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第18話
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クエインが俺達に向かって滑空して来たその時
ビシィッッッ!!
と何かに絡めとられる。
「……ほう。ワイヤーを木の間に張り巡らせているわけか。小賢しいっっ!!」
クエインはそう吠えると手足に絡まったワイヤーを木の枝ごと引きちぎる。
するとどこからともなく黒い物体がクエインに向かって飛んできて爆発した。
ドーーーーッッン!!
「……グッッ!!」
クエインは爆発をもろに食らい、呻いて地上に落下する。
「ど~だ!見たか!このウェンディ様の極上トラップの威力を!!」
ウェンディが腰に手を当て胸を張って言う。
………ゴゴゴゴゴゴ…………。
爆弾の煙が立ち込める中クエインの両目が怒りに震えて不気味に光った。
「……どうやらこの俺を本気にさせたいようだな人間共!!」
クエインが言い放ったその時
「空間転移!!」
とマリスが何か青い水晶のようなものを片手に呪文を唱えた。
すると俺達の体は淡い青い光にボワッと包まれ次の瞬間俺達はベネディの森の出口手前の原生林の中にいた。
「……ハアハアハアハア………。」
呪文を使ったマリスは蹲り苦しそうに息を荒げて苦悶に顔を歪ませる。
「無茶しおって!!大丈夫かっ、マリスっ!!」
リルがマリスに近寄ってその小刻みに震えている背中を擦った。
「………………ハアハアハアハア……………。……ハアハアハア……………。」
その様子を一緒にテレポートしてきた商人の一団も固唾を飲んで見守る。するとリーダー格のミルドが背中に背負っていたリュックから何かを取り出しマリスの額に掲げた。
ポワッとミルドが手に持った小さな石から緑の光が溢れだしてマリスの全身を包み込む。
「それは女神の加護を受けた回復アイテムかっ!ぐっじょぶじゃミルドよっ!!よしっ!
これできっと良くなるぞっマリスっ!!」
リルが背中を擦りながらマリスに声をかける。
「……ハアハアハアハア………。ハアハア………。スーハー……スーハー……スースー……。」
緑の光がスッと消えると先程まで乱れていたマリスの呼吸が嘘のように穏やかなものに変わり、
やがて彼女は眠りに落ちていった。
「……うむ!魔力の使いすぎじゃ!!マリスはしばらく休ませておいた方が良いのう!」
そう言ってリルはソッとマリスの体を地面に横たえる。
「よくマジックアイテムを使ってくれた!礼を言おう。」
普段は居丈高なリルが珍しく他人に頭を下げて言った。
「……いえいえ。私共もあなた様方に2回も危ない所を救って頂いたのでこのくらいのことは当然ですよ。」
ミルドはそうリルに答えるとにっこりと微笑んだ。
「……ていうか、もしかしなくってもマリスって凄い魔導騎士なんじゃあ……?」
俺が呟くとリルが胸を張ってその疑問に答える。
「そりゃあそうじゃよ!マリスの魔法の才能は魔導騎士団内でもゆうすうじゃからのう!……そう先代が言っておったぞ!」
……だから何故そこでお前が胸を張るんだ……?
……しかも伝聞形かいっっ!!
そして眠りに落ちたマリスがその目を覚ますまで俺達はベネディの森の出口手前で一休みすることにした。(まあ、魔王軍四天王の一体である爆炎のクエインから身を隠すためってのもあったけど。)
◆ ◆ ◆ ◆
「……フン!!腰抜け共が逃げ出しおったか!」
目の前から標的が忽然と姿を消したことですっかり戦意を削がれたクエインは何事もなかったかのように悠然と空に向かってその場を飛び去って行った。
ビシィッッッ!!
と何かに絡めとられる。
「……ほう。ワイヤーを木の間に張り巡らせているわけか。小賢しいっっ!!」
クエインはそう吠えると手足に絡まったワイヤーを木の枝ごと引きちぎる。
するとどこからともなく黒い物体がクエインに向かって飛んできて爆発した。
ドーーーーッッン!!
「……グッッ!!」
クエインは爆発をもろに食らい、呻いて地上に落下する。
「ど~だ!見たか!このウェンディ様の極上トラップの威力を!!」
ウェンディが腰に手を当て胸を張って言う。
………ゴゴゴゴゴゴ…………。
爆弾の煙が立ち込める中クエインの両目が怒りに震えて不気味に光った。
「……どうやらこの俺を本気にさせたいようだな人間共!!」
クエインが言い放ったその時
「空間転移!!」
とマリスが何か青い水晶のようなものを片手に呪文を唱えた。
すると俺達の体は淡い青い光にボワッと包まれ次の瞬間俺達はベネディの森の出口手前の原生林の中にいた。
「……ハアハアハアハア………。」
呪文を使ったマリスは蹲り苦しそうに息を荒げて苦悶に顔を歪ませる。
「無茶しおって!!大丈夫かっ、マリスっ!!」
リルがマリスに近寄ってその小刻みに震えている背中を擦った。
「………………ハアハアハアハア……………。……ハアハアハア……………。」
その様子を一緒にテレポートしてきた商人の一団も固唾を飲んで見守る。するとリーダー格のミルドが背中に背負っていたリュックから何かを取り出しマリスの額に掲げた。
ポワッとミルドが手に持った小さな石から緑の光が溢れだしてマリスの全身を包み込む。
「それは女神の加護を受けた回復アイテムかっ!ぐっじょぶじゃミルドよっ!!よしっ!
これできっと良くなるぞっマリスっ!!」
リルが背中を擦りながらマリスに声をかける。
「……ハアハアハアハア………。ハアハア………。スーハー……スーハー……スースー……。」
緑の光がスッと消えると先程まで乱れていたマリスの呼吸が嘘のように穏やかなものに変わり、
やがて彼女は眠りに落ちていった。
「……うむ!魔力の使いすぎじゃ!!マリスはしばらく休ませておいた方が良いのう!」
そう言ってリルはソッとマリスの体を地面に横たえる。
「よくマジックアイテムを使ってくれた!礼を言おう。」
普段は居丈高なリルが珍しく他人に頭を下げて言った。
「……いえいえ。私共もあなた様方に2回も危ない所を救って頂いたのでこのくらいのことは当然ですよ。」
ミルドはそうリルに答えるとにっこりと微笑んだ。
「……ていうか、もしかしなくってもマリスって凄い魔導騎士なんじゃあ……?」
俺が呟くとリルが胸を張ってその疑問に答える。
「そりゃあそうじゃよ!マリスの魔法の才能は魔導騎士団内でもゆうすうじゃからのう!……そう先代が言っておったぞ!」
……だから何故そこでお前が胸を張るんだ……?
……しかも伝聞形かいっっ!!
そして眠りに落ちたマリスがその目を覚ますまで俺達はベネディの森の出口手前で一休みすることにした。(まあ、魔王軍四天王の一体である爆炎のクエインから身を隠すためってのもあったけど。)
◆ ◆ ◆ ◆
「……フン!!腰抜け共が逃げ出しおったか!」
目の前から標的が忽然と姿を消したことですっかり戦意を削がれたクエインは何事もなかったかのように悠然と空に向かってその場を飛び去って行った。
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