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11.「vs伝説の英雄」
少し時は遡って。
ゼラグドさんに見付かった際。
「ハッ! こうなったら――」
「エルアさん、抵抗しないで下さい!」
「!? 何故だい?」
「こうなったのは、安全な場所に飛べる保障なんて何もないのに、空間転移を提案した僕のミスです。本当にごめんなさい……でも、こうして不法侵入しちゃったのは事実なので、ここで暴れちゃうのは、良くないと思うんです。それに、今すぐ殺す、って感じでもないと思うので……」
「……分かったよ」
斜めに構えた大斧を下ろすエルアさん。
エルアさんには本当に申し訳ないと思う。
もちろん、身の危険が迫ったら、僕もドラゴンを召喚して、全力で抗うつもりだ。
無断で家に忍び込んでしまったのは確かだし、いくらでも謝罪するけど、悪気があったわけじゃないし、そんなことで仲間を殺させやしない。
「観念したか。……怪我は無いか、ウルムルちゃ――ウルムル」
あ、普段はちゃん付けで呼んでるんだ。
「ええ、私は無事ですわ。ただ……」
「ただ?」
「……そこの殿方に、裸を見られてしまいまして……」
「殺す!!!」
自らの身体を抱き締め恥ずかしそうに視線を逸らすウルムルさんが告げた言葉に、ゼラグドさんは目を血走らせ、巨大な金属製棍棒を振り翳す。
「御父様、待って下さいまし!」
「止めるな!」
「その方々は、勇者パーティーのメンバーだったのですわ!」
「! ……ほう」
棍棒をピタリと止め、地面に突き立て大地を揺らしたゼラグドさんが、目を細め、値踏みするように僕たちを見る。
「正確には三人中二人が、ですが。召喚士リュウさまと賢者マイカさまですわ。お二人は訳あってパーティーから脱退されたみたいですの。あと、そちらのエルフの女性は……側仕えか何かでしょうか」
「おい! 戦士だよ戦士! この大斧見りゃ分かるだろうが! こんな側仕えがいてたまるか!」
「うむ。どこかで見た顔だと思ったが、そうだったか」と、顎を触りながら呟いたゼラグドさんは、「それで、何故我を止めたのだ。まさか、元勇者パーティーだから手を出さないで欲しい、などとは言うまいな?」と、片眉を上げる。
「もちろんそのような理由ではありませんわ。私の見立てでは、リュウさまはかなりの実力者だと思われますの。是非とも御父様に、その力を見極めて欲しいのですわ」
「実力者、か」
ゼラグドさんの鋭い視線が僕を突き刺す。
怖いけどみんなのためにも逃げるわけにはいかず、真正面から受け止める。
「お前がそこまで言うとはな……良いだろう。リュウよ。我と一対一で戦え。もし貴様が我に一撃でも入れることが出来たら、今回の件、特別に許してやろう」
「ほ、本当ですか!? ありがとうございます!」
頭を下げた後、ふと見ると、ウルムルさんがウインクした。
彼女が、チャンスをくれたんだ!
ありがとうございます!
こうして僕は、ゼラグドさんと対戦することになった。
すごく強そうだし怖いけど、頑張ろう!
※―※―※
中庭の中央に訓練場があるらしく、そこで戦うとのことだ。
先導するゼラグドさんと護衛の人たちについていく途中で、僕は、彼についての情報を色々教えてもらった。
「ゼラグドさんは国の英雄よ! 二十五年前、二十二歳の時に、王都に向かって千匹のモンスターの大軍が迫って来た際に、一人で倒してしまった傑物なの! その功績が評価されて、平民でなお且つ獣人としては異例な貴族への取り立てが決まったのよ! しかも、男爵と子爵を飛び越えて、伯爵の爵位を得たという生きる伝説なのよ!」
さすが博識なマイカさんだ!
「うわ~! すごい人なんですね! 格好良い!」
「よくご存知ですわね。補足しますと、当時、国軍は部隊の編制に手間取り、冒険者ギルドは報酬に関して冒険者たちと揉めており、その間に……ということだったみたいですわ。ちなみに、御父様いわく『数が多いだけで、その実腕が立つ者は誰もいなかった』とのこと」
「ますます格好良いですね!」
「うふふ。ちなみに、御父様のレベルはLV120ですわ」
「120!?」
アキラさんよりもよっぽど勇者に相応しいんじゃ!?
威厳もあるし。
「ええ。それと、私は現在二十二歳。正に女盛りで丁度良く、オススメですわよ?」
「え? あ、そうなんですね!」
「ちょっと、何関係ない話してるのよ!」
よく分からないけど、不敵な笑みを浮かべるウルムルさんにマイカさんが噛み付く。
ウルムルさんは、ふと僕ら一人一人を見て、寂しそうな表情を浮かべた。
「自由な冒険者稼業……皆さまが羨ましいですわ」
「ウルムルさんも冒険者になりたいんですか?」
「ええ。偉大な御父様のように。幼少期に御母様が病死して以降、御父様は男手一つで私を育てて下さいましたわ。御父様にお願いして、幼い頃から戦闘訓練も受けて来ましたの。まぁ、本気で戦って頂くことだけは、何度せがんでも断られてきたのですけれど。ただ、それでも、LVは84まで上がりましたわ」
「84!? すごいですね!」
「ありがとうございます。ですが……私には、ウォーレローズ家の一人娘として――次期当主としての責務がありますの……家を継ぎ、貴族として繁栄させることを運命づけられているのですわ……」
俯いた彼女の顔に影が差す。
貴族ってお金持ちだし、生まれながらにして勝ち組って感じがしてたけど、そういう考えの人もいるんだなぁ。
「……と、お喋りはこのくらいにして。着きましたわよ」
僕らが辿り着いたのは、個人の邸宅の敷地内とは思えない程に広々とした空間だった。
剥き出しの地面が正方形の形を成している。
訓練場の端には、屋根付きのソードラックのようなものがあり、幾つもの棍棒が立て掛けられているが、ゼラグドさんは手に持つ得物を掲げた。
「我はこれを使う。三十年間生死を共にして来た相棒だからな。貴様は召喚士だったな、リュウ。では、その力を存分に使って掛かって来るが良い。どれだけモンスターを召喚しても構わん」
「いえ、僕は、ドラゴン――モンスターは一切召喚せずに、自分だけで戦おうと思います!」
「貴様、我を愚弄するのか? 召喚士が召喚もせず、その剣一本で我に勝てると?」
「そうじゃありません。英雄であるゼラグドさんに、一対一で勝てるとは思っていません」
「では、何故だ? 自殺志願者という訳でもあるまい」
僕は、ゼラグドさんを見上げて毅然と述べる。
「このような形での決闘となってしまいましたが、強い人と戦いたいと思うのは、男として当然ではないでしょうか?」
「ほう」
「戦士として、そして男として、生きる伝説とまで言われるゼラグドさんと、正々堂々と、正面から戦いたいのです!」
真っ直ぐに見据える僕に、ゼラグドさんは「むう……」と思案した後、再び口を開いた。
「分かった。そこまで言うのならば、認めてやろう。武器のみでの勝負だ。ただし、もし何かスキルがあるならば、好きなだけ使え」
「分かりました! ありがとうございます!」
頭を下げつつ、僕は安堵の溜息を漏らした。
英雄であるゼラグドさんへの憧れの気持ちは、もちろんある。
けど、一騎討ちを望んだ一番の理由は、また別にある。
不法侵入した罪があるのに、ドラゴンを召喚して代わりに戦ってもらって「はい、倒しました」とするのは、筋違いだと思ったのだ。
だけど、それを正直に話してしまえば認めてもらえないと思った。
だから、一芝居打つことにしたんだ。
※―※―※
「では、行くぞ」
「はい! お願いします!」
訓練場の中心で向かい合った後。
「ふん!」
ゼラグドさんが気合いを入れると、それだけでビリビリと肌に突き刺さるような覇気が放たれた。
「『身体強化』! 『硬化』!」
ショートソードを抜いた僕は、小さく呟いてスキルを発動する。
「うおおおおお!」
「!」
たった一歩で距離を詰めたゼラグドさんは、上段に構えた巨大棍棒を打ち下ろす。
全てを叩き潰さんとする一撃を、僕は剣の腹で何とか受ける。
「うおおおおおおお!」
まるで巨岩を幾度も叩き付けられているかのような、常軌を逸する衝撃。
このままじゃやられる!
守っているだけじゃダメだ!
「たあああああああ!」
「むっ!」
僕の方からも仕掛けて打ち合うと、激しく火花が散った。
何合も打ち合っている内に、ゼラグドさんは「ここまで出来るとはな」と、口角を上げる。
「ここからは本気で行かせてもらおう!」
「!」
ゼラグドさんの身体が淡い光に包まれた。
「気を付けて、リュウ君! あれは闘気よ!」
聞いたことがある。
何年も鍛練を続けた者の中で、ごく僅かに発現するというスキルだ。
闘気を発動すると、一時的だが、膂力が格段に上がるという。
「今の御父様は、闘気使用により五十パーセントアップして、LV180ですわ!」
「180!?」
ドラゴンに頼らず、僕だけの力で太刀打ち出来るだろうか?
いや、出来る出来ないじゃない! やるしかないんだ!
「うおおおおおおおおお!」
ゼラグドさんの筋肉が隆起し、上から襲い掛かる。
明らかに先程よりも重い一撃。
「たあああああああああ!」
「!」
しかし、何とかそれに潰されず、弾くことが出来た。
「ふはははは! 良いぞ! 想像以上だ!」
ゼラグドさんが更に攻撃を加えようとした。
その瞬間。
「! 何故だ……!」
「申し訳ございません、御父様」
僕の代わりに、ウルムルさんが受け止めていた。
見ると、彼女は手に巨大な金属製棍棒を持ち、その身体は光に包まれている。
「はあああああ!」
動揺する父親に彼女は、激しく打ち込んでいく。
「むう。闘気まで使えるようになっていたとはな!」
「はい。つい最近ですけれど。全ては、伝説の英雄に幼少時代から鍛えて頂いたおかげですわ」
闘気発動時は五割増、ということは。
「今の私はLV126。もし御父様がこの瞬間に闘気を無くせばLV120。流石の御父様も、闘気を使い続ける以外の選択肢はございませんよね?」
「これを狙っておったのか! リュウとの決闘も、全て計算尽くだったのか!」
『本気で戦ってもらったことがない』。
先刻のウルムルさんの言葉が脳裏を過ぎる。
「そこまでして我と真剣勝負がしたかったというのか、娘よ!」
「無論それもありますわ。ですが、一番の目的は!」
ウルムルさんの棍棒が一際強く叩き付けられる。
「〝冒険者になること〟に御許しを頂くことですわ!」
「!」
重い衝撃が、ぶつかる棍棒を通してゼラグドさんに伝わる。
「御父様のことは尊敬しておりますわ! 平民だったのに、獣人だったのに、貴族の地位を勝ち取った! その地位を、名誉を、一人娘の私が継ぎ、背負っていく責任があるのも、頭では理解出来ますわ」
「でも!」と、悲壮感をその瞳に滲ませながら、ウルムルさんは想いをぶつける。
「私が一番憧れるのは! 一番格好良いと思うのは! 棍棒を持った、冒険者の御父様ですわ!」
「!」
ウルムルさんが棍棒を上段から振り下ろすその姿に、全く同じ体勢で打ち合うゼラグドさんの姿が重なる。
ウルムルさんは、跳躍すると。
「私は、御父様のような格好良い冒険者になりたいのですわあああああああああああ!」
ゼラグドさんの真上から打ち下ろして。
「……!」
ゼラグドさんの棍棒が、砕け散った。
いくらウルムルさんが闘気でレベルが上がっていたとはいえ、今のゼラグドさんはLV180。
LV126では、勝ち目はない。
けど、ゼラグドさんの棍棒は、三十年間使って来たもの。
かなり古くなって傷んでいたはずだし、そこに同じ闘気使いのウルムルさんが全力で棍棒を叩き付けたから、破壊出来たんだ。
あ、あと、僕のショートソードは伝説の武器だから、それで少し打ち合った、というのも、ほんの少しだけあるかもだけど。
手の中に残る砕けた棍棒に視線を落とし、呆然とするゼラグドさんは、目を閉じて息を一つする。
「……貴族としての務めも大切なことだが、自分が本当にやりたいことをやって生きる。それもまた一つの道、か」
再び目を見開いたゼラグドさんは、娘に穏やかな笑みを向けた。
「分かった。お前の冒険者としての活動を許可する」
「御父様! ありがとうございます!」
ウルムルさんが、棍棒を投げ捨てて父親に抱き着く。
「ぐふふ。ウルムルちゃん……」
バスローブ姿のままの娘を抱き締め、鼻の下を伸ばすゼラグドさんの耳元で、ウルムルさんが囁く。
「ちなみに、そこにいるリュウさまたちの冒険者パーティーに加入して、ついでに魔王討伐もして来ますわ。良いですわよね?」
かなり重要な追加情報がさらりと付け加えられる。
「むっ! 魔王討伐だと!? そんな危険なことを、ウルムルちゃんにさせる訳には――」
「良いですわよね?」
「!」
ウルムルさんが豊満な胸を何度も押し当てながら、ゼラグドさんの耳元で甘く懇願する。
「御父様。良いですわよね?」
「……むっ……むう……分かった……」
ゼラグドさんは、遂に陥落した。
「ありがとうございますわ!」
頬にキスされ、「ぐふふ」と、また表情が緩み切ったゼラグドさんは、「いかんいかん」と首を振ると、彼女の身体を離し、「コホン」と、咳払いして仕切り直した。
「ウルムルよ。お前は強い。何せ我が鍛えたのだ。魔王とも十分戦えるだろう」
ゼラグドさんは、口角を上げて更に続ける。
「なぁに。存分に冒険者を楽しみ、魔王を討ち取った後は、貴族になるに値する良い男でも捕まえて帰って来れば、ウォーレローズ家も安泰というものだ。十分な武勲を立てることが出来る者――例えば、職業が戦士ではないにもかかわらず、我と打ち合うことが出来るような強者とかな」
「まぁ、御父様ったら」
よく分からないけど、ウルムルさんは朱に染まった頬に両手を添えた。
「ということだ、リュウたちよ。貴様らの罪、特別に許してやる」
「「ありがとうございます!」」
頭を下げる僕とマイカさんの後ろから、「何だか、〝平民と獣人は貴族にはなれないという常識をぶっ壊した英雄〟の印象が変わっちまったねぇ」と、エルアさんの呟きが聞こえた。
それにしても、ゼラグドさんは本当に格好良いなぁ!
ドラゴン抜きで僕がこんなにレベルが高い人とまともに戦える訳ないし、弱い僕のために、密かに手加減してくれたんだから!
伝説の武器のおかげで、何とか最低限打ち合うことは出来たとは思うけど、でも、ゼラグドさんが本気だったら、きっとすぐにぶっ飛ばされていたよね!
手加減したなんてことは一言も言わず、必死に頑張った僕の態度に対して、「許す」って言ってくれたんだ!
誇り高き貴族とは、そして上に立つ者とは、こういう人のことを言うんだろうな!
「リュウさま、マイカさま、ついでにエルアさま」
「誰がついでだ! 誰が!」
「私をパーティーに入れて頂けますでしょうか?」
「もちろんですよ!」
「お風呂場でのアレは、全部こうするためのお芝居だったのね! じゃあ歓迎するわ!」
「ハッ! あたいも構わないよ。お嬢さまなのに巨大棍棒をぶん回すだなんて、常識破りで良いじゃないか」
「感謝いたしますわ。それでは、よろしくお願いいたします」
こうして、僕らに新たな仲間が加わった。
ゼラグドさんに見付かった際。
「ハッ! こうなったら――」
「エルアさん、抵抗しないで下さい!」
「!? 何故だい?」
「こうなったのは、安全な場所に飛べる保障なんて何もないのに、空間転移を提案した僕のミスです。本当にごめんなさい……でも、こうして不法侵入しちゃったのは事実なので、ここで暴れちゃうのは、良くないと思うんです。それに、今すぐ殺す、って感じでもないと思うので……」
「……分かったよ」
斜めに構えた大斧を下ろすエルアさん。
エルアさんには本当に申し訳ないと思う。
もちろん、身の危険が迫ったら、僕もドラゴンを召喚して、全力で抗うつもりだ。
無断で家に忍び込んでしまったのは確かだし、いくらでも謝罪するけど、悪気があったわけじゃないし、そんなことで仲間を殺させやしない。
「観念したか。……怪我は無いか、ウルムルちゃ――ウルムル」
あ、普段はちゃん付けで呼んでるんだ。
「ええ、私は無事ですわ。ただ……」
「ただ?」
「……そこの殿方に、裸を見られてしまいまして……」
「殺す!!!」
自らの身体を抱き締め恥ずかしそうに視線を逸らすウルムルさんが告げた言葉に、ゼラグドさんは目を血走らせ、巨大な金属製棍棒を振り翳す。
「御父様、待って下さいまし!」
「止めるな!」
「その方々は、勇者パーティーのメンバーだったのですわ!」
「! ……ほう」
棍棒をピタリと止め、地面に突き立て大地を揺らしたゼラグドさんが、目を細め、値踏みするように僕たちを見る。
「正確には三人中二人が、ですが。召喚士リュウさまと賢者マイカさまですわ。お二人は訳あってパーティーから脱退されたみたいですの。あと、そちらのエルフの女性は……側仕えか何かでしょうか」
「おい! 戦士だよ戦士! この大斧見りゃ分かるだろうが! こんな側仕えがいてたまるか!」
「うむ。どこかで見た顔だと思ったが、そうだったか」と、顎を触りながら呟いたゼラグドさんは、「それで、何故我を止めたのだ。まさか、元勇者パーティーだから手を出さないで欲しい、などとは言うまいな?」と、片眉を上げる。
「もちろんそのような理由ではありませんわ。私の見立てでは、リュウさまはかなりの実力者だと思われますの。是非とも御父様に、その力を見極めて欲しいのですわ」
「実力者、か」
ゼラグドさんの鋭い視線が僕を突き刺す。
怖いけどみんなのためにも逃げるわけにはいかず、真正面から受け止める。
「お前がそこまで言うとはな……良いだろう。リュウよ。我と一対一で戦え。もし貴様が我に一撃でも入れることが出来たら、今回の件、特別に許してやろう」
「ほ、本当ですか!? ありがとうございます!」
頭を下げた後、ふと見ると、ウルムルさんがウインクした。
彼女が、チャンスをくれたんだ!
ありがとうございます!
こうして僕は、ゼラグドさんと対戦することになった。
すごく強そうだし怖いけど、頑張ろう!
※―※―※
中庭の中央に訓練場があるらしく、そこで戦うとのことだ。
先導するゼラグドさんと護衛の人たちについていく途中で、僕は、彼についての情報を色々教えてもらった。
「ゼラグドさんは国の英雄よ! 二十五年前、二十二歳の時に、王都に向かって千匹のモンスターの大軍が迫って来た際に、一人で倒してしまった傑物なの! その功績が評価されて、平民でなお且つ獣人としては異例な貴族への取り立てが決まったのよ! しかも、男爵と子爵を飛び越えて、伯爵の爵位を得たという生きる伝説なのよ!」
さすが博識なマイカさんだ!
「うわ~! すごい人なんですね! 格好良い!」
「よくご存知ですわね。補足しますと、当時、国軍は部隊の編制に手間取り、冒険者ギルドは報酬に関して冒険者たちと揉めており、その間に……ということだったみたいですわ。ちなみに、御父様いわく『数が多いだけで、その実腕が立つ者は誰もいなかった』とのこと」
「ますます格好良いですね!」
「うふふ。ちなみに、御父様のレベルはLV120ですわ」
「120!?」
アキラさんよりもよっぽど勇者に相応しいんじゃ!?
威厳もあるし。
「ええ。それと、私は現在二十二歳。正に女盛りで丁度良く、オススメですわよ?」
「え? あ、そうなんですね!」
「ちょっと、何関係ない話してるのよ!」
よく分からないけど、不敵な笑みを浮かべるウルムルさんにマイカさんが噛み付く。
ウルムルさんは、ふと僕ら一人一人を見て、寂しそうな表情を浮かべた。
「自由な冒険者稼業……皆さまが羨ましいですわ」
「ウルムルさんも冒険者になりたいんですか?」
「ええ。偉大な御父様のように。幼少期に御母様が病死して以降、御父様は男手一つで私を育てて下さいましたわ。御父様にお願いして、幼い頃から戦闘訓練も受けて来ましたの。まぁ、本気で戦って頂くことだけは、何度せがんでも断られてきたのですけれど。ただ、それでも、LVは84まで上がりましたわ」
「84!? すごいですね!」
「ありがとうございます。ですが……私には、ウォーレローズ家の一人娘として――次期当主としての責務がありますの……家を継ぎ、貴族として繁栄させることを運命づけられているのですわ……」
俯いた彼女の顔に影が差す。
貴族ってお金持ちだし、生まれながらにして勝ち組って感じがしてたけど、そういう考えの人もいるんだなぁ。
「……と、お喋りはこのくらいにして。着きましたわよ」
僕らが辿り着いたのは、個人の邸宅の敷地内とは思えない程に広々とした空間だった。
剥き出しの地面が正方形の形を成している。
訓練場の端には、屋根付きのソードラックのようなものがあり、幾つもの棍棒が立て掛けられているが、ゼラグドさんは手に持つ得物を掲げた。
「我はこれを使う。三十年間生死を共にして来た相棒だからな。貴様は召喚士だったな、リュウ。では、その力を存分に使って掛かって来るが良い。どれだけモンスターを召喚しても構わん」
「いえ、僕は、ドラゴン――モンスターは一切召喚せずに、自分だけで戦おうと思います!」
「貴様、我を愚弄するのか? 召喚士が召喚もせず、その剣一本で我に勝てると?」
「そうじゃありません。英雄であるゼラグドさんに、一対一で勝てるとは思っていません」
「では、何故だ? 自殺志願者という訳でもあるまい」
僕は、ゼラグドさんを見上げて毅然と述べる。
「このような形での決闘となってしまいましたが、強い人と戦いたいと思うのは、男として当然ではないでしょうか?」
「ほう」
「戦士として、そして男として、生きる伝説とまで言われるゼラグドさんと、正々堂々と、正面から戦いたいのです!」
真っ直ぐに見据える僕に、ゼラグドさんは「むう……」と思案した後、再び口を開いた。
「分かった。そこまで言うのならば、認めてやろう。武器のみでの勝負だ。ただし、もし何かスキルがあるならば、好きなだけ使え」
「分かりました! ありがとうございます!」
頭を下げつつ、僕は安堵の溜息を漏らした。
英雄であるゼラグドさんへの憧れの気持ちは、もちろんある。
けど、一騎討ちを望んだ一番の理由は、また別にある。
不法侵入した罪があるのに、ドラゴンを召喚して代わりに戦ってもらって「はい、倒しました」とするのは、筋違いだと思ったのだ。
だけど、それを正直に話してしまえば認めてもらえないと思った。
だから、一芝居打つことにしたんだ。
※―※―※
「では、行くぞ」
「はい! お願いします!」
訓練場の中心で向かい合った後。
「ふん!」
ゼラグドさんが気合いを入れると、それだけでビリビリと肌に突き刺さるような覇気が放たれた。
「『身体強化』! 『硬化』!」
ショートソードを抜いた僕は、小さく呟いてスキルを発動する。
「うおおおおお!」
「!」
たった一歩で距離を詰めたゼラグドさんは、上段に構えた巨大棍棒を打ち下ろす。
全てを叩き潰さんとする一撃を、僕は剣の腹で何とか受ける。
「うおおおおおおお!」
まるで巨岩を幾度も叩き付けられているかのような、常軌を逸する衝撃。
このままじゃやられる!
守っているだけじゃダメだ!
「たあああああああ!」
「むっ!」
僕の方からも仕掛けて打ち合うと、激しく火花が散った。
何合も打ち合っている内に、ゼラグドさんは「ここまで出来るとはな」と、口角を上げる。
「ここからは本気で行かせてもらおう!」
「!」
ゼラグドさんの身体が淡い光に包まれた。
「気を付けて、リュウ君! あれは闘気よ!」
聞いたことがある。
何年も鍛練を続けた者の中で、ごく僅かに発現するというスキルだ。
闘気を発動すると、一時的だが、膂力が格段に上がるという。
「今の御父様は、闘気使用により五十パーセントアップして、LV180ですわ!」
「180!?」
ドラゴンに頼らず、僕だけの力で太刀打ち出来るだろうか?
いや、出来る出来ないじゃない! やるしかないんだ!
「うおおおおおおおおお!」
ゼラグドさんの筋肉が隆起し、上から襲い掛かる。
明らかに先程よりも重い一撃。
「たあああああああああ!」
「!」
しかし、何とかそれに潰されず、弾くことが出来た。
「ふはははは! 良いぞ! 想像以上だ!」
ゼラグドさんが更に攻撃を加えようとした。
その瞬間。
「! 何故だ……!」
「申し訳ございません、御父様」
僕の代わりに、ウルムルさんが受け止めていた。
見ると、彼女は手に巨大な金属製棍棒を持ち、その身体は光に包まれている。
「はあああああ!」
動揺する父親に彼女は、激しく打ち込んでいく。
「むう。闘気まで使えるようになっていたとはな!」
「はい。つい最近ですけれど。全ては、伝説の英雄に幼少時代から鍛えて頂いたおかげですわ」
闘気発動時は五割増、ということは。
「今の私はLV126。もし御父様がこの瞬間に闘気を無くせばLV120。流石の御父様も、闘気を使い続ける以外の選択肢はございませんよね?」
「これを狙っておったのか! リュウとの決闘も、全て計算尽くだったのか!」
『本気で戦ってもらったことがない』。
先刻のウルムルさんの言葉が脳裏を過ぎる。
「そこまでして我と真剣勝負がしたかったというのか、娘よ!」
「無論それもありますわ。ですが、一番の目的は!」
ウルムルさんの棍棒が一際強く叩き付けられる。
「〝冒険者になること〟に御許しを頂くことですわ!」
「!」
重い衝撃が、ぶつかる棍棒を通してゼラグドさんに伝わる。
「御父様のことは尊敬しておりますわ! 平民だったのに、獣人だったのに、貴族の地位を勝ち取った! その地位を、名誉を、一人娘の私が継ぎ、背負っていく責任があるのも、頭では理解出来ますわ」
「でも!」と、悲壮感をその瞳に滲ませながら、ウルムルさんは想いをぶつける。
「私が一番憧れるのは! 一番格好良いと思うのは! 棍棒を持った、冒険者の御父様ですわ!」
「!」
ウルムルさんが棍棒を上段から振り下ろすその姿に、全く同じ体勢で打ち合うゼラグドさんの姿が重なる。
ウルムルさんは、跳躍すると。
「私は、御父様のような格好良い冒険者になりたいのですわあああああああああああ!」
ゼラグドさんの真上から打ち下ろして。
「……!」
ゼラグドさんの棍棒が、砕け散った。
いくらウルムルさんが闘気でレベルが上がっていたとはいえ、今のゼラグドさんはLV180。
LV126では、勝ち目はない。
けど、ゼラグドさんの棍棒は、三十年間使って来たもの。
かなり古くなって傷んでいたはずだし、そこに同じ闘気使いのウルムルさんが全力で棍棒を叩き付けたから、破壊出来たんだ。
あ、あと、僕のショートソードは伝説の武器だから、それで少し打ち合った、というのも、ほんの少しだけあるかもだけど。
手の中に残る砕けた棍棒に視線を落とし、呆然とするゼラグドさんは、目を閉じて息を一つする。
「……貴族としての務めも大切なことだが、自分が本当にやりたいことをやって生きる。それもまた一つの道、か」
再び目を見開いたゼラグドさんは、娘に穏やかな笑みを向けた。
「分かった。お前の冒険者としての活動を許可する」
「御父様! ありがとうございます!」
ウルムルさんが、棍棒を投げ捨てて父親に抱き着く。
「ぐふふ。ウルムルちゃん……」
バスローブ姿のままの娘を抱き締め、鼻の下を伸ばすゼラグドさんの耳元で、ウルムルさんが囁く。
「ちなみに、そこにいるリュウさまたちの冒険者パーティーに加入して、ついでに魔王討伐もして来ますわ。良いですわよね?」
かなり重要な追加情報がさらりと付け加えられる。
「むっ! 魔王討伐だと!? そんな危険なことを、ウルムルちゃんにさせる訳には――」
「良いですわよね?」
「!」
ウルムルさんが豊満な胸を何度も押し当てながら、ゼラグドさんの耳元で甘く懇願する。
「御父様。良いですわよね?」
「……むっ……むう……分かった……」
ゼラグドさんは、遂に陥落した。
「ありがとうございますわ!」
頬にキスされ、「ぐふふ」と、また表情が緩み切ったゼラグドさんは、「いかんいかん」と首を振ると、彼女の身体を離し、「コホン」と、咳払いして仕切り直した。
「ウルムルよ。お前は強い。何せ我が鍛えたのだ。魔王とも十分戦えるだろう」
ゼラグドさんは、口角を上げて更に続ける。
「なぁに。存分に冒険者を楽しみ、魔王を討ち取った後は、貴族になるに値する良い男でも捕まえて帰って来れば、ウォーレローズ家も安泰というものだ。十分な武勲を立てることが出来る者――例えば、職業が戦士ではないにもかかわらず、我と打ち合うことが出来るような強者とかな」
「まぁ、御父様ったら」
よく分からないけど、ウルムルさんは朱に染まった頬に両手を添えた。
「ということだ、リュウたちよ。貴様らの罪、特別に許してやる」
「「ありがとうございます!」」
頭を下げる僕とマイカさんの後ろから、「何だか、〝平民と獣人は貴族にはなれないという常識をぶっ壊した英雄〟の印象が変わっちまったねぇ」と、エルアさんの呟きが聞こえた。
それにしても、ゼラグドさんは本当に格好良いなぁ!
ドラゴン抜きで僕がこんなにレベルが高い人とまともに戦える訳ないし、弱い僕のために、密かに手加減してくれたんだから!
伝説の武器のおかげで、何とか最低限打ち合うことは出来たとは思うけど、でも、ゼラグドさんが本気だったら、きっとすぐにぶっ飛ばされていたよね!
手加減したなんてことは一言も言わず、必死に頑張った僕の態度に対して、「許す」って言ってくれたんだ!
誇り高き貴族とは、そして上に立つ者とは、こういう人のことを言うんだろうな!
「リュウさま、マイカさま、ついでにエルアさま」
「誰がついでだ! 誰が!」
「私をパーティーに入れて頂けますでしょうか?」
「もちろんですよ!」
「お風呂場でのアレは、全部こうするためのお芝居だったのね! じゃあ歓迎するわ!」
「ハッ! あたいも構わないよ。お嬢さまなのに巨大棍棒をぶん回すだなんて、常識破りで良いじゃないか」
「感謝いたしますわ。それでは、よろしくお願いいたします」
こうして、僕らに新たな仲間が加わった。
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チート、ハーレムなしの王道ファンタジー物語!
異世界転生は2話目です! キャラクタ―の魅力を味わってもらえると嬉しいです。
話の終わりのヒキを重要視しているので、そこを注目して下さい!
****** 完結まで必ず続けます *****
****** 毎日更新もします *****
他サイトへ重複投稿しています!
異世界に召喚されたが「間違っちゃった」と身勝手な女神に追放されてしまったので、おまけで貰ったスキルで凡人の俺は頑張って生き残ります!
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ゆっくり投稿です。
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そして、知らん内に異世界にすっ飛ばされたが、どっぷりハマっていたアウトドア経験を駆使して、なんだかんだ未知のフィールドを楽しむようになっていく。
遭難をソロキャンと言い張る男、四万十 葦拿の異世界キャンプ物語。
別に要らんけど異世界なんでスマホからネットショッピングする能力をゲット。
Awazonの商品は3億5371万品目以上もあるんだって!
すごいよね。
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以前公開していた小説のセルフリメイクです。
アルファポリス様で掲載していたのは同名のリメイク前の作品となります。
基本的には同じですが、リメイクするにあたって展開をかなり変えているので御注意を。
1話2000~3000文字で毎日更新してます。
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