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5 側近の仕事
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レンエールの考えに国王陛下は苛立ち声を荒らげた。
「お前が人の話を聞けるかではない。
……まあ、それも大事なのだが……。
とにかく、そのデゾランという側近がお前に忠言できるか、だ! 他の者もなっ!」
「何の忠言を言わなかったというのですか?!」
注意したいことが多すぎて少しばかり焦り一旦は声を荒らげた国王陛下であったが、ここまで言ってもわからないレンエールを見て落ち着いた。……それを通り越してレンエールに呆れている。
「はぁ……。
では、聞くが?
『ノマーリンをもっと大切にせよ』や『男爵令嬢との交際を控えろ』と側近候補どもに言われておったのか?」
レンエールは口籠った。デゾランはレンエールとサビマナを咎めるどころか、デゾラン自身もサビマナと懇意にしていた。
「お前がその男爵令嬢に夢中になる前に止めるのが側近の役目だ。本当に国を思い、政略や繋がりを理解しているのなら止めておろう?
お前が盲目になる前に止めねばならなかったのだ」
国王陛下は可哀想な者を見るかのような顔である。
「おなごに夢中になってしまった今は、私達ももうそれについては何も言わん」
国王陛下はため息を吐いた。そして、国王陛下は膝に肘を置き、前のめりになってレンエールの目を見つめた。
「国民を背負う政務において、お前に諫言できる者を宰相にせねばならないのだ。
さらに何が国のためになるかをしっかりと理解できる者であることが必要だ」
「彼らは優秀ですっ!」
「何が国のためになるかを正確に理解しておらん者を優秀とは言わんぞ。
お前の気持ちを優先しないのならば、噂の男爵令嬢とノマーリンではどちらが国のためになるか……。
まさかお前も理解しておらんのか?」
レンエールは俯いた。
「理解はしております。だから婚約破棄など考えておりませんでした」
「勝手な話だな……」
国王陛下はドサッと背もたれに体を預ける。
「ノマーリンはお前に忠告していたのでしょう?」
王妃陛下はレンエールの手に自身の手を乗せて自身に向かせた。
確かにレンエールは一年生の頃、ノマーリンに何度も注意された。しかし、レンエールはそれを無視したし、側近候補のデゾランたちはそんなノマーリンを鬱陶しいと言っていた。
「本来、お前の伴侶もお前に忠告できる者であるべきなのです。でも、その男爵令嬢では無理でしょうね。
だからこそ、バザジール家の次男を宰相にするのですよ。
本来、国王陛下への諫言も側近と王妃の仕事なのです」
「レンエール。お前の側近候補は一新する。今の側近候補たちは学園が終われば候補から下ろす。
『真実の愛』とやらを大切にするがよい」
レンエールは国王陛下と王妃陛下の表情から気持ちを伺い知ることはできなかった。
レンエールは後ろめたさはある。しかし、気分として納得できない。だから、反論はしないが頷きもしなかった。
「しかし、ノマーリンの醜聞もある。しばらくは内密にせよ。側近候補たちにも言ってはならぬぞ」
「いつまでですか?」
「その時が来たら、私から許可を出す」
国王陛下は目線でレンエールを下げさせた。
レンエールは一人になるとなぜか心に違和感を感じた。その違和感の答えは出なかった。
しかし、学園へ行けば全寮制なのでうるさく言う者たちもいない。今まで通り側近候補という友人たちと仲良くできたし、サビマナとも逢瀬を楽しめたので気にしなくなった。それどころか、ノマーリンへの配慮を全く必要なくなったので気が楽になったと思っている。
レンエールの自由になったという心持ちが態度にも出ていたようで、レンエールもノマーリンも婚約が白紙になったことは公言しなかったが、婚約解消間近であるという噂は流れていた。
「お前が人の話を聞けるかではない。
……まあ、それも大事なのだが……。
とにかく、そのデゾランという側近がお前に忠言できるか、だ! 他の者もなっ!」
「何の忠言を言わなかったというのですか?!」
注意したいことが多すぎて少しばかり焦り一旦は声を荒らげた国王陛下であったが、ここまで言ってもわからないレンエールを見て落ち着いた。……それを通り越してレンエールに呆れている。
「はぁ……。
では、聞くが?
『ノマーリンをもっと大切にせよ』や『男爵令嬢との交際を控えろ』と側近候補どもに言われておったのか?」
レンエールは口籠った。デゾランはレンエールとサビマナを咎めるどころか、デゾラン自身もサビマナと懇意にしていた。
「お前がその男爵令嬢に夢中になる前に止めるのが側近の役目だ。本当に国を思い、政略や繋がりを理解しているのなら止めておろう?
お前が盲目になる前に止めねばならなかったのだ」
国王陛下は可哀想な者を見るかのような顔である。
「おなごに夢中になってしまった今は、私達ももうそれについては何も言わん」
国王陛下はため息を吐いた。そして、国王陛下は膝に肘を置き、前のめりになってレンエールの目を見つめた。
「国民を背負う政務において、お前に諫言できる者を宰相にせねばならないのだ。
さらに何が国のためになるかをしっかりと理解できる者であることが必要だ」
「彼らは優秀ですっ!」
「何が国のためになるかを正確に理解しておらん者を優秀とは言わんぞ。
お前の気持ちを優先しないのならば、噂の男爵令嬢とノマーリンではどちらが国のためになるか……。
まさかお前も理解しておらんのか?」
レンエールは俯いた。
「理解はしております。だから婚約破棄など考えておりませんでした」
「勝手な話だな……」
国王陛下はドサッと背もたれに体を預ける。
「ノマーリンはお前に忠告していたのでしょう?」
王妃陛下はレンエールの手に自身の手を乗せて自身に向かせた。
確かにレンエールは一年生の頃、ノマーリンに何度も注意された。しかし、レンエールはそれを無視したし、側近候補のデゾランたちはそんなノマーリンを鬱陶しいと言っていた。
「本来、お前の伴侶もお前に忠告できる者であるべきなのです。でも、その男爵令嬢では無理でしょうね。
だからこそ、バザジール家の次男を宰相にするのですよ。
本来、国王陛下への諫言も側近と王妃の仕事なのです」
「レンエール。お前の側近候補は一新する。今の側近候補たちは学園が終われば候補から下ろす。
『真実の愛』とやらを大切にするがよい」
レンエールは国王陛下と王妃陛下の表情から気持ちを伺い知ることはできなかった。
レンエールは後ろめたさはある。しかし、気分として納得できない。だから、反論はしないが頷きもしなかった。
「しかし、ノマーリンの醜聞もある。しばらくは内密にせよ。側近候補たちにも言ってはならぬぞ」
「いつまでですか?」
「その時が来たら、私から許可を出す」
国王陛下は目線でレンエールを下げさせた。
レンエールは一人になるとなぜか心に違和感を感じた。その違和感の答えは出なかった。
しかし、学園へ行けば全寮制なのでうるさく言う者たちもいない。今まで通り側近候補という友人たちと仲良くできたし、サビマナとも逢瀬を楽しめたので気にしなくなった。それどころか、ノマーリンへの配慮を全く必要なくなったので気が楽になったと思っている。
レンエールの自由になったという心持ちが態度にも出ていたようで、レンエールもノマーリンも婚約が白紙になったことは公言しなかったが、婚約解消間近であるという噂は流れていた。
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