召喚した勇者がクズでした。魔王を討伐して欲しいのに、勇者が魔王に見えてきた。助けて

自ら

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第3部:駆除の決断期

第16話「王都炎上」

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地下神殿には、薄暗い光が満ちていた。

床に描かれた巨大な魔法陣が、淡く発光している。複雑な文様、古代文字、幾何学的な図形――全てが完成していた。急ピッチの作業だったが、魔道士たちは不眠不休で仕上げたのだ。

魔道士長エドガーが、魔法陣の最後の部分を確認している。白髪の老人は、深い目の下のクマを浮かべていた。

「これで...できる限りのことは」

エドガーの声は疲労で震えていた。宰相ヴァルクが、階段を降りてくる。

「ご苦労だった」

ヴァルクは魔法陣を見渡した。巨大で、美しく、そして――不完全だった。本来なら一ヶ月かけるべき準備を、数日で終わらせたのだ。

「今夜、決行する」

その言葉に、魔道士たちの表情が引き締まった。今夜――ついに、その時が来る。

地下神殿の奥には、反勇者派のメンバーも集まっていた。しかし、騎士団長ベルナールの姿はない。昨夜の戦闘で重傷を負い、療養中だ。

代わりに副団長エドワードが指揮を執っている。三十代の真面目な騎士で、ベルナールの右腕として長年仕えてきた男だ。

「宰相閣下、兵士たちは配置についています」

エドワードが報告した。ヴァルクは頷く。

「しかし...」

エドワードは言葉を濁した。

「勇者を本当に抑えられるのでしょうか」

その疑問は、誰もが抱いているものだった。ヴァルクは、エドワードの肩に手を置く。

「抑えられなくても、時間を稼ぐ」

「十分間だ。それだけあれば、儀式は完了する」

十分間――それは短いようで、長い時間だ。勇者たちと戦いながら、十分間も持ちこたえなければならない。

ヴァルクは魔法陣を見つめた。この魔法陣に、全てが賭けられている。

頼む...成功してくれ。

同じ朝、城の一角にある勇者たちの部屋では、三人が集まっていた。

ハル、レン、ミカ。昨夜、城で暴れた後、一旦部屋に戻っていた。しかし、誰も眠れなかった。

ミカは窓辺に座り、外を見ている。

「マジ最悪」

ため息をつく。

「帰りたいのに、帰らせてくれないとか」

レンは床に座り込み、拳を握りしめていた。

「ぶっ潰すしかないな」

「王も、魔王も、全部」

ハルは、ベッドに座って考え込んでいた。

「でも...俺たち、何が悪かったのかな」

二人が振り向く。ハルは首を傾げている。

「だって、助けてたじゃん。村の人とか」

「そうだよね」

ミカが同意する。

「あたしたち、悪いことしてないし」

レンも頷いた。

「王が頭おかしいんだよ」

部屋の隅には、クロウが座っていた。昨夜、レンに突き飛ばされて負傷している。肋骨が痛み、呼吸するのも辛い。しかし――黙って三人を見ていた。

気づいていない...本当に。

クロウは、その事実に絶望していた。三人は、本当に自分たちが何をしてきたか理解していない。村を壊したことも、人を殺したことも――全て、「助けるため」だったと信じている。

コツコツとノックの音。

扉が開き、フィリアが入ってきた。目が赤い。泣いていたのだろう。

「勇者様方...」

フィリアの声は震えていた。

「王が今夜、何かを企んでいます」

「今夜?」

レンが立ち上がる。フィリアは頷いた。

「はい。地下で、何か大規模な儀式を」

「阻止しなければなりません」

ハルも立ち上がった。

「じゃあ、王様と話し合おう」

「話し合い?」

レンが笑った。

「ぶっ飛ばすだけだろ」

三人が部屋を出ていく。フィリアも後に続いた。

クロウは立ち上がろうとしたが――肋骨の痛みで動けない。

「待て...」

しかし、その声は届かなかった。扉が閉まり、足音が遠ざかっていく。

クロウは、床に座り込んだ。

もう...止められない。

昼、謁見の間には緊張が満ちていた。

レオニス王が玉座に座っている。その周囲には、副団長エドワードと数十名の騎士が完全武装で控えていた。全員、剣を抜き、盾を構えている。

しかし――誰もが理解していた。

勇者には、勝てない。

謁見の間の扉が、ゆっくりと開いた。

ハル、レン、ミカが入ってくる。フィリアも一緒だ。

レオニスは、娘の姿を見て心が痛んだ。しかし――もう後戻りはできない。

「...来たか」

レオニスの声は、低く抑えられていた。

「王様、話があります」

ハルの声は、驚くほど軽い。まるで友達と話すかのような調子だ。謁見の間という場所にも、王という立場にも、何の敬意も感じられない。

「聞こう」

レオニスは答えた。

「なんで俺たちを追い出そうとするの?」

ハルは首を傾げている。本当に理解できないという表情だ。

「追い出すのではない」

レオニスは立ち上がった。

「帰すのだ。お前たちの世界へ」

「同じだろ!」

レンが一歩前に出た。騎士たちが一斉に剣を構える。しかし、レンは気にしない。

「俺たち、まだやりたいことあるんだけど」

「やりたいこと...?」

レオニスの声が震えた。

「破壊か?殺戮か?」

「ひどい言い方だなあ」

ハルが苦笑した。

「俺たち、助けてるだけなのに」

その言葉が、レオニスの心を抉った。助ける――この子は、本当にそう信じているのだ。

「助ける...」

レオニスは玉座の階段を降りた。

「お前たちのせいで、何百人が死んだ」

「それって、仕方なくない?」

ミカがあくびをしながら言った。

「強い魔物と戦ったら、周りも壊れるし」

レオニスは、言葉を失った。仕方ない――この子は、そう言った。何百人の死を、「仕方ない」で片付けた。

「お前たちは...」

レオニスは拳を握りしめた。

「何も分かっていない」

「分かってないのは王様でしょ」

ミカが反論する。

「あたしたち、頑張ってるのに」

口論が始まった。しかし、それは会話ではなかった。互いの言葉が、全く噛み合わない。まるで、違う言語を話しているかのようだ。

ハルが手を上げた。

「王様、そんなに怒らないで」

手のひらに、光が集まり始めた。

レオニスの顔色が変わる。

「待て!それは――」

「防衛魔法」

ハルは笑顔で言った。

「王様たちを守るよ」

「全員伏せろ!」

エドワードが叫んだ。しかし――遅かった。

パン屋「麦の穂」では、トーマスが息子と昼食を取っていた。

簡素な食事だ。パンとスープ、それだけ。最近、店の経営は厳しい。増税と、勇者騒動による混乱で、客足が減っている。

しかし――生きている。それだけで良い。

「父さん、勇者様は?」

息子が尋ねた。トーマスは、スープをすくう手を止めた。

「...分からない」

最近、自分の中でも勇者への信仰が揺らいでいる。かつては、神の使いだと信じていた。しかし――城で起きている騒動、破壊の噂、そして昨夜の異変。

何かが、おかしい。

しかし、それを口に出すことはできない。勇者を疑うことは、この国では――禁忌だから。

その時だった。

轟音。

店全体が激しく揺れた。食器が棚から落ち、床で割れる。天井から埃が降ってきた。

「地震か!?」

トーマスは立ち上がった。しかし――これは地震ではない。

窓の外を見ると――。

城から、光が放たれていた。

それは巨大な球体となり、空を覆っていく。白く、眩しく、そして――恐ろしい光だった。

「何だ、あれは...」

トーマスは、その光景に釘付けになった。

光の球体が――爆発した。

謁見の間では、ハルの手から光が解き放たれていた。

それは一瞬で膨張し、部屋全体を満たす。騎士たちが悲鳴を上げ、床に伏せる。レオニスも、玉座の影に身を隠した。

「やっべ」

ハルが呟いた。

「ちょっと強すぎたかも」

光が爆発した。

衝撃波が謁見の間を襲い、壁を吹き飛ばす。天井が崩れ、瓦礫が降り注ぐ。騎士たちが叫び、逃げ惑った。

そして――光は城を超えて、王都へと広がっていった。

トーマスの店に、衝撃波が到達した。

窓ガラスが一斉に割れ、破片が飛び散る。

「伏せろ!」

トーマスは息子を押し倒し、自分の体で庇った。爆風が店を襲い、棚が倒れ、商品が散乱する。

数秒後――。

世界が静かになった。

トーマスはゆっくりと体を起こした。息子を確認する。

「大丈夫か?」

「う、うん...」

息子は震えていたが、無事だった。

トーマスは窓の外を見た――そして、息を飲んだ。

王都の北側が、消えていた。

建物が吹き飛び、瓦礫の山になっている。炎が上がり、黒煙が空を覆っていた。まるで――巨大な隕石でも落ちたかのような光景だ。

「何が...起きた...」

トーマスの声は、震えていた。

城下がパニックに陥っていた。

人々が叫び、逃げ惑う。破壊された建物から、負傷者が這い出してくる。子供の泣き声、大人の悲鳴、崩れる建物の音――全てが混ざり合っていた。

トーマスは店から出た。息子の手を強く握る。

「大丈夫だ。俺がいる」

通りには、他の店主たちも出てきていた。隣の商人マルクが駆け寄ってくる。

「トーマス!無事か!」

「ああ...お前は?」

「店が半壊した。でも、生きてる」

二人は、城の方を見た。

城からは、まだ煙が上がっている。そして――遠くから、叫び声が聞こえてくる。

民衆が集まり始めた。恐怖と困惑に満ちた顔で、互いに囁き合っている。

「何が起きたんだ?」

「勇者様が...」

「いや、王が攻撃を...」

そして――ある民衆が叫んだ。

「勇者様が...私たちを攻撃している...?」

その言葉が、波紋のように広がっていく。

「まさか...」

「でも、あの光は...」

「勇者様の魔法だった...」

これまで盲目的に勇者を崇拝していた民衆が――初めて、恐怖を感じ始めた。

もちろん、一部の熱狂的な信者は違った。

「勇者様が裏切られた!」

「王が悪い!」

「勇者様を守らねば!」

しかし――多くの民衆は、沈黙していた。

トーマスは、息子を抱きしめた。

「父さん...勇者様は...」

息子の声は、震えている。トーマスは答えられなかった。

ただ――。

「...分からない」

「でも、俺たちは生きている」

「それだけで良いんだ」

遠くで、神殿が見えた。勇者を祀る神殿――それも、半壊していた。屋根が崩れ、壁にひびが入っている。

そして、神殿の前に立っていた勇者の像が――倒れて、粉々になっていた。

城内、謁見の間は惨状だった。

壁が崩れ、天井に大きな穴が開いている。床には瓦礫が散乱し、騎士たちが倒れていた。何人かは動いているが、多くは意識を失っている。

レオニスは、玉座の陰から這い出た。

体中が痛い。頭から血が流れている。しかし――生きている。

「陛下...」

エドワードが駆け寄ってきた。彼も血を流しているが、立っている。

「被害は...」

「分かりません。しかし...」

エドワードは、崩れた壁の向こうを指差した。

「王都が...」

レオニスは立ち上がり、そちらを見た。

王都の一角が――炎に包まれていた。

「くっ...」

レオニスは拳を握りしめた。

謁見の間の中央では、ハル、レン、ミカが平然と立っていた。三人とも、傷一つない。

「あれ、やりすぎた?」

ハルが首を傾げている。レンは笑っていた。

「すげー威力だったな」

ミカはあくびをしている。

「で、王様は?」

その時――。

「やめろ!」

声が響いた。

謁見の間の入口に、クロウが立っていた。肋骨を押さえ、痛みに顔を歪めながら。それでも――立っている。

「クロウ?」

ハルが振り向いた。

「大丈夫?怪我してるじゃん」

心配そうに近づいてくる。しかし、クロウは手を上げて制止した。

「俺の心配はいい!」

クロウの声は、涙で震えていた。

「お前たちが...お前たちがやっていることを理解しろ!」

「何が問題なんだよ」

レンが不機嫌そうに言った。

「俺たち、悪いことしてないし」

「悪いことをしていない...?」

クロウの目から、涙が溢れた。

「村を壊し、人を殺し、国を滅ぼしかけて――」

声を振り絞る。

「それでも、悪いことをしていないと言うのか!」

ハルは、困った表情になった。

「でも、俺たち、助けようとしてたし」

その言葉が――クロウの最後の希望を砕いた。

クロウは膝をついた。

「頼む...やめてくれ...」

しかし――三人は理解しなかった。

ミカが近づいてくる。

「クロウ、疲れてるんだよ」

「休んだら?」

クロウは、床に手をついた。

届かない。何を言っても、届かない。

理解してもらえない。

この子たちには――何も。

クロウは、絶望の中で泣いた。

夕方、王都の郊外に影が現れた。

それは大軍勢だった。数百名の兵士、そして魔術師たち。しかし――彼らは人間ではなかった。

魔族だ。

先頭に立つのは、黒いローブを纏った若い男――魔王ゼファルだった。

「陛下、王都が...」

側近が、前方を指差した。ゼファルも見ている。

王都の一部が、炎に包まれていた。黒煙が空を覆い、遠くからでも破壊の規模が分かる。

「始まったか」

ゼファルは、馬を進めた。

「急げ。もう時間がない」

魔王軍が、王都に向かって進軍していく。

王都に近づくと、逃げ惑う民衆が見えてきた。彼らは魔王軍を見て――さらにパニックに陥った。

「魔王軍だ!」

「終わった!」

「逃げろ!」

悲鳴が上がる。しかし――魔王軍は、民衆を攻撃しなかった。

ゼファルは、民衆を避けるように進路を取った。

「攻撃するな。道を開けさせるだけだ」

魔王軍は、静かに民衆の間を通り抜けていく。

民衆は困惑した。

「攻撃してこない...?」

「どういうことだ...」

トーマスも、その光景を見ていた。隣のマルクが呟く。

「魔王が...民衆を攻撃しない...?」

二人は、信じられないという表情で魔王軍を見送った。

魔王軍が城門に到着した。

城門は既に破壊されており、瓦礫が散乱している。中からは、叫び声と破壊音が聞こえてくる。

ゼファルは馬を降り、城内に入った。

広場には――レオニス王が立っていた。

血を流し、鎧は破れている。しかし――背筋を伸ばし、剣を握っている。

「来てくれたか、ゼファル」

レオニスの声は、疲労で掠れていた。ゼファルは頷く。

「遅くなった」

二人は、互いを見た。そして――頷き合った。

周囲の騎士たちは困惑している。王が――魔王と。

エドワードが前に出た。

「魔王軍は味方だ!」

その言葉が、広場に響く。

「共に戦え!」

騎士たちは、一瞬躊躇した。しかし――もう選択肢はない。

人間と魔族が――共闘する。

前代未聞の光景だった。

城の広場で、両軍が勇者たちと対峙した。

ハル、レン、ミカが中央に立っている。その周囲を、王国軍と魔王軍が取り囲んでいた。

レンが笑った。

「人間と魔族が仲良しこよし?」

「面白いじゃん」

レンが地面を蹴った。

一瞬で、魔王軍の兵士の前に現れる。その速度は、目で追うことができないほど速い。

拳が振るわれる。

兵士たちが、次々と吹き飛んでいく。魔族の兵士は人間より頑強だが――レンの拳の前では、紙のようなものだった。

「くっ...」

ゼファルが魔法を放った。黒い炎が、レンに向かって飛んでいく。

しかし――。

「邪魔」

ハルが指を鳴らした。光の壁が現れ、魔王の魔法を相殺する。

「魔王って、こんなもん?」

ハルは首を傾げている。

レオニスが剣を抜いて前に出た。

「やめろ!」

しかし――。

「はあ、面倒くさい」

ミカが指を鳴らした。小さな光の矢が、レオニスの剣を弾く。

レオニスはバランスを崩し、膝をついた。

戦闘が激化していく。

王国軍と魔王軍が、必死に勇者たちと戦う。しかし――それは一方的だった。

騎士たちが次々と倒れる。魔族の兵士も吹き飛ばされる。城がさらに破壊され、瓦礫が降り注ぐ。

ミカが、退屈そうにあくびをした。

「もう帰りたい」

「この世界、つまんない」

ハルも頷いた。

「だよね」

戦争状態になっているのに――勇者たちは、退屈そうだった。

ゼファルが、レオニスの傍に立った。

「これでは...勝てない」

レオニスも理解していた。どれだけ戦っても、勝てない。

「儀式を...」

レオニスは立ち上がった。

「今すぐ始めるしかない」

「了解した」

ゼファルも頷いた。二人は互いを見る。

「これが最後だ」

エドワードが叫んだ。

「全軍、撤退!」

「地下へ誘導しろ!」

騎士たちと魔族の兵士たちが、勇者を引きつけながら後退していく。少しずつ、地下への階段に向かって。

夜が深まっていく。

王都は――廃墟と化していた。

パン屋「麦の穂」では、トーマスが息子を抱きしめていた。

店は半壊している。窓ガラスは全て割れ、棚は倒れ、商品は散乱していた。しかし――屋根はまだ残っている。

外では、まだ戦闘が続いているようだった。轟音が響き、地面が揺れる。

「怖いよ...」

息子が震えている。トーマスは、その頭を撫でた。

「大丈夫だ...」

しかし――本当は、トーマス自身も怖かった。

空を見上げると、月が見える。

美しい満月だった。しかし――その下で、世界が壊れている。

トーマスは、息子をさらに強く抱きしめた。

レオニスは、地下への階段を降りていた。

後ろからは、まだ戦闘の音が聞こえる。エドワードと騎士たちが、必死に時間を稼いでいるのだ。

ゼファルも後に続く。

「これで終わらせる」

レオニスが呟いた。ゼファルは頷く。

「ああ。世界を守るために」

二人は、地下神殿に到着した。

そこには――完成した魔法陣が待っていた。淡く光を放ち、魔力が渦巻いている。

ヴァルクが待っていた。

「陛下...」

「始めよう」

レオニスは命じた。ヴァルクは深く頭を下げる。

魔道士たちと魔族の魔術師たちが、魔法陣の周囲に集まった。数十名の魔力の使い手たち。人間と魔族が、肩を並べている。

かつてない光景だった。

ゼファルが中央に立った。

「世界を守るために」

魔道士長エドガーも、魔法陣の前に立つ。

「準備完了です」

レオニスは、階段の方を見た。

上からは、まだ戦闘の音が聞こえる。エドワードたちが――命を懸けて、時間を稼いでいる。

「待っていてくれ」

レオニスは呟いた。

「必ず、終わらせる」

ヴァルクが、魔道士たちに合図を送った。

魔道士たちが、詠唱を始める。

古代の言葉が、地下神殿に響き渡った。

魔法陣が、強く光り始める。

儀式が――始まろうとしていた。
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