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第七十三話 LHR
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LHR(ロングホームルーム)と呼ばれる、いわゆるレクリエーションを中心とした授業が存在する。
大概は生徒会役員の選定や文化祭のやる事の決定と役割分担、2年生なので修学旅行関連などの目的地の選定など、クラス内で話し合う事が主な内容となる。
普段はヤバい程厳しい担任の黒峰もこういう時はクラスの雰囲気に任せる傾向があり、あまり口を出そうとはしない。
たまにLHRの時間を道徳の授業にするときなんかも教育ビデオを見せる程度で流す事もあるくらいだ。黒峰も個人的に休みたい時があると言う事だろう。
そんな時間に行われたのは視聴覚室でのビデオ鑑賞だ。視聴覚室に集まったみんなの前に立っていたのは黒峰ではなく三國先生。というのも今日は黒峰が不在と言う事もあり、三國が担当する事になったので、もはやこの時間は寝る時間として用意されたのも同じだった。
三國は基本怒らないので生徒諸君から嘗められている。だがそれ以上に好かれていると言う事もあり、この学園内でも1、2を争う人気教師だ。素朴な美人というのも男子生徒から支持を集めるきっかけとなっている。未婚である事もポイントが高い要因だろう。同じ未婚でも黒峰と比べればえらい違いだ。
三國の話で脱線したが、ここで注目してもらいたいのが席の振り分けである。教室内の席順で良いじゃないかと思えるが、一塊にならないなら席は自由という生徒に配慮したものだった。生徒に嫌われたくない三國が考えそうなことだが、仲のいいグループで集まればビデオどころではなくなる。
それだけなら別に構わない。今までなら……。
春田の周りには普段では絶対に集まることの無かった面子が顔を揃える。春田を中心に左隣に竹内、右に虎田、虎田の真後ろに木島、その他2人が木島と肩を並べて座る。3人が座れる仕様の長机2台を一杯に使っている。
いつもならポツンと一人きりの状況で、教室の後ろや端っこの席など、ちょうどいい席を空気も読まずに座っている所だが、今回は虎田が指定した場所に座ることになった。別に逆らう事なく座ったがちょっと後悔していた。
クラス内はおろか教師の三國にも奇異の目を向けられたからだ。
言葉で直接言われたわけではないが、その目には「いつの間にそんなに仲良くなったの?」という意味が含まれていた。
「……なんかさぁ……春田といると何かしら注目が集まるんだけど……もうほっとけって感じじゃない?」
竹内の言いたいことは分かる。だが、その要因の一つを担っているのは竹内自身であることを肝に銘じてほしい。
「まぁまぁ……元から単独行動の多かった二人が最近仲良くなったからね、みんなの気持ちは分からなくないよ」
虎田は春田を挟んで竹内の質問に返答する。
「……ふーん……てか、そんなもん?」
”ダチ”になれば普通に接する。当たり前の事だし、竹内的にも何ら不思議はないが、素行の悪かった不良が、突然クラスの真面目な奴とツルんだら、チグハグが過ぎて驚かれるのが普通である。その上、異性同士なら尚の事、思春期特有ともいえる噂が立つ。敏感な年ごろという奴だ。
「なんでみゆきは前にいるの~?後ろ来ようよ~」
とふわふわした声でとぼけた子が喋りかける。虎田のグループは春田の様な突発ではなく、元から仲が良い。この3人席用の机に4人で座るのは当たり前、集まって駄弁りあってると常に笑いが耐えない良い関係性だ。そんな4人がバラけるのは、また違った意味合いの噂になる。
「前から狭いと思ってたからこの形で良いと思うよ?」
自然な語り口からでる柔らかな否定は拒絶ではなく、あくまで提案。「狭かった」という事実から本来の余裕ある形に戻しただけという事。この台詞のなかに隠されているのは、動く気はないという意思である。
最近では何故か、元のグループとの関係を切り離し、単独行動からの春田直行に指針を固めている。春田的には「俺との会話を減らして、もっと友達を大事にしろ」と言いたいが、それは虎田の勝手なので、放っておく。
おっとりした子は「え~」とブーたれるが、それ以上食い下がることはない。「三國ちゃんなんだし、テキトーで良くね?」ボソッと端っこのサバサバした子が意見する。その意見に虎田の目がキッと吊り上がる。正面を向いていたので見えたのは春田ぐらいだが、表情が虎田の心情を表している。
(お、修羅場か?)軽い感じだが、喧嘩など始まってほしくないと思っている。春田が止めるのも変なので、真ん中で小さくなって激震に耐えようとする。
しかし、虎田は三國に関しての不敬な物言いを聴いてないふりことにした。議論をする気もないからだ。三國は前評判を大事にする傾向があり、そのためなら指導も怠る。教師だからこそ留意しているが、内心では三國を嫌っている。「そんなことないよー」なんておべっかを使う気になれない。
そのままお流れになった事を感じた春田は小さく胸をなでおろす。
木島はいつもよりずっと静かにしている。ちょっと気になりコソッと右後ろを盗み見ると、虎田をチラチラ気にしつつ黙りこくっている。何となく申し訳ない気持ちを持って前を向く。三國はまだ前で映像機器をいじっている。後5分はかかりそうだ。春田は間後ろからトトトンっと肩を叩かれた。
一瞬ドキッとなるが、落ち着いて後ろを見る。春田の間後ろに座っていたのはおっとりした子だった。
(この子は確か……)「えっと……なにかな?……たてかわさん?」
そう館川だ。虎田グループの中で一番おっとりして、喋るのも比較的ゆったりしている癒し系の子だ。
ゆるふわのパーマがかった腰まで届く長い髪を校則範囲ギリギリの明るい茶髪に染めて、特に結う事も無く流している。身長は160cm前後、淡いグレーのカーディガンを着崩し、スカートも短めに織り込んでいる。靴下はルーズソックスで古いイメージがあるが、彼女にはむしろそれがあっている。キラキラのデコレーションとピンクのマニキュアで指先もおしゃれを決めている。グループ内では一番遊んでそうな良くいるギャルの典型例。
春田の様に朴訥な学生とは比較にならない。
「ねぇねぇ~どうなってんの~?なんで君なんかが~慕われてるわけ?」
「俺が聞きたいよ」と間髪入れずに言いたかったが、その言葉に反応したのは竹内と虎田だった。
「……なんかって?……なに?」「ちょっとひなちゃん……」
ちょっとの失言が種火になる。2人は当の春田以上に怒りを湛えている。
「な~に?2人して~……ちょっとした言葉のあやじゃないさぁ~。そう怒んないでよ~」
ふざけながらも背中に冷たいものを感じ、すっと離れる。これは触れてはいけない事だと察し、追及する事はしない。この異様さは両隣の2人も感じた。失言は命取りだ。
春田は空気の重さと未だ始まらない授業に痺れを切らし、席を立つ。真ん中に座らされていたので、突然立つと、周りに驚かれるのだがそれを完全に無視する。竹内を押しのけてズンズン前に出て行く。ふざけて「先生まだー?」なんて囃したてをしていたが、春田の行動でざわつく。三國の後ろに立つと、「やりましょうか?」と一言。
「あら、春田くん。いいの?助かるわー」
それから間もなく準備が整い、元の席に戻る。
席に戻ると開口一番竹内が「……優しいんだ」
「まぁ、先生は不器用だしな……せっかくだし先生が用意したDVDが何なのか観てみようぜ」
あくまで授業の一環で手伝ったことにして空気を換えた。思惑の通りギスギスした空気がすっかり弛緩していた。
「みんな~待たせてごめんね~。今日は日ごろ頑張っているみんなの労いを込めて、映画鑑賞にしようと思うの~。私のせいで途中で終わっちゃうけど、まぁ見たことある奴だし、そこら辺は許してね」
DVDを起動する。
「……労いねぇ……」竹内はその言葉を復唱する。聞き心地のいい言葉に引っ掛かりを感じたのか皮肉気味だ。
竹内の思う事は分からないわけではない。体のいい手抜きとでも言いたいのだろう。しかし、最初にも言ったがLHRはレクリエーションも兼ねている。あながち間違いではない以上、文句などない。
しかし、超人気アイドルグループの男性アイドルと、現在売り出し中の人気女優の激しくも甘酸っぱい学園恋愛ものが始まった時、春田の両隣がいきり立ったのを見て手伝ったことを後悔した。
自分には関係ないはずだが、意識してしまうと何故だかすごく緊張してしまって、残り30分そこらが長く感じた。
大概は生徒会役員の選定や文化祭のやる事の決定と役割分担、2年生なので修学旅行関連などの目的地の選定など、クラス内で話し合う事が主な内容となる。
普段はヤバい程厳しい担任の黒峰もこういう時はクラスの雰囲気に任せる傾向があり、あまり口を出そうとはしない。
たまにLHRの時間を道徳の授業にするときなんかも教育ビデオを見せる程度で流す事もあるくらいだ。黒峰も個人的に休みたい時があると言う事だろう。
そんな時間に行われたのは視聴覚室でのビデオ鑑賞だ。視聴覚室に集まったみんなの前に立っていたのは黒峰ではなく三國先生。というのも今日は黒峰が不在と言う事もあり、三國が担当する事になったので、もはやこの時間は寝る時間として用意されたのも同じだった。
三國は基本怒らないので生徒諸君から嘗められている。だがそれ以上に好かれていると言う事もあり、この学園内でも1、2を争う人気教師だ。素朴な美人というのも男子生徒から支持を集めるきっかけとなっている。未婚である事もポイントが高い要因だろう。同じ未婚でも黒峰と比べればえらい違いだ。
三國の話で脱線したが、ここで注目してもらいたいのが席の振り分けである。教室内の席順で良いじゃないかと思えるが、一塊にならないなら席は自由という生徒に配慮したものだった。生徒に嫌われたくない三國が考えそうなことだが、仲のいいグループで集まればビデオどころではなくなる。
それだけなら別に構わない。今までなら……。
春田の周りには普段では絶対に集まることの無かった面子が顔を揃える。春田を中心に左隣に竹内、右に虎田、虎田の真後ろに木島、その他2人が木島と肩を並べて座る。3人が座れる仕様の長机2台を一杯に使っている。
いつもならポツンと一人きりの状況で、教室の後ろや端っこの席など、ちょうどいい席を空気も読まずに座っている所だが、今回は虎田が指定した場所に座ることになった。別に逆らう事なく座ったがちょっと後悔していた。
クラス内はおろか教師の三國にも奇異の目を向けられたからだ。
言葉で直接言われたわけではないが、その目には「いつの間にそんなに仲良くなったの?」という意味が含まれていた。
「……なんかさぁ……春田といると何かしら注目が集まるんだけど……もうほっとけって感じじゃない?」
竹内の言いたいことは分かる。だが、その要因の一つを担っているのは竹内自身であることを肝に銘じてほしい。
「まぁまぁ……元から単独行動の多かった二人が最近仲良くなったからね、みんなの気持ちは分からなくないよ」
虎田は春田を挟んで竹内の質問に返答する。
「……ふーん……てか、そんなもん?」
”ダチ”になれば普通に接する。当たり前の事だし、竹内的にも何ら不思議はないが、素行の悪かった不良が、突然クラスの真面目な奴とツルんだら、チグハグが過ぎて驚かれるのが普通である。その上、異性同士なら尚の事、思春期特有ともいえる噂が立つ。敏感な年ごろという奴だ。
「なんでみゆきは前にいるの~?後ろ来ようよ~」
とふわふわした声でとぼけた子が喋りかける。虎田のグループは春田の様な突発ではなく、元から仲が良い。この3人席用の机に4人で座るのは当たり前、集まって駄弁りあってると常に笑いが耐えない良い関係性だ。そんな4人がバラけるのは、また違った意味合いの噂になる。
「前から狭いと思ってたからこの形で良いと思うよ?」
自然な語り口からでる柔らかな否定は拒絶ではなく、あくまで提案。「狭かった」という事実から本来の余裕ある形に戻しただけという事。この台詞のなかに隠されているのは、動く気はないという意思である。
最近では何故か、元のグループとの関係を切り離し、単独行動からの春田直行に指針を固めている。春田的には「俺との会話を減らして、もっと友達を大事にしろ」と言いたいが、それは虎田の勝手なので、放っておく。
おっとりした子は「え~」とブーたれるが、それ以上食い下がることはない。「三國ちゃんなんだし、テキトーで良くね?」ボソッと端っこのサバサバした子が意見する。その意見に虎田の目がキッと吊り上がる。正面を向いていたので見えたのは春田ぐらいだが、表情が虎田の心情を表している。
(お、修羅場か?)軽い感じだが、喧嘩など始まってほしくないと思っている。春田が止めるのも変なので、真ん中で小さくなって激震に耐えようとする。
しかし、虎田は三國に関しての不敬な物言いを聴いてないふりことにした。議論をする気もないからだ。三國は前評判を大事にする傾向があり、そのためなら指導も怠る。教師だからこそ留意しているが、内心では三國を嫌っている。「そんなことないよー」なんておべっかを使う気になれない。
そのままお流れになった事を感じた春田は小さく胸をなでおろす。
木島はいつもよりずっと静かにしている。ちょっと気になりコソッと右後ろを盗み見ると、虎田をチラチラ気にしつつ黙りこくっている。何となく申し訳ない気持ちを持って前を向く。三國はまだ前で映像機器をいじっている。後5分はかかりそうだ。春田は間後ろからトトトンっと肩を叩かれた。
一瞬ドキッとなるが、落ち着いて後ろを見る。春田の間後ろに座っていたのはおっとりした子だった。
(この子は確か……)「えっと……なにかな?……たてかわさん?」
そう館川だ。虎田グループの中で一番おっとりして、喋るのも比較的ゆったりしている癒し系の子だ。
ゆるふわのパーマがかった腰まで届く長い髪を校則範囲ギリギリの明るい茶髪に染めて、特に結う事も無く流している。身長は160cm前後、淡いグレーのカーディガンを着崩し、スカートも短めに織り込んでいる。靴下はルーズソックスで古いイメージがあるが、彼女にはむしろそれがあっている。キラキラのデコレーションとピンクのマニキュアで指先もおしゃれを決めている。グループ内では一番遊んでそうな良くいるギャルの典型例。
春田の様に朴訥な学生とは比較にならない。
「ねぇねぇ~どうなってんの~?なんで君なんかが~慕われてるわけ?」
「俺が聞きたいよ」と間髪入れずに言いたかったが、その言葉に反応したのは竹内と虎田だった。
「……なんかって?……なに?」「ちょっとひなちゃん……」
ちょっとの失言が種火になる。2人は当の春田以上に怒りを湛えている。
「な~に?2人して~……ちょっとした言葉のあやじゃないさぁ~。そう怒んないでよ~」
ふざけながらも背中に冷たいものを感じ、すっと離れる。これは触れてはいけない事だと察し、追及する事はしない。この異様さは両隣の2人も感じた。失言は命取りだ。
春田は空気の重さと未だ始まらない授業に痺れを切らし、席を立つ。真ん中に座らされていたので、突然立つと、周りに驚かれるのだがそれを完全に無視する。竹内を押しのけてズンズン前に出て行く。ふざけて「先生まだー?」なんて囃したてをしていたが、春田の行動でざわつく。三國の後ろに立つと、「やりましょうか?」と一言。
「あら、春田くん。いいの?助かるわー」
それから間もなく準備が整い、元の席に戻る。
席に戻ると開口一番竹内が「……優しいんだ」
「まぁ、先生は不器用だしな……せっかくだし先生が用意したDVDが何なのか観てみようぜ」
あくまで授業の一環で手伝ったことにして空気を換えた。思惑の通りギスギスした空気がすっかり弛緩していた。
「みんな~待たせてごめんね~。今日は日ごろ頑張っているみんなの労いを込めて、映画鑑賞にしようと思うの~。私のせいで途中で終わっちゃうけど、まぁ見たことある奴だし、そこら辺は許してね」
DVDを起動する。
「……労いねぇ……」竹内はその言葉を復唱する。聞き心地のいい言葉に引っ掛かりを感じたのか皮肉気味だ。
竹内の思う事は分からないわけではない。体のいい手抜きとでも言いたいのだろう。しかし、最初にも言ったがLHRはレクリエーションも兼ねている。あながち間違いではない以上、文句などない。
しかし、超人気アイドルグループの男性アイドルと、現在売り出し中の人気女優の激しくも甘酸っぱい学園恋愛ものが始まった時、春田の両隣がいきり立ったのを見て手伝ったことを後悔した。
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