異世界ってやっぱり異国よりも言葉が通じないよね!?

ピコっぴ

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駅前から自宅まで約8分の間に迷子になりました

月は見下ろす。雷鳴と美女 ★

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前話を飛ばした方へ
    箇条書きに纏めてみました

・ジュードの背にくっついて眠ってた明莉が夜中にふと目を覚ますと、ジュードが密着して悪戯を始めた所だった。
・いい加減やない、マジや、とは本人談。
 世話になっても仲良くなっても、それはそれこれはこれ。明莉にそんな気は無く抵抗する。
・明莉の身を護るべくヤヤが噛みつき攻撃しても止まらず、ジュードの強めの魔力弾を受け、魔力が小さな体の許容量を越えたため消滅。
・ジュードの痴漢的行為に泣き叫ぶと、明莉の感情の強さに当てられ、今度はネネも、明莉の悲鳴を再現し叫びながら空へ上り消滅。
・ついにズボンも脱がされて、もうだめって諦めかけた時、地響きを伴い蒼白い光の筋が襲ってきて、ジュードは痺れて崩れ落ちた
・廻りを見ると、月を背に長い髪を宙に遊ばせた美女が魔力を纏わせ見下ろしていた

  こんな感じが前回でした。

  痴漢行為の内容に気分を害される方も居るかと飛ばし読みを勧めました。

  では、続きをどうぞ
 

 *** *** *** *** ***




「…誰?」

 …私、助かったの?

 薄蒼白い光を纏い仄かに光る長身の美女が、無表情で近寄り、ジュードさんを足蹴にして転がす。
 楽になったけど、あまりの驚きに、助かった実感もなければ、感動もない。
 それに、助かったのではないかも知れない。美女の背後から、月が隠れるほど大きな男の人と、中肉中背の少年が現れて、見下ろしてきたからだ。

 外国のアクション映画のように、助かったのではなく、新たな敵かも知れない。
 震えが止まらず、握った拳に力が入る。

 最初に現れて、たぶん、ジュードさんを魔法で攻撃したんだろう美女が、私の側に膝をついた。
「ウォトウルムィディオ、アウィルヴィテ、クァイドゥアヌウィク?」
 と言ってる訳では無いだろうけど、当然、私には彼女が何を言ってるのか解らなかった。
 これだって、私にはこう聞こえてる気がするだけで、ちゃんと聴き取れてない可能性の方が高い。
 識ってる英語ですら、ネイティブスピーカーの言葉は、殆どの単語すら聴き取れないのだから、単語も知らない異世界の言葉を正しく聴き取れる筈もなし。

 美女は困った顔で、身につけてたマントを外し、私の足にかけてくれた。
 美女は困った顔も綺麗だなぁ。月明かりで神秘的な神々しさもプラスされてる気がする。これで2m近くも背が高くなければ、地球ならモテモテだろうに。

 美女がマントをかけてくれたのに合わせ、後の2人もほっとした顔で息を吐いたので、悪い人達ではなさそう。
 ようやく、少し助かった気がして、体中の力が抜ける。そのまま弛緩して、くしゃくしゃになった防水布の上に身を縮めるように横になる。一応、こっそりマントの下で、下げられたショーツは戻した。

 少年の方が、後ろの方に待機してたらしい馬の荷から縄を出して、ジュードさんを縛り上げる。ぎっちりと痛そうな程、しっかり拘束されたようだ。ちょっと可哀想だけど、この時の私には、同情するほど心の余裕は無かった。

 暫く、後の男性2人にジュードさんが責め立てられている。たまに大きい人が、ジュードさんを踏みつけてた。
 何を言ってるのかは解らなかったけど、2人はラノベの挿絵や漫画でみるような騎士の軽装備みたいな格好で揃えてるし、帯剣してるし、たぶん、騎士とか兵士とか、自警団とか、犯罪を取り締まる人達なんだろう。

 ジュードさんの言葉の調子からして、状況説明に混ぜて言い訳してるんだろう。
 彼が慌てたように何かを言うと、大きい人が踏みつけるし、美女の顔が一瞬怖くなると、そちらを向くわけではないからもしかしたら違うかもしれないけどたぶん、美女がやってるんだろう、ジュードさんに電撃が落ちる。
 それが2度ほど繰り返され、その度にジュードさんは短く悲鳴を上げる。電撃は強いと火傷したり麻痺したりするだろうし、大変そう…。

 その様子を見てる内に、ふと気づく。

 この美女、相当綺麗な顔したお姉さんだと思ったけど、声も柔らかいけどやや低めで、魔力かな、淡い光を纏ってるのが神秘的だけど、よくよく見ると、美女じゃなくて、美男子なんだ!

 一気に、じっと見下ろされてるのが恥ずかしくなってくる。
「あうぅ」

 もじもじしながら、声が漏れる。だって、こんな美形のお兄さんにずっとガン見されたら、どうしていいのかわからなくなって、意味不明な声が漏れるやん。
 まして、シャツは脱げてないものの、キャミソールのレース部分から上にズリ上げられたブラがもれてるし、マントの下はイージーパンツが片方脱げてるの、さっき見られたし。

 ジュードさんはこの世界でブラは見ないと言っていた。から、たぶん、もれてても何かは解ってない筈だよね…?

 美女 改め 美男子は、心配そうに見下ろしていたが、私の漏れ出た呻き声を聞き返そうとしたのだろう、顔を近づけ耳を私の口元に寄せる。

 やーめーてー!! そんなお綺麗なお顔、近づけないでぇ

 うう…危ない所を助けてくれて、優しそうな表情と美女と見紛う美形、サッとマントをかけてくれるフェミニスト振り。こんなん、まるで…
「お、王子様…?」
 あわわ、心の声がそのまんま出てしもた。超ハズカシイ!! この人が日本語解らなくてよかったぁ。

 と、思ったのもつかの間、彼は、私を見下ろしたまま振り返らずに、ジュードさんに何かを言っていた。
「*※★*・*、#*※オウジサマ★∅☆★?」
と。
 やーめーてー!! ジュードさんに聞かないでぇ。顔をマントの中に隠しても、どうにもならないのは解ってるけど、せめて真っ赤になってるのを見られたくない。

「☆※★♀♡♂★※*#!? ★*※★!!
 ケッ。ええ歳こいて恥ずかしくないんかよ」

 仰る通りです。
 ジュードさんより幾らか年下っぽいお兄さんに、恥ずかしげもなく、いや恥ずかしいけど、王子様なんて漏らしたの、黒歴史を刻んだよ、たった今。
 たぶん、現地の言葉で言ったのは何かよくない事だったんだろう、またしても蹴られてた。

「わ、悪かったわね。…だって、めっちゃ綺麗な、お顔で…。長い髪、とマン、ト翻して…雷撃打つところが、まるでファン…っくタジーの一場面っく、みたいやんか…年甲斐なくても、ドキドキするやん」
 さっきまでしゃくりあげるほど泣いた後で、喉は腫れてるし、声もかすれて震えてるし、つっかえつっかえ答えると、ジト目で見られた。
「まあ、解らんでも無いけどな…さっきまで泣き喚いてたのに、そーゆー所はえらい余裕あるやんけ」

 すっかりやさぐれてしまったジュードさん。

 もう二言三言、騎士さん達と話したら、何も答えなくなって、転がされたまま目を閉じたようだった。

 美女が、背後の2人の騎士さんに何かを言うと、大きな人が近寄ってきた。
 その影が私にかかるくらいまで近づいてくると、さっきのジュードさんの不埒な行為の不快感と恐怖がザワーっと蘇ってきて、体に力が入り、震えが来る。

 美女・・にそっと背を支えられ、髪についた落ち葉や小枝を払って貰い、髪を撫でて貰うと、少しマシになる。
 本当は男性だと判ったけど、敢えて美女だと思わないと、恥ずかしすぎて悶え死にしそう。

 私が無意識になんだけど怯えたせいで、男性はもう1人の少年に後頭をはたかれてた。うう…スミマセン。
 彼は、軽く頭を下げ(良かった、この世界でも、謝るときは頭下げるんだね、覚えとこ)、縛られて転がされていたジュードさんを肩に担ぎ上げて、そのまま馬の背の後ろの方に括り付けた。

 次に、少年が近寄ってきて、俯いた私の顔を覗き込む。が、また、ジュードさんにねぶられた時の感じを体が思い出して、勝手に震える。ごめんね、貴方が怖いんじゃないんだよ? 体が勝手に、恐怖を思い出すんだよ。

 体は力が抜けて震えるのに、妙に手には力が入って、美女・・の着衣の弛んだ部分をぎゅっと握り締めて離れなかった。

 美女・・が声をかけると、少年は元気よく立ち上がる。馬の方へ行こうとして、ふと足元の何かを拾う。
 …あ、私の眼鏡。

 ジュードさんが馬の上から少年に話しかけると、少し離れた所に置いてあった私のスマホとペットボトルを巻いて纏めてあったタオルハンカチを拾ってくれた。
 にっこり微笑んで、眼鏡を差し出してくれる。美女・・が受け取り、眼鏡と小荷物を自分の上着の隠しにしまう。

 美女・・は、私に優しい声で何かを言って、急に抱き上げた。いわゆるお父さん抱っこってやつだ。

「え? わっ、きゃっ、何?なに? 何処行くの? 私も行くの?」
 ビックリしたので、美女・・の腕の中でもがきながら弱々しい悲鳴をあげる。しかし、困った顔で見上げて落ち着くまで様子を見てるだけで、無理に何かをしようという感じではなかった。
「慌てんなよ、オウジサマのお家に連れてってくれんだとよ。こんな所にアンタだけ置いてく訳ないやろ。おとなしく連れられとけよ。多分、待遇は良いぜ?」
 馬の背に横向けにくくりつけられたジュードさんが教えてくれる。美女・・の顔とジュードさんを交互に見る。
「え? そうなの? この人のお家に?」
「魔道王と言えば、領民、特に子供を大切にする領主として有名だからな。アンタ、子供と間違われてんだよ」

 なぬ? 今、聞き捨てならない言葉が入ってなかった?
 まさか、後数年で50歳の大台にのるって言うのに、子供と間違えられただとぅ?

 私が戸惑っている内に、美女・・あぶみに足をかけたと思ったらグンッと一気に軽々と馬上の人になる。
 急な動きに落ちるって思ってしまったのか、咄嗟の事で無意識にしっかりとしたもの─美女・・の首と肩にしがみついてしまった。彼女・・は怒ったり困ったりせずに、微笑んで、背を撫でてくれた。
 そのまま、馬の背に私をおろし、足は横に彼女・・の腿を越して揃えられるようにして、腿と腿の間にすっぽり収められてしまった。

 うっわぁ、見た事もない高さだぁ。

 ふと、ジュードさんと目が合うと、なんだかやはり可哀想な気がしてきた。

「ジュードさん、お腹苦しそう…そのままじゃ、馬に揺らされたら大変な事になりそうだね。盛大なリバースが…」
「今にも泣き出しそうな声で、自分を襲った野郎に同情ありがとう。
 …そうは言っても、俺は今は、犯罪者なんだよ。この扱いは仕方ないやろ」
「犯罪者? ジュードさん、ここでは前科持ちだったの?」
「んな訳あるかっ。さっきアンタ押し倒してヤろうとした事がここじゃ即有罪なんだよ。畜生。知ってたけどよ…なんつーか、仲良うなった女は久し振りやったし、少しは、だいぶ仲良うなった気もしてたし…」
 イケると思ったのに と言う声は消えそうだったが、ちゃんと聞こえた。
「ごめんね」

 私達のしんみりと話すのを黙って聞いていた美女・・が、少し苛立ちを含んだ声で、ジュードさんに何かを訊ねた。

 渋々といった様子でジュードさんが答える。

 美女・・は少し考える素振りを見せたが、頷き、目配せで、括り付けられたジュードさんを、縛られたままではあるが、大きな男性の背後に座らせるよう指示する。
 何かを呟くと、ジュードさんがグッと呻いた後、視線を巡らず以外は殆ど動かなくなる。
「何したの?」
 私の背中にお腹ををぴったりくっつけて支えてくれてる美女・・を見上げる。
 なんて言ったのかは解らなかったけど、優しい目で、心配するなって感じの事を言ったようだ。…たぶんだけど。
 寒さが増してきたのもあってか、出立する事にしたらしい。

 林の中を樹と樹の間を抜ける。
 よくお馬さんと樹がぶつからないなと感心するくらい、真っ暗なのに凄い早さで進んでいく。月明かりも届かない林の中で。

 わりとすぐではあったけど街道に出た時は、肩の力も抜けてホッと息を吐いた。

 さすがお馬さん、素早く景色が流れていく。風も強く、先程から小さな震えがガチガチと、寒さに歯の根も合わなくなってきていた。
 柔らかい、ジュードさんもその大きなお手々でたぷたぷさせた、妊娠初期(そのギャグはもういい)の腹を支える美女・・の手がどんどん温かくなる。何か小さく短めに呪文かな?を唱え、風に前髪が反って剥き出しのおでこに軽く口づけが降ってきた。
「ンッにゃにゃ!?」
 あっという間に顔が真っ赤に染まり、視線が定まらなかった。
 安全だと思ったのにまさかこの人までセクハラを!?とか焦ったけど、やがて体が温まってくると納得した。
 なんだ、凍えた体を温めてくれたんだ。

 美女・・は何かを言ってたけど、雰囲気からして、私が挙動不審になったから察して、謝ってくれたんだろう。

 体がぬくまってきて、助かったみたいという事に、夜中だし、色々気も体も疲れ切って、また上瞼と下瞼が仲良くなってきた。

 そのまま、思ったより馬の振動が来ないのは、たぶんこの背後で支えてくれてる美女・・が魔法で軽減してくれてるんだろう。

 もう、我慢しなくてもいいよね…
 私は、まだ涙が止まらないまま泣きながら、起きていることを放棄した…
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