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第123話 決着
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双方異次元の戦闘を観客に見せつける。驚異的と言える頂点の戦いは熾烈を極め、会長は一方的な膠着状態に追い込まれた。
(何をしても不利……)
その顔に余裕が消える。あり得なかったことだ。この状態は自分以外の対戦相手が絶望し、立ち竦んでいる姿によく似ている。レベル差がありすぎて追い付けないことを肌で感じた時の諦めきった選手達に……。
(このワシが負ける?あり得ない……!!)
強き者を所望してきた。自分に匹敵する敵を追い求め、体を鍛えてきた。そして出会えたのは遥か高みの存在。長年追い求めた好敵手とは違う、天敵と呼べる存在。
会長は悟る。ヤシャは人間ではない。誰もがこの女を前にすれば思う事だろうが、それ以上に強く感じる。常人から見れば会長も大概だが、その会長から見てもヤシャは化け物だと言えた。
何と言うか、明け透けにモノを言えば「加減しろ馬鹿」である。
ヤシャは肩を回し、腕を上げるとポキポキと至るところの骨が鳴った。気持ち良さそうにグッと体を伸ばしてほぐしている。
その行動に不信感を持ったのは他ならぬ会長だ。彼女が目の前で行っているのは準備運動ではないだろうか?足の間接や手の間接を回したり、逆方向に伸ばしてみたりして体を柔らかくしている。
「……何の真似だ」
さっきまでの攻防を忘れたかのような行動に内心憤慨する。ヤシャが化け物で人間の遥か高みにいるとしても、自分は他の選手とは違い、ヤシャに匹敵する力を持っているはず。もし準備運動をするにしてもさっきので終わっているだろう。そう思えばこの行動は些か不快だ。
「何……って下準備だ。間接を柔らかくしとかないと……」
「ふざけるな!」
ドンッ
マットを蹴り出し一気に詰め寄る。防御を無視した攻撃全振りの右ストレート。ボクサーのジャブより早い右ストレートを体裁きによりヤシャは左に移動し避ける、会長の右拳に合わせて顔面に平手打ちを放った。
パァンッ
カウンターは見事に決まった。目や鼻を狙った一撃はクリーンヒット。「ガッ!」鼻腔内が傷つき鼻血が出る。髪の毛一本程の隙をついて、ドボッと会長の腹部にヤシャのミドルキックが入った。周りから見れば、顔に放った平手打ちは速すぎて見えず、ヤシャが蹴ったのしか知覚出来なかった。鍛え上げた腹筋も悲鳴を上げ、顔中に痛みに耐える血管が無数に浮き出る。
ダダダッと背を丸め後退する。鼻血を出しながら下がる会長の様子を見て観客内にも混乱が蔓延する。
ヤシャはそこにスッと踏み込んで会長の顔面左側を狙って拳を振るう。会長は寸でのところで右腕を上げて防御した。
ドンッ
肉同士がぶつかったとは思えない音は空気を震わせ、会長はロープまで吹っ飛ぶ。ロープに寄りかかり、立っているのもやっとという感じに追い込まれた。
(何だ、今の攻撃は……)
脂汗をかきながら揺れる視界の調整に苦心している。三半規管を狂わされロープを離すと膝をつくことになる。
ヤシャは軽くその場でジャンプしながら会長の回復を待つ。さっき以上に一方的な戦い。
観客から見れば、さっきの攻撃に加え、老いた会長が疲弊で動けなくなっているように見えている。若いヤシャの体力が勝ったために形勢が逆転したと感じたのだ。
滅多打ちにされたヤシャが無事なはず無いという固定概念に囚われているせいもある。
会長はグッと目を瞑ってカッと見開く。ロープから離れ、マットを思い切り踏みしめた。フシューッと息を細く長く吐き出すとギッとヤシャを睨み付け、腰を落として構えた。右手を肩より上に、左手を腰より下に。その形は空手の”天地上下の構え”。
会長の肉体美から構えを見せられると彫刻のように美しい。観客から「おぉ~……」と感嘆とした声が漏れでる。
気を落ち着け、更なる回復を図る会長。この構えは攻めではなくカウンターを狙う受けの構え。ヤシャにはこの構えが何なのか分かっていないものの、何となく飛び込めば打ち落とされるのだろうと感じた。
(ふむ、まぁ関係ないが……)
ヤシャは会長の呼吸、息を吸い込むその瞬間を狙って間合いに入った。突然目の前に現れたヤシャに全く反応できず顔が強張る。息をするのも忘れ力も入らぬ右手を、それでも何とか振り下ろす。
それが間違いだった。ヤシャは会長の鳩尾を右肩で押す。「うっ」ダメージこそ無いがヤシャが間合いに入ったことで体まで強張った。会長の振り下ろした右手を左手で抱え込み、右手を会長の右の太ももに回すと、強張った体と振り下ろした右手の勢いを利用して会長を軽々持ち上げた。
柔道の肩車だ。会長の足が舞う。
背中から落ちる前に空中で体を捻ってマットに着地する。その転回を許したのはヤシャの掴み方が緩かったお陰だ。それがすべて作戦だったのに気付いたのは着地のタイミングを狙った前蹴りを食らわされた時だ。
堅い腹筋に守られているはずの腹部。さっきミドルキックを食らった場所と同じ場所にガード不能の一撃。蹴り押される形で後ろに飛ばされた。
「かはっ……!」
一瞬息が吸えない異常事態に焦るが、連続技が来ないようにサッと両腕をあげて上半身を徹底的に守る。よろよろと下がるとドッと背中が何かに当たる。さっきの一撃でロープ越しまで飛ばされたのか?いや、そんなに下がった覚えがない。行ってもリングのちょうど真ん中くらいだろう。
柔らかい二つの双丘、建造物のように根を張った全く動かない温かい彫像。ゾッとする。ヤシャだ。即座に後ろに回り込まれた。
何かをするわけじゃない。ただ突っ立って会長の体を支えている。会長も顔が上げられず汗が一粒落ちた。
「終わりか?」
その言葉でスイッチが入った。会長はヤシャの体を起点に回転する。背を丸め、腰を落とし、ヤシャの背後を取りつつお腹に手を回す。ガッチリ腕を組むと力を込める。
「噴っ!!」
ダァンッとマットを踏み抜く勢いでヤシャを持ち上げる。すべての筋肉を総動員し、ジャーマンスープレックスを放つ。ヤシャは会長の技をそのまま受けた。
ダダァンッ
凄まじい音が会場を揺るがす。会長の完璧なブリッジはヤシャの後頭部を勢いよく強かに打ち付けるのに役に立った。会長はすぐさま起き上がり、また背中から組み付くとその体を肩ぐらい上まで持ち上げてパイルドライバーを仕掛けた。
脳天杭打ち。
プロレスは相手と息を合わせてあらかじめ大怪我をしない形で技をかけあう。パイルドライバーにしろジャーマンスープレックスにしろ、受け身がとれていたり膝で頭を保護していたりといった感じ。ただ危険である事に変わりはない。そんなプロレスをぶち壊す殺す一撃。
バンッ
会長の全体重がかかって頭からマットに落とされるそんな中、ヤシャが両手をマットについた。
「危ない!!」
そんな声が観客から飛ぶ。こんなことすれば肩や鎖骨、肘、手首、関節から腕の骨に至る全てが危険だ。折れたり、千切れたり、押し潰れる。もう技はかかっている。誰もがヤシャの無残な腕を想像し、苦々しい顔で様子を見守る。
全てがスローモーションになった様なそんな気が会場内を取り巻く。そこで観客の何人かが気付いた。
「……なんで……何も起きないんだ?」
ヤシャと会長がヤシャの腕に支えられて一向にマットに落ちない。この中で最も早く気づいたのは技をかけた張本人だ。足が浮いたまま唖然としてヤシャにぶら下がる。
「ば……馬鹿な……」
恐怖で凍り付く。もしヤシャにこの技を仕掛けられた時に自分に同じ事が出来たか考える。いや、何もしない方がダメージが少ない。だとするなら自分には出来ない。
ヤシャはそのまま弓なりに体を逸らし、足を戻すのと同時に腕の力で飛ぶ。
ガツンッ
頭から落ちたのは会長だった。ヤシャは足で会長の頭を抱えて膝で着地した為、頭がはじける事は無かった。しかし会長の蓄積されたダメージは既に限界に達していた。会長はそのまま背中から倒れ、白目を向いて気絶した。
ヤシャは立ち上がって会長の顔を覗き込む。鼻血を出しながら白目を向いているのを見ると死んでるような気がしてならない。首筋に指を添えると脈が測れた。生きている事を確認するとヤシャは髪を振り上げて観客席を見渡し、右腕を振り上げた。
仕事を忘れ、見入っていた司会者のマイクが唐突に入る。キィンッとハウリングした音が場内に一瞬流れ、それが収まるか収まらないかの時に声を出す。
『しょ……勝負あり!!』
カンカンカンカーンッ
その声に思い出したようにゴングが鳴った。ヤシャの勝利でこの戦いは幕を閉じた。
(何をしても不利……)
その顔に余裕が消える。あり得なかったことだ。この状態は自分以外の対戦相手が絶望し、立ち竦んでいる姿によく似ている。レベル差がありすぎて追い付けないことを肌で感じた時の諦めきった選手達に……。
(このワシが負ける?あり得ない……!!)
強き者を所望してきた。自分に匹敵する敵を追い求め、体を鍛えてきた。そして出会えたのは遥か高みの存在。長年追い求めた好敵手とは違う、天敵と呼べる存在。
会長は悟る。ヤシャは人間ではない。誰もがこの女を前にすれば思う事だろうが、それ以上に強く感じる。常人から見れば会長も大概だが、その会長から見てもヤシャは化け物だと言えた。
何と言うか、明け透けにモノを言えば「加減しろ馬鹿」である。
ヤシャは肩を回し、腕を上げるとポキポキと至るところの骨が鳴った。気持ち良さそうにグッと体を伸ばしてほぐしている。
その行動に不信感を持ったのは他ならぬ会長だ。彼女が目の前で行っているのは準備運動ではないだろうか?足の間接や手の間接を回したり、逆方向に伸ばしてみたりして体を柔らかくしている。
「……何の真似だ」
さっきまでの攻防を忘れたかのような行動に内心憤慨する。ヤシャが化け物で人間の遥か高みにいるとしても、自分は他の選手とは違い、ヤシャに匹敵する力を持っているはず。もし準備運動をするにしてもさっきので終わっているだろう。そう思えばこの行動は些か不快だ。
「何……って下準備だ。間接を柔らかくしとかないと……」
「ふざけるな!」
ドンッ
マットを蹴り出し一気に詰め寄る。防御を無視した攻撃全振りの右ストレート。ボクサーのジャブより早い右ストレートを体裁きによりヤシャは左に移動し避ける、会長の右拳に合わせて顔面に平手打ちを放った。
パァンッ
カウンターは見事に決まった。目や鼻を狙った一撃はクリーンヒット。「ガッ!」鼻腔内が傷つき鼻血が出る。髪の毛一本程の隙をついて、ドボッと会長の腹部にヤシャのミドルキックが入った。周りから見れば、顔に放った平手打ちは速すぎて見えず、ヤシャが蹴ったのしか知覚出来なかった。鍛え上げた腹筋も悲鳴を上げ、顔中に痛みに耐える血管が無数に浮き出る。
ダダダッと背を丸め後退する。鼻血を出しながら下がる会長の様子を見て観客内にも混乱が蔓延する。
ヤシャはそこにスッと踏み込んで会長の顔面左側を狙って拳を振るう。会長は寸でのところで右腕を上げて防御した。
ドンッ
肉同士がぶつかったとは思えない音は空気を震わせ、会長はロープまで吹っ飛ぶ。ロープに寄りかかり、立っているのもやっとという感じに追い込まれた。
(何だ、今の攻撃は……)
脂汗をかきながら揺れる視界の調整に苦心している。三半規管を狂わされロープを離すと膝をつくことになる。
ヤシャは軽くその場でジャンプしながら会長の回復を待つ。さっき以上に一方的な戦い。
観客から見れば、さっきの攻撃に加え、老いた会長が疲弊で動けなくなっているように見えている。若いヤシャの体力が勝ったために形勢が逆転したと感じたのだ。
滅多打ちにされたヤシャが無事なはず無いという固定概念に囚われているせいもある。
会長はグッと目を瞑ってカッと見開く。ロープから離れ、マットを思い切り踏みしめた。フシューッと息を細く長く吐き出すとギッとヤシャを睨み付け、腰を落として構えた。右手を肩より上に、左手を腰より下に。その形は空手の”天地上下の構え”。
会長の肉体美から構えを見せられると彫刻のように美しい。観客から「おぉ~……」と感嘆とした声が漏れでる。
気を落ち着け、更なる回復を図る会長。この構えは攻めではなくカウンターを狙う受けの構え。ヤシャにはこの構えが何なのか分かっていないものの、何となく飛び込めば打ち落とされるのだろうと感じた。
(ふむ、まぁ関係ないが……)
ヤシャは会長の呼吸、息を吸い込むその瞬間を狙って間合いに入った。突然目の前に現れたヤシャに全く反応できず顔が強張る。息をするのも忘れ力も入らぬ右手を、それでも何とか振り下ろす。
それが間違いだった。ヤシャは会長の鳩尾を右肩で押す。「うっ」ダメージこそ無いがヤシャが間合いに入ったことで体まで強張った。会長の振り下ろした右手を左手で抱え込み、右手を会長の右の太ももに回すと、強張った体と振り下ろした右手の勢いを利用して会長を軽々持ち上げた。
柔道の肩車だ。会長の足が舞う。
背中から落ちる前に空中で体を捻ってマットに着地する。その転回を許したのはヤシャの掴み方が緩かったお陰だ。それがすべて作戦だったのに気付いたのは着地のタイミングを狙った前蹴りを食らわされた時だ。
堅い腹筋に守られているはずの腹部。さっきミドルキックを食らった場所と同じ場所にガード不能の一撃。蹴り押される形で後ろに飛ばされた。
「かはっ……!」
一瞬息が吸えない異常事態に焦るが、連続技が来ないようにサッと両腕をあげて上半身を徹底的に守る。よろよろと下がるとドッと背中が何かに当たる。さっきの一撃でロープ越しまで飛ばされたのか?いや、そんなに下がった覚えがない。行ってもリングのちょうど真ん中くらいだろう。
柔らかい二つの双丘、建造物のように根を張った全く動かない温かい彫像。ゾッとする。ヤシャだ。即座に後ろに回り込まれた。
何かをするわけじゃない。ただ突っ立って会長の体を支えている。会長も顔が上げられず汗が一粒落ちた。
「終わりか?」
その言葉でスイッチが入った。会長はヤシャの体を起点に回転する。背を丸め、腰を落とし、ヤシャの背後を取りつつお腹に手を回す。ガッチリ腕を組むと力を込める。
「噴っ!!」
ダァンッとマットを踏み抜く勢いでヤシャを持ち上げる。すべての筋肉を総動員し、ジャーマンスープレックスを放つ。ヤシャは会長の技をそのまま受けた。
ダダァンッ
凄まじい音が会場を揺るがす。会長の完璧なブリッジはヤシャの後頭部を勢いよく強かに打ち付けるのに役に立った。会長はすぐさま起き上がり、また背中から組み付くとその体を肩ぐらい上まで持ち上げてパイルドライバーを仕掛けた。
脳天杭打ち。
プロレスは相手と息を合わせてあらかじめ大怪我をしない形で技をかけあう。パイルドライバーにしろジャーマンスープレックスにしろ、受け身がとれていたり膝で頭を保護していたりといった感じ。ただ危険である事に変わりはない。そんなプロレスをぶち壊す殺す一撃。
バンッ
会長の全体重がかかって頭からマットに落とされるそんな中、ヤシャが両手をマットについた。
「危ない!!」
そんな声が観客から飛ぶ。こんなことすれば肩や鎖骨、肘、手首、関節から腕の骨に至る全てが危険だ。折れたり、千切れたり、押し潰れる。もう技はかかっている。誰もがヤシャの無残な腕を想像し、苦々しい顔で様子を見守る。
全てがスローモーションになった様なそんな気が会場内を取り巻く。そこで観客の何人かが気付いた。
「……なんで……何も起きないんだ?」
ヤシャと会長がヤシャの腕に支えられて一向にマットに落ちない。この中で最も早く気づいたのは技をかけた張本人だ。足が浮いたまま唖然としてヤシャにぶら下がる。
「ば……馬鹿な……」
恐怖で凍り付く。もしヤシャにこの技を仕掛けられた時に自分に同じ事が出来たか考える。いや、何もしない方がダメージが少ない。だとするなら自分には出来ない。
ヤシャはそのまま弓なりに体を逸らし、足を戻すのと同時に腕の力で飛ぶ。
ガツンッ
頭から落ちたのは会長だった。ヤシャは足で会長の頭を抱えて膝で着地した為、頭がはじける事は無かった。しかし会長の蓄積されたダメージは既に限界に達していた。会長はそのまま背中から倒れ、白目を向いて気絶した。
ヤシャは立ち上がって会長の顔を覗き込む。鼻血を出しながら白目を向いているのを見ると死んでるような気がしてならない。首筋に指を添えると脈が測れた。生きている事を確認するとヤシャは髪を振り上げて観客席を見渡し、右腕を振り上げた。
仕事を忘れ、見入っていた司会者のマイクが唐突に入る。キィンッとハウリングした音が場内に一瞬流れ、それが収まるか収まらないかの時に声を出す。
『しょ……勝負あり!!』
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