ラーメン屋の看板娘、異世界へ。健康ラーメンと鑑定スキルで成り上がります!

谷川 雅

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第70話 五大陸薬膳ラーメン計画、始動!〜美月、世界を駆ける〜

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美月の領地「湯らら麺郷」が話題となり、噂は世界中の貴族、領主、学者、そして料理人たちの耳にも届くこととなった。
「世界を癒すラーメン温泉……だと……?」
「スパイス香る湯気の町?ほんとにラーメンで健康になるのか?」
「薬膳ラーメンと足湯の組み合わせで、腰痛が治ったって本当か!?」
各国から届く視察依頼は、もはや日々の山積みスケジュールの一角を占めるように。さすがの美月も、もふっと頭を乗せてきたチグーに癒されながら、ため息をついた。
「ねえ、チグー……私、薬膳で世界を回る人になっちゃったみたいだよ……」
「もふぅ~(うん、わりと前からだよ)」
その頃、美月の屋敷の応接間では――。
「というわけで、美月様。各国から“ラーメン温泉外交”を求める声が……すでに8か国から招致依頼が届いています」
そう言って書類をずらりと並べるのは、外交官補佐官のクラリーチェ。今日もやる気いっぱいにティーカップ片手でにこにこしている。
「どの国にも、“その国ならではの食材と気候に適応した薬膳ラーメン&癒しのセット”を作ってほしいそうです!」
「なんで“癒しのセット”ってフワッとしてるの!?」
ツッコミを入れる美月の背後から、そっと資料を差し出したのは秘書長――もとい、公務調整官にして影の実務派、リリアーナだ。
「ご安心を。優先順位をつけて、まずは“極寒の地”“灼熱の砂漠”“海洋国家”“天空都市”の四国から外交ルートを順に回る予定ですわ。それぞれ、下調査班と連絡をつけておきました。ちなみに“宇宙支部構想”は却下しました」
「……ほんとにありがとう、リリアーナさん……ギュスターヴさんには後で言っとく……」
***
この頃から、美月の外交活動には一つの通称が生まれた。
その名も――
《もふ外交》
言わずと知れた、ちびグリズリー・チグーによる癒し全開の交流スタイルである。
どんな国でも、どんな緊張した場面でも、チグーがもふっと差し出した大きな前足と、きらきらしたつぶらな瞳があれば――
「……あ、うちの姫が笑った!?」
「ちょ、ちょっとだけ触ってもいいですか!?」
「こんなもふもふ見たことない!」
「もふー!(撫でて撫でて)」
硬い交渉も和やかムードに早変わり。まさに“外交の癒し特使”。
「チグー、君ってほんとに……偉大だね……」
「もふぁー(当然だもふ)」
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