揺らす。
「ぅ……んっ……」
 声を漏らしたくないのか、必死で唇を噛むリンデルの唇をロッソの指が撫でた。
「いけません勇者様、傷ができてしまいますよ」
「あ……」
 僅かに開いた口の中へ指を差し込まれ、リンデルがそれを噛んでしまわぬよう口を開く。
 それを見定めて、ロッソはリンデルの胸に身を寄せると大きく腰を振った。
「は……ぁ。あ……ああっ」
 無理矢理開かされた口から溢れる声に、ロッソは欲情する。
「もっと……私だけにあなたの声を聞かせてください」
「ら、め……あ。っあああああっ!!」
 ビクビクと体を大きく痙攣させて、一瞬硬直するリンデル。
 中に出したくないのだろう。腰を引こうとする彼を、ロッソが力尽くで抑え込む。
 体内に広がる熱にうっとりと目を細めるロッソ。
 それとは対照的に、リンデルは哀しげに涙を一粒零した。
 頬を伝う雫を、ロッソがぺろりと舐め取る。
 そのままロッソが首筋に舌を這わせると、リンデルがまたびくりと腰を浮かせた。

「まだ、足りないようですね?」
 ニヤリと口角を上げて囁くロッソの言葉通り、リンデルのそれはロッソの中でまた立ち上がる。
 ぐったりと力なく横たわるリンデルの腕を放し、その口から指を抜くと、リンデルは涙混じりの声で助けを求めた。

「も……苦し……ぃ」
 ロッソはその声を聞きながら、ゆるゆると腰を揺らす。

「お腹の、下のとこが……ずっと、熱くて……」
 いつの間にか泣き止んだロッソと入れ替わるように、リンデルは苦しげに涙を滲ませていた。

「こちらですか?」
 くい、と三本揃えた指の腹でリンデルの下腹部を押さえると、青年は目を見開いて鳴いた。

「あっあああっんぁあああっ!!」
 背も腰もびくりと浮き上がり、ロッソの中に熱いものがじわりと滲む。
 予想以上の反応にロッソは内心驚くも、それはすぐに笑みへと変わった。
「まだ、外から押さえただけですよ?」

「っ、ぅ……」
 荒い息をする青年の、ぐっしょりと濡れた後ろへと指を這わせる。
 そこは、表から流れ込む液体で既にたっぷりと濡れていて、スムーズにロッソの指を受け入れた。

「あっ」
 ビクッとリンデルが体を逸らす。

 二本、三本と差し入れれば、それだけで青年は声を上げ達してしまった。

 ロッソの知る限り男性経験の無いはずの青年が、何故こんな体をしているのか。

 頭に過ぎったのは、今までの全ての勇者で出自から徹底的に洗われているはずの調書に、彼にだけ空白がある事だった。
 普通は本人が隠すような過去だって、現地で聞き取りをすれば埋まる。
 それが、彼の場合は埋まらなかった。

 彼を捕らえていた窃盗団の者達は、死んだか逃げた者しかおらず、リンデルとともにいた姉ですらも自分達がいつどこにいたのかは分からない上に、弟とは別に生活していたため弟が何をしていたのかは分からないと答えた結果、他に話を聞ける者を見つけることもできず、結局その空白は調査団の憶測で埋められた。

 選考会議では、それを原因にリンデルを勇者にふさわしくないと主張した者も居たが、ことリンデルに関しては騎士団長の押しが強く、強引に会議を通したと聞いていた。

「ロッ、ソ……」
 切なげな甘い声。
 ロッソがハッと顔を上げると、リンデルが赤くほてった顔でじっとロッソを見つめていた。
 その縋るような、ねだるような瞳に、ロッソはぞくりと背筋に熱が上るのを感じる。

 動きを止めていた指を動かし始めると、リンデルからは堪えきれない嬌声が溢れた。
「あっ、あっ、あっん、んんっ、ああんっ、ん、あああっ」
 可愛らしい声に浮かされるように、ロッソのそれが立ち上がる。
 後ろ手では奥まで届かないが、背を向けるのは惜しい気がして、ロッソが仕方なしに自身に入れていた物を抜いた。

「ぅ。あ……っ」
 はぁはぁと肩で息をするリンデルの表情を見上げなから、指をさらに深くへと挿し入れる。

「あ、は、んあああっ」
 受け止め切れない快感を逃すかのように、リンデルが大きく首を逸らして叫ぶ。
 震える両手は、ぎゅっとシーツを掴んでいた。

 もう恥じらうほどの余裕もないのか、高い声で切なげに啼くその青年の奥へ奥へと指を押し入れる。
 既にあれほど繰り返したにも関わらず、青年はそう間を置く事なく達した。
 リンデルのそれからは、もう出すものが残っていないのか、ほんのとろりとふた雫ほどの液体が漏れただけだった。

「……そろそろ落ち着いてきたでしょうか?」
 ロッソが、自身の冷静な声に内心嫌気を感じつつ問う。

「はぁ……ぁ……ロッソ……」
 熱に浮かされたような、焦点の僅かに合わない蕩けそうな顔で、リンデルは自身を見下ろす従者へと手を伸ばした。

「勇者、様……?」
 ロッソがその手を取るべきかとほんの一瞬悩む間に、その手はするりと下されロッソの物へと触れる。

「これ……入れて、ほし……い」
 熱い吐息と共に甘くねだられて、ロッソが思考停止する。
 ギシリと固まってしまった従者の物を、震える指先でそっとなぞりながら、勇者が懇願する。

「ロッソの……が……欲しい……」
「わ、わ、私が、勇者様に……ですか?」
 ロッソの上擦った声。
 明らかに動揺しているが、求められた事が嬉しかったのか、その頬は紅潮していた。
 入れられる事は練習済みでも、勇者に入れるなど想定していなかったのか、求めに応じて良いものか思案しているようだ。

 躊躇うロッソに図らずも焦らされて、リンデルが未だ熱く脈打つ熱に身を捩る。
「……っ俺に、入れて……、ロッソ、お願……っ」
 リンデルは喘ぐように涙を零すと、ロッソの長い髪を掬い上げ、それに縋る様に抱きついた。
 勇者の苦しげな声に、ロッソがハッと我に返る。
 目の前の青年は、まだ薬に体の制御を奪われて、止まぬ熱に苦しめられている。

「私などで、よろしければ……」
 ロッソは意を決すると、リンデルの脚を持ち上げる。
 リンデルは、願いを聞き入れてもらえた事にホッと表情を緩める。
 これできっと楽になれる、そう思ったのかも知れない。
 既に数多の液体でどろどろの状態のまま、ひくひくと期待に蠢くそこへ、ロッソの熱い物があてがわれる。

 リンデルに分かったのは、そこまでだった。

 次の瞬間には、快感に全ての思考を奪われる。
 ずぶずぶと割り入るその感覚だけで、全てが溶けそうに熱くて、言葉にならない声が止まない。

 脚を上げられ最奥まで侵入を許せば、それだけでリンデルは目の前が真っ白になった。
「あっはっ、あああっあああああああんんんああああんんっっ!!」
 ビクビクと全身を痙攣させて、大きく体を仰け反らせる。

「くっ……」
 ロッソが小さく呻く。温かく柔らかなそこへ迎え入れられ、全てを包み込まれた後にぎゅうぎゅうと優しく絞り込まれて、今まで感じた事のない快感を与えられる。

 いけない、このままでは……。とロッソが焦り、それを抜こうとする。
 今度はリンデルがそれに縋り付いた。

「あっ、行かな……で、俺、を……ひとりに、しな……い、で……」

 ぼろぼろと涙をこぼして手を伸ばすその人が、自分を見ていない事にロッソが気付く。
 しかし、極限まで高まった熱はもう止められなかった。
 どくりと脈打ち一際大きくなったそれに、自分のさらに向こう側を見つめるリンデルの金色の瞳孔が収縮するのをロッソは目にする。
「……ぁ……」
 その瞳孔が、じわりと緩んで今度は最大まで開く。
「ぅぁああっあっああっあああああっっ!!」
 先ほどよりも強烈に締め付けてくるそれに、ロッソは自身の全てを搾り取られるような感覚を覚える。

「勇者、様……っ」
 思わずこぼしたロッソの言葉に、リンデルはふわりと花のように微笑む。

「あ、は……っ、あったかい、よ、ナカに、いっぱい……」
 溢れる涙が伝う喉をごくりと鳴らして、リンデルが息を継ぐ。

「もっと……もっと、俺の、ナカ、いっぱいに……して……」
 甘くねだるリンデルが、指に絡めたロッソの黒髪へ愛し気に口付ける。
 引き抜こうかと思ったそれを、さらに求められ、ロッソは黙って腰を揺らした。
「ん、あ……、は、ぁ……っ」
 まだそこまでの硬さは戻っていなかったが、それでもとろとろに蕩けた肉壁は、柔らかにそれを包み込む。
 びくびくと時折小さく痙攣するその長い指で、リンデルは黒髪を何度も唇に押し当てる。

 その行為に、溢れそうな程の愛を感じて、ロッソが心乱される。
 彼が見ているのは自分ではないと、頭ではわかっている。
 それでも、自分に犯され悦びを露わにするその姿に、彼は私のことが好きなのではないかと、思い違いをしてしまいそうだった……。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

従僕に溺愛されて逃げられない

大の字だい
BL
〈従僕攻め×強気受け〉のラブコメ主従BL! 俺様気質で傲慢、まるで王様のような大学生・煌。 その傍らには、当然のようにリンがいる。 荷物を持ち、帰り道を誘導し、誰より自然に世話を焼く姿は、周囲から「犬みたい」と呼ばれるほど。 高校卒業間近に受けた突然の告白を、煌は「犬として立派になれば考える」とはぐらかした。 けれど大学に進学しても、リンは変わらず隣にいる。 当たり前の存在だったはずなのに、最近どうも心臓がおかしい。 居なくなると落ち着かない自分が、どうしても許せない。 さらに現れた上級生の熱烈なアプローチに、リンの嫉妬は抑えきれず――。 主従なのか、恋人なのか。 境界を越えたその先で、煌は思い知らされる。 従僕の溺愛からは、絶対に逃げられない。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

仕方なく配信してただけなのに恋人にお仕置される話

カイン
BL
ドSなお仕置をされる配信者のお話

強制悪役劣等生、レベル99の超人達の激重愛に逃げられない

砂糖犬
BL
悪名高い乙女ゲームの悪役令息に生まれ変わった主人公。 自分の未来は自分で変えると強制力に抗う事に。 ただ平穏に暮らしたい、それだけだった。 とあるきっかけフラグのせいで、友情ルートは崩れ去っていく。 恋愛ルートを認めない弱々キャラにわからせ愛を仕掛ける攻略キャラクター達。 ヒロインは?悪役令嬢は?それどころではない。 落第が掛かっている大事な時に、主人公は及第点を取れるのか!? 最強の力を内に憑依する時、その力は目覚める。 12人の攻略キャラクター×強制力に苦しむ悪役劣等生

[BL]憧れだった初恋相手と偶然再会したら、速攻で抱かれてしまった

ざびえる
BL
エリートリーマン×平凡リーマン モデル事務所で メンズモデルのマネージャーをしている牧野 亮(まきの りょう) 25才 中学時代の初恋相手 高瀬 優璃 (たかせ ゆうり)が 突然現れ、再会した初日に強引に抱かれてしまう。 昔、優璃に嫌われていたとばかり思っていた亮は優璃の本当の気持ちに気付いていき… 夏にピッタリな青春ラブストーリー💕

処理中です...