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第91話 射的とたこ焼き
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流石に人が多い。
だが、祭りというのだからこのくらいは普通なのだろう。
「樹さま、私、あれやりたいです」
そう言ってアリアが指差したのは射的だった。
「射的か。アリアは反則じゃないか?」
「それ、どういう意味ですか?」
アリアにジト目で見られてしまった。
「何でもない何でもない。やるか。ルールは分かるか?」
「まぁ、だいたいは」
「あの景品を銃で撃ち落としたら貰えるってゲームね」
「分かりました」
そう言うとアリアは太ももから銃を抜こうとした。
「ちょ、何してんの! 誰がこんな所で本物の銃ぶっ放すんだよ」
「え、違うんですか?」
アリアが割と天然かもしれないという事が分かった。
「なるほど、この偽物の銃で撃ち落とせばいいんですね」
料金を支払うと店主がアリアに射的銃と弾5発を渡した。
「じゃあ、やってみます」
アリアは銃を構えた。
ポン、ポンポン……
アリアは次々と景品を打ち落としていく。
5発中5発、全弾命中していた。
「いやぁ、参った参った。凄いな嬢ちゃん」
店主の親父は豪快に笑った。
「ほれ、持ってけ!」
店主は景品をアリアに渡した。
「ありがとうございます」
アリアはそれを嬉しそうに受け取った。
「見てください。こんなに貰っちゃいました」
「流石だな。銃を持たせたらアリアの右に出るヤツは居ないな」
そう言ってまた祭りを見て回る。
太鼓や笛の音が鳴り響き、皆、興奮している様子だった。
「お、これはたこ焼きみたいなやつか。懐かしいな」
たこ焼きといってもこの世界にタコは居ないようなのでタコではなくチーズが入っているようだった。
「親父、それ、6個入りを二つくれ」
「毎度あり」
樹は6個入りのパックを2つ受け取った。
「あっちの方で座って食うか」
そう言って樹たちは騒がしい中から少し離れたベンチに腰を下ろした。
「ほら、食え」
樹は一つをシャルとアルマに渡した。
アルマとシャルが幸せそうに熱々のたこ焼きもどきを頬張っていた。
「キャ、やめて」
どこか遠くの方から少女の声が聞こえた。
「アリア、聞こえたか?」
「はい。聞こえました」
「女の子の声だったよな」
「はい」
「ちょっと行ってみるか」
樹とアリアは立ち上がった。
「旦那様方どうされました?」
アルマが不思議そうな顔をした。
「ちょっと不審な声が聞こえてな」
「え、そんな声聞こえませんでしたよ?」
「ああ、俺はちょっと耳がいいからな」
本当の所はスキルにある気配探知のおかげで五感が強化されているからなのだが。
「ちょっと様子を見てくるからアルマたちはここで待っていてくれ」
「分かりました」
「シャル、何かあれば大きい声を出せ」
「はい」
樹とアリアは気配探知を使用し、声がした方へと歩みを進める。
「だいぶ祭りの広場からは離れちまったな」
「そうですね。あ、あそこ」
アリアが指さした方を見ると少女が数人の男に腕を掴まれていた。
だが、祭りというのだからこのくらいは普通なのだろう。
「樹さま、私、あれやりたいです」
そう言ってアリアが指差したのは射的だった。
「射的か。アリアは反則じゃないか?」
「それ、どういう意味ですか?」
アリアにジト目で見られてしまった。
「何でもない何でもない。やるか。ルールは分かるか?」
「まぁ、だいたいは」
「あの景品を銃で撃ち落としたら貰えるってゲームね」
「分かりました」
そう言うとアリアは太ももから銃を抜こうとした。
「ちょ、何してんの! 誰がこんな所で本物の銃ぶっ放すんだよ」
「え、違うんですか?」
アリアが割と天然かもしれないという事が分かった。
「なるほど、この偽物の銃で撃ち落とせばいいんですね」
料金を支払うと店主がアリアに射的銃と弾5発を渡した。
「じゃあ、やってみます」
アリアは銃を構えた。
ポン、ポンポン……
アリアは次々と景品を打ち落としていく。
5発中5発、全弾命中していた。
「いやぁ、参った参った。凄いな嬢ちゃん」
店主の親父は豪快に笑った。
「ほれ、持ってけ!」
店主は景品をアリアに渡した。
「ありがとうございます」
アリアはそれを嬉しそうに受け取った。
「見てください。こんなに貰っちゃいました」
「流石だな。銃を持たせたらアリアの右に出るヤツは居ないな」
そう言ってまた祭りを見て回る。
太鼓や笛の音が鳴り響き、皆、興奮している様子だった。
「お、これはたこ焼きみたいなやつか。懐かしいな」
たこ焼きといってもこの世界にタコは居ないようなのでタコではなくチーズが入っているようだった。
「親父、それ、6個入りを二つくれ」
「毎度あり」
樹は6個入りのパックを2つ受け取った。
「あっちの方で座って食うか」
そう言って樹たちは騒がしい中から少し離れたベンチに腰を下ろした。
「ほら、食え」
樹は一つをシャルとアルマに渡した。
アルマとシャルが幸せそうに熱々のたこ焼きもどきを頬張っていた。
「キャ、やめて」
どこか遠くの方から少女の声が聞こえた。
「アリア、聞こえたか?」
「はい。聞こえました」
「女の子の声だったよな」
「はい」
「ちょっと行ってみるか」
樹とアリアは立ち上がった。
「旦那様方どうされました?」
アルマが不思議そうな顔をした。
「ちょっと不審な声が聞こえてな」
「え、そんな声聞こえませんでしたよ?」
「ああ、俺はちょっと耳がいいからな」
本当の所はスキルにある気配探知のおかげで五感が強化されているからなのだが。
「ちょっと様子を見てくるからアルマたちはここで待っていてくれ」
「分かりました」
「シャル、何かあれば大きい声を出せ」
「はい」
樹とアリアは気配探知を使用し、声がした方へと歩みを進める。
「だいぶ祭りの広場からは離れちまったな」
「そうですね。あ、あそこ」
アリアが指さした方を見ると少女が数人の男に腕を掴まれていた。
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