おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう

お餅ミトコンドリア

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11.「vs土の精霊王女ソイリィ」

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「お願い、二人とも正気に戻って!」
「フッフッフ。無駄っすよ。今のアクエちゃんは、アクエちゃんじゃないっすから」
「右に同じであります!」

 上空に浮かぶ銀色のロングヘアでサイドテールの悪戯っぽい表情を浮かべるアクエと、生真面目そうな茶色のポニーテールのソイリィが、どちらも漆黒の魔力に全身を包まれながら瞳を怪しく光らせる。

 ダダークの精神操作は、やはり一筋縄では解けないらしい。

 アイシィとファイフィの二人掛かりじゃないと止められなかったことから、アクエたちも闇の魔力によって戦闘能力が強化されているようだ。

「アイシィ、ファイフィ! 二人は引き続きアクエを押さえてくれ! サンダリ、お前は俺と一緒にソイリィと戦ってくれ!」
「分かりました、師匠!」
「ハッ! あたいに任せておきな、先生!」
「えへへ~。サンダリだけコーチと一緒~。特別~」
「くっ! やはり納得いきません! 師匠と共闘する役割は、やはり私が!」
「いや、あたいだね! だって、この中で先生の頬にキスしたのはあたいだけだからね!」
「そ、そんなの、すぐに私だってやれるんだから! 何なら、く、く、唇でも!」
「うん、頼むから一致団結してな、お前ら」

 半眼で俺が突っ込むんだ直後。

「押し潰すっす! 『マウンタナスウェイブ』!」

 眼下に向かってアクエが手を翳すと同時に、先程凍らせられた大量の水の上から別の津波が出現、襲い掛かる。

「『アイスブリザード』!」
「チッ! おらああああああああ!」

 アイシィとファイフィが力を合わせて、凍てつく冷気と猛炎で必死に止める。

「吾輩も参戦するであります! 貴方たち、目覚めるであります!」
「「「「「ゴオオオオオオオオ!」」」」」

 巨躯を誇るドラゴンと同サイズのゴーレムたちが地面から次々と出現、轟音と共に近付いてくる。

「コーチ~、ゴーレムはサンダリが倒す~」
「分かった! 俺はソイリィを元に戻す!」

 早速「えいや~」という戦場には似付かわしくない、間の抜けた声と共にサンダリが放った正拳突きは、しかしシスリアよりも数段大きな雷撃を生じさせて先頭のゴーレムに直撃、全身を貫くと同時に爆破、四散した。

 流石サンダリ!
 威力半端ないな!

 が、走り出した俺の前に、うじゃうじゃとゴーレムが立ち塞がる。

「数は力であります!」
「くっ!」
 
 サンダリの攻撃は威力が大きいが、一発ずつしか発動出来ない上に、スピードが遅いという弱点がある。俺の行く手を遮るゴーレムを彼女の攻撃で一掃するのは難しい。

 流石に走りながらこのデカブツを倒すのは、ちょっとしんどいかも。

 そう思った俺は、立ち止まって腰を落とし、右拳を引いて正拳突きの構えを取ったのだが。

「『サンダー』! 『サンダー』! 『サンダー』! 『サンダー』!」
「「「「ゴ……オ……オォ……」」」」
「!?」

 ゴーレムが立て続けに雷撃を食らい、動きを止める。

「シスリアの魔法は、お姉ちゃんみたいな威力は無いから、コイツ等を一発で倒すなんて無理なの。でも、連発出来るし、痺れさせてちょっとの間動きを止めるだけなら出来るの!」

 振り返ると、そこには両手を翳したシスリアがいた。

「勘違いするんじゃないの! これは、あんたのためなんかじゃなくて、お姉ちゃんのお手伝いしてるだけなの!」
「ああ、分かってる! それでもありがとうな、シスリア!」
「ふんだ!」

 顔を逸らす彼女に感謝しつつ、俺は跳躍、シスリアが動きを止めてくれたゴーレムの頭の上で再び跳躍して次のゴーレムへ、と繰り返す。

「はあああああああああ!」

 最後のゴーレムの頭部が砕ける程に強く蹴ると、俺は上空のソイリィに向かって大きく跳躍した。

「飛べないなんて不憫であります! 攻撃を避けられないであります! 『ギガントロック』!」
「!」

 ソイリィの頭上に超巨岩が出現、天に翳した両手を振り下ろすと、俺に向かって落下してきた。

 でかっ!
 でも!

「別に不憫じゃないぞ! 〝避ける必要は無い〟からな! はあああああああああ!」

 虚空で正拳突きを食らわせて、超巨岩を粉々に砕き、そのまま上昇を続ける。

「なっ!?」

 まさか一撃で粉砕されるとは思っていなかったのか、驚愕に目を剥くソイリィへと俺は接近する。

「貰った!」
「師匠、私を殴るんですか? 悲しいです……」
「!?」

 突如、俺の眼前にアイシィが現れた。
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