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龍王の場合

1勤目:ご挨拶と道具提供

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 魔王と勇者....


 それは人類と魔物の因縁であり、因果である。


 この戦いは、どちらが滅ぶまで続く....






 ーーーー魔王城ーーーー


 魔王「ふむ、報告ご苦労であった。下がれ」

 部下「はっ!有り難きお言葉!」


 俺は龍の王だ。

 そして、生まれながらの魔王である。

 生まれ意識を持った時から魂が【人類を滅ぼせ】と叫んでいる。


 しかし....


 魔王「足りぬ...兵や道具が...」


 人類を滅ぼす為の準備が足りぬ....




 コンコン



 魔王「ぬ?誰だ。入れ」

 ???「はい、失礼します」


 何故だ?何故、人間が入ってきた?






 ーーー???目線ーーー


 ???「いや、素晴らしいお城ですね!」

 魔王「何故、人間がいる?」


 ???「ああ、失礼。先に自己紹介させていただきます。」



 私、魔王サポートセンターの者です




 魔王「魔王サポートセンター...?」


 ???「はい!貴方様、つまり魔王様のサポートをさせていただきます。」

 魔王「要らん」

 ???「そう言わずに....私も人類には滅んで欲しいのです。」

 魔王「貴様の手など要らん」

 ???「素晴らしい!力に自慢があるのですね!」

 魔王「黙れ。殺すぞ」

 ???「まあまあ、聞いてくださいよ」




 人類は醜い

 騙し、争い、奪い合う

 まるで我が物の顔で

 それが常識のように





 ???「故に、人類は1度一掃するべきなのです」

 魔王「貴様も人類だろう。最終的に殺すぞ」

 ???「ああ、最後で大丈夫です。むしろ、光栄です!」

 魔王「なんなのだ。貴様は....」


 分からぬ...
 何を考えているのだ...

 だが...


 バァン!!


 部下「魔王様!報告です!王国の軍が攻めて来ました!数は少ないですが...500です!」


 このタイミングで!

 やむを得ぬ....


 魔王「主、名はなんと言う...」

 ???「ああ、うっかり私【サギ】と言います」






長い付き合い、よろしくお願いします













 ーーー王国兵長ーーー

 兵長「間もなく!竜王の城に着く!覚悟はいいな!!」

「「「おおおー!!」」」

 兵長「行くぞ!!!」


 数は500!

 少ないかもしれないが奇襲になったはずだ!

 動揺している間に攻める!




 兵「門の上に龍が!!」

 兵長「ブレスが来るぞ!盾を構えよ!!」



 ブワッ!!



 一部の兵は反応が遅れて死亡したが...


 兵長「死んだ者を乗り越えよ!」

「「「おおおおお!!!」」」


 兵長「弓兵は門の龍を打て!!」



 それでも進むのだ!


 兵長「門を開門しろ!!!」


 数で門をゴリ押す!







 ドゴン!!!



 兵長「門が開いたぞ!乗り込め!!」


「「「うおおおお!!」」」












兵「暗いな......」


誰か1人が呟く

城中は暗い

龍の目は暗闇を無効にする為、明かりが必要ない



兵長「龍がいつ来るか分からん。タンク隊前へ」


「「「はい!!」」」


大型な盾を持つタンク隊を前衛に出す。

これで急に攻撃して来ても耐える事はできるだろう。

しかし、数は減った200ぐらいか?

それでも全員が城中に侵入できたのは嬉しい誤算だ。








クシャ





この時までは......








キュイン!キュイン!キュイン!




タンク兵「なあ!?魔力が吸われて!ぐへ!?」

タンク兵「え?ぶえ!?」

タンク兵「何が!?ぎえ!?」



タンク兵がいきなり全滅した。

目の前で

串刺しになった





兵長「全兵!トラップだ!気をつけろ!!!」



聞いてない

龍がトラップを使う等.....















ーーー王国軍侵入前ーーー








サギ「では、魔王様。こちらの紙を」

魔王「紙?そんなのが役に立つのか?」

サギ「もちろん!ただの紙ではございません!説明させていただきます」




こちらの紙は魔法トラップの紙となっており、踏んだ者の魔力をわずかに吸います。


わずかに吸った魔力で人間か魔物で判別し、魔物の場合は何も反応はありません。


しかし、人間が踏むと更に魔力を吸い紙から魔力の槍が出てきます。

そして!想像通りの串刺しの完成でございます。





サギ「まあ、難点なのが使い捨てという点ですね」

魔王「なるほど...これをそこら辺にばら撒くと.....」


サギ「はい!こちらを入り口と別の場所に貼っていただきたいのです!」

魔王「別の場所?言ってみろ.....」

サギ「はい!別の場所とは.....」




















ーーー入り口付近ーーー

兵長「紙だ!床にある紙がトラップだ!」

兵「しかし!数が多すぎます!どうすれば!?」

兵長「剣や盾で退かすのだ!」



こんなの想定していなかった!

まさか、龍王に協力者がいるとは!!

どうする?今は撤退するべきか!









グルルル....








兵長「はっ!?前方から龍が!」





そうか

罠だったのか

侵入する前提の罠だった

全てが遅すぎたのか




ブワッ!








兵「兵長?」

兵「嘘だ...」


頭さえ潰れてしまえば脆い

後は....




兵「龍が来るぞぉぉぉ!」

兵「撤退だ!撤退しろぉぉぉぉ!」




城中の兵達は逃げるでしょうね

だからこそ....






兵「外だ!」

兵「戻って伝えるのだ!」





キュイン!キュイン!キュイン!





兵「え。グヘッ!?」

兵「な!?キエッ!?」






死体の上に紙をばら撒けばいいのですから



















部下「報告します!国王軍は全滅。我ら龍の被害も極少なく問題はありません!」

魔王「ご苦労。それから、この紙を城中に貼りまくれ」

部下「はっ!かしこまりました!失礼します!」






魔王「素晴らしい。」

サギ「ありがとうございます!お褒めに預かり光栄です」

魔王「でだ、何が目的だ。言え」

サギ「流石、魔王様。では契約書を読ませて頂きます」






ーーー魔王サポートセンターの契約ーーー

1:我々は魔物のサポートをさせていただきます


2:対価は城中に空気中にある魔力マナを吸う機械を置く事


3:機械をわざと故障させた場合、魔王様自らの魔力を半分頂きます


4:1年に1度。機械に溜まった魔力マナを回収させていただきます





×××年
魔王サポートセンター













サギ「以上です!」

魔王「機械を置く?それだけでいいのか?」

サギ「はい!1年に1度回収しますので邪魔にならない場所に置かせていただますね!」




対価にしては安い....

しかし、使える。これは使える。



魔王「よかろう。契約だ」

サギ「はい!ご契約ありがとうございます!」






世界に人類がいなくなる日まで......












魔王「ところで何故に音がなるのだ?」

サギ「ああ、なんでも人の恐怖心を煽る為らしいですよ。この音を聞いて人が死んでいるので音を聞いて恐怖心を煽っているのです!」
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