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第17話 つまりは逃げろってことですね!?
しおりを挟む俺がそう言うと、神官さんは少し困ったような顔になって考え込んだ。
どうやら今いるここも人間の国らしいが、俺が考えているような事が起こる可能性が高いらしく、否定されなかった。
もしかしたら、精霊樹を盗掘している困った国の中に、この国も含まれているかもしれない……。
アルフレッドも難しい顔になった。
「……まあ、なんだ。さっきも言ったように、俺には報告義務がある。あるが、見つけ次第すぐに連れて来い、っていう命令を直接は受け取っていないからさ。なっ?」
「はい、私もです。今日は……とっても忙しいですし、もうすぐ外も暗くなってきて危ないですので、明日の……う~んと、午後、かな。それくらいにでも報告を上げるとしましょう」
――うん、よく分かった。
つまりは逃げろってことですね!?
二人が少しでも時間を稼いでくれている内に、早く出国した方がいいってっ。
「お二人共、ありがとうございます!」
「フッ、何の事だか分からないなっ」
「はい、私も何のことやら。義務は怠っていませんからね」
アルフレッドは照れてそっぽを向きながら、神官さんは少しはにかんで微笑みながら、答えてくれた。
うんうん、本当にありがたいよっ。
――その時間、有効に利用させて貰います!!
しかし異世界に来て早々、逃亡生活突入とか俺の人生ハードモード過ぎませんかね。
――何か虚しいよ、お母さん……。
い、いや別にマザコンって訳じゃないんですよ!? そこんとこ誤解の無いようにお願いしますっ。ダメージが大きすぎるから、マジでっ。
たださ、こうゆう突発的な出来事に対処するのが、親父よりよっぽど上手かったってのがあってさ。
異常気象の時とか、ドンッと身構えてて頼もしかったなぁ。どこでも生きてけそうなその度胸というか強さは、子供の頃の自分には憧れとして映ったものなんだよ、うん。
ま、まあ、そんなことはともかく、せっかく社畜から解放された訳だし、聖獣に導かれて世界までをも渡っちゃった訳だし?
のんびりまったり暮らしたかったなぁとか思う訳ですよ。ラノベにあるような、異世界でスローライフをっていうやつをさ。
精霊樹は人跡未踏の自然豊かな場所にあるって言うから、ある意味希望は叶っているのか?
……でも、そんな野趣あふれる場所ならすっげえサバイバルしなくちゃいけない予感がするし、全然スローライフになりそうもないんだけど。
精霊樹が魔物を寄せ付けない特性があるとはいえ、そこに辿り着くまでの道のりも大変そうだし。
のんびりゆったり……とは絶対いかないだろうけど、街中にいるよりは人的な危険が少なそうなとこだけが救い、か?
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