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第一章 小麦姫と熊隊長の青春
13 門番のおじさん
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ファーゴ子爵夫人から、たくさんのお菓子をもらい、朝早くに出立した。昨夜のコルネリオとサンドラの約束通り、今日から馬2頭も一緒だ。1頭は、馬車に付け、1頭をコルネリオたち3人で交代で乗ることにした。
「まさかお三方とも乗馬を嗜まれるとは、驚きました」
ルーデジオはとても嬉しそうだ。ルーデジオはサンドラを馬の前に乗せたことがある。あの頃は、サンドラは乗馬ができなかったはずだ。
「ハハハ、ルーさん、ビアータが一人で頑張っていたわけじゃないんですよ。その間、僕たちは、王都で乗馬を習っていたんです」
コルネリオもファブリノも、『ビアータの家』の詳しくことは何も知らない。ただ、アルフレードが馭者をできるようになりたいと思ったように、コルネリオたちは乗馬が役にたつだろうと予想して、行動していたのだ。詳しいことを知っているサンドラもレッスンに参加したのだから、3人の考えに間違えはないだろう。
「それはそれは。ホホホ、お嬢様もよいご友人をお持ちで嬉しい限りですな」
夜は、手前の町に泊まり、お昼前には、ガレアッド男爵領の1番大きな町に着いた。
「ここから、ビアータの家までどれくらい?」
ファブリノは、サンドラの行動に疑問を持ち始めていた。
「2時間ってところね。お昼ご飯になるものを買ってすぐに出るわ」
「え?男爵なのに、領都に屋敷がないの?」
コルネリオも、領都にあるものだと思い込んでいたので、びっくりしている。
「いえ、ガレアッド男爵家のお屋敷はあるわよ。ほら、あの丘に見える大きなお屋敷がそうよ」
町中からでも見えるお屋敷は男爵家にしてはかなり立派で、この領地が繁栄していることがよくわかるものだった。
「あそこじゃないのか?」
ファブリノは、手を額にかざして、屋敷のある丘を見上げる。
「ふふ、楽しみにしていて」
サンドラは、パン屋で、ふかふかのパンや少し硬いパンを大量に買い込んだ。昼食分はサンドイッチを買い、みんなに配る。
「あと、2時間ほどで着くからね。頑張りましょうね」
サンドラは、子どもたちに優しく声をかけた。子供たちも不安な顔は全くない。
この5日、サンドラは、馬車の中で、本を読んだり、算数をやったり、子どもたちの面倒をとてもよく見ていた。コルネリオは、そんなサンドラの役に立ちたくて、こちらも一生懸命やっていた。ファブリノも元々気のいいヤツなので、文句も言わず手伝った。
1時間ほどで、国境の関所に着いた。馬車に乗るサンドラを見て、中年の衛兵が話かけた。
「おお、サンドラ、おかえり!ビアータだけじゃなくて、お前も男と帰ってきたのか。若い奴らが泣くだろうよ」
衛兵は、馬にのるファブリノとサンドラの向かい側に座るコルネリオをチラチラと見た。ルーデジオは馭者台でクスクスと笑っている。
「いつもそんなこと言って、声をかけられたことなんて一度もないわ。ふふふ、私に声をかけてくれるのは、おじさんだけよ」
サンドラの軽口に、コルネリオとファブリノは、少しホッとした。それほど衛兵の視線はキツイものだった。
「若い奴らは気がちぃせぇからなぁ。だから都会のあんちゃんに姫さんたちを取られちまうんだ。ああ、情けねぇ。なあ、ルーさん」
中年衛兵のため息に、ルーデジオは優しく笑った。ルーデジオも、関所でのビアータとサンドラの噂や、若い衛兵たちの話は聞いている。彼らは、時々、『ビアータの家』に手伝いに来てくれているのだ。それでも、誰も、ビアータとサンドラに個人的に声をかけられないままだったのは、彼らが『自分は平民だ』と、自虐していたことは否めない。
「どっちのあんちゃんか知らんが、サンドラを泣かせたら、俺らが許さねぇぞ」
中年衛兵が、またキロリと睨む。
「はいっ!」
コルネリオが大きく返事をして、衛兵と目を合わせて頷いた。これには、ファブリノとルーデジオは大笑いで、さすがの衛兵も苦笑いしていた。サンドラは真っ赤だ。
「もう、そうじゃないってばっ!じゃあ、またねっ!」
サンドラは、中年衛兵に手を振った。関所のはずが、軽口をたたいて終わりだ。
「今の関所だよね?」
「そうよ。正確には、ここはスピラリニ王国ではないわね」
馬車の脇に馬を並べて、ファブリノも話に入った。
「じゃあ、どこなんだ?」
「分類としては、未開拓自治区ってところかしら?」
「「未開拓自治区?!」」
さすがに声が裏返る。ルーデジオは、内緒であるとは聞いていたが、ここまで知らないとは、ビアータとサンドラのイタズラに笑わずにはいられなかった。
「そうよ。いつかスピラリニ王国に属する予定ではあるけれど、今、属してしまったら、税が取られるでしょう。まだそこまで大きくなっていないから、自治区にしているの。自治区の責任者は、ビアータよ」
あまりの大きな話に二人は何を聞いたらいいのかもわからなくなっていた。
〰️ 〰️ 〰️
関所から30分程で、遠くに建物が見えてきた。そして、道の脇には、柵が立てられ、彼方まで続いているように見える。
建物も近くになってくると、いくつかあることがわかる。それらに向かって進む。
馬車が建物の近くに止まると、建物の中から、子どもたちが30人ほど出てきた。子どもたちといっても、今馬車に乗っている子どもたちが1番小さいようだし、大きい子は、コルネリオたちと変わらないみたいに見える。
予想以上の状況に、コルネリオとファブリノは、口を開けていた。
〰️ 〰️ 〰️
『ビアータの家』は、国境の関所から5キロほど南の未開拓地に建っている。北は国境壁、東と南は鬱蒼とした森、西は小さな森が点在し、少し遠くに川がある。つまり、森の中に、ポッカリと空いた川沿いの草地といったところだ。この未開拓地は、そうやって川に大きく囲まれている土地のため、他の国への街道が通っていない。
『ビアータの家』から南に40キロも進んだところに、東から西に流れる川がある。この川は、さらに東に30キロもいったあたりで2つに分かれ、一本は支流として北へ流れて、小さな山を避けるように北東へ進む。本流はそのまま西に向かい、西へ5キロほどで北へ進路を変え、蛇行しながらスピラリニ王国の城壁近くを沿うように流れて、スピラリニ王国の西側にある大きな湖を作っている。スピラリニ王国では、その西の川をピエガ川、東の川をブリ川、湖をスプレド湖と呼んでいる。スプレド湖の東側はスピラリニ王国でも有数の観光地である。
その川に囲まれた中には、東の森の向こうに小さな山はあるが、お金になる鉱物がとれるわけではなく、それでいて大きな森には、熊やイノシシなどの少し凶暴な動物もいる。
なので、主要価値もなく、未開拓地となっていた。関所は、冒険者などが森へ猟へ行くためのものでしかない。
〰️ 〰️ 〰️
サンドラたちが馬車から降りた。、建物の中から出てきた子どもたちに囲まれる。
「サンドラさん、おかえりなさい」
コルネリオたちと同じくらいの男の子が声をかけてきた。
「ジャン、また大きくなったわね。みんなのこと、いつもありがとう!」
ジャンと呼ばれた男の子は、身長はサンドラより高いが、どうやら、年下のようだ。
「サンドラさんのこと、待ってたんだ。新しい子はあの子たちかな?」
ジャンは子ども扱いされて照れていた。
「そうよ。ガレアッド男爵領の孤児院からは何人?」
「春に二人。夏は来てないよ」
「そう。逃げた出した子がいないってことね。仕事の環境が整っているのかもしれないわ」
「メリナ、この子たちを部屋に案内してあげて。みんなは、この子たちの荷物を持ってあげてくれ。今日は疲れているだろうから」
「「「はーい!」」」
「サンドラさんも、家へ入りましょう。お二人もこちらへどうぞ。
お二人の荷物は、これですか?」
ジャンは慣れたように仕事を割り振っていく。
「俺たちは自分で持てるから気にしないでくれていい。それより、パンを大量に買ってきているんだ。それを頼むよ」
「あと、木箱は、野菜の苗なんだ。優しく頼む」
コルネリオが軽く中身を確認した。
「「「はーい!」」」
子どもたちは、手際よく動く。サンドラの荷物は、子どもたちによって、すでに運び込まれていた。
「まさかお三方とも乗馬を嗜まれるとは、驚きました」
ルーデジオはとても嬉しそうだ。ルーデジオはサンドラを馬の前に乗せたことがある。あの頃は、サンドラは乗馬ができなかったはずだ。
「ハハハ、ルーさん、ビアータが一人で頑張っていたわけじゃないんですよ。その間、僕たちは、王都で乗馬を習っていたんです」
コルネリオもファブリノも、『ビアータの家』の詳しくことは何も知らない。ただ、アルフレードが馭者をできるようになりたいと思ったように、コルネリオたちは乗馬が役にたつだろうと予想して、行動していたのだ。詳しいことを知っているサンドラもレッスンに参加したのだから、3人の考えに間違えはないだろう。
「それはそれは。ホホホ、お嬢様もよいご友人をお持ちで嬉しい限りですな」
夜は、手前の町に泊まり、お昼前には、ガレアッド男爵領の1番大きな町に着いた。
「ここから、ビアータの家までどれくらい?」
ファブリノは、サンドラの行動に疑問を持ち始めていた。
「2時間ってところね。お昼ご飯になるものを買ってすぐに出るわ」
「え?男爵なのに、領都に屋敷がないの?」
コルネリオも、領都にあるものだと思い込んでいたので、びっくりしている。
「いえ、ガレアッド男爵家のお屋敷はあるわよ。ほら、あの丘に見える大きなお屋敷がそうよ」
町中からでも見えるお屋敷は男爵家にしてはかなり立派で、この領地が繁栄していることがよくわかるものだった。
「あそこじゃないのか?」
ファブリノは、手を額にかざして、屋敷のある丘を見上げる。
「ふふ、楽しみにしていて」
サンドラは、パン屋で、ふかふかのパンや少し硬いパンを大量に買い込んだ。昼食分はサンドイッチを買い、みんなに配る。
「あと、2時間ほどで着くからね。頑張りましょうね」
サンドラは、子どもたちに優しく声をかけた。子供たちも不安な顔は全くない。
この5日、サンドラは、馬車の中で、本を読んだり、算数をやったり、子どもたちの面倒をとてもよく見ていた。コルネリオは、そんなサンドラの役に立ちたくて、こちらも一生懸命やっていた。ファブリノも元々気のいいヤツなので、文句も言わず手伝った。
1時間ほどで、国境の関所に着いた。馬車に乗るサンドラを見て、中年の衛兵が話かけた。
「おお、サンドラ、おかえり!ビアータだけじゃなくて、お前も男と帰ってきたのか。若い奴らが泣くだろうよ」
衛兵は、馬にのるファブリノとサンドラの向かい側に座るコルネリオをチラチラと見た。ルーデジオは馭者台でクスクスと笑っている。
「いつもそんなこと言って、声をかけられたことなんて一度もないわ。ふふふ、私に声をかけてくれるのは、おじさんだけよ」
サンドラの軽口に、コルネリオとファブリノは、少しホッとした。それほど衛兵の視線はキツイものだった。
「若い奴らは気がちぃせぇからなぁ。だから都会のあんちゃんに姫さんたちを取られちまうんだ。ああ、情けねぇ。なあ、ルーさん」
中年衛兵のため息に、ルーデジオは優しく笑った。ルーデジオも、関所でのビアータとサンドラの噂や、若い衛兵たちの話は聞いている。彼らは、時々、『ビアータの家』に手伝いに来てくれているのだ。それでも、誰も、ビアータとサンドラに個人的に声をかけられないままだったのは、彼らが『自分は平民だ』と、自虐していたことは否めない。
「どっちのあんちゃんか知らんが、サンドラを泣かせたら、俺らが許さねぇぞ」
中年衛兵が、またキロリと睨む。
「はいっ!」
コルネリオが大きく返事をして、衛兵と目を合わせて頷いた。これには、ファブリノとルーデジオは大笑いで、さすがの衛兵も苦笑いしていた。サンドラは真っ赤だ。
「もう、そうじゃないってばっ!じゃあ、またねっ!」
サンドラは、中年衛兵に手を振った。関所のはずが、軽口をたたいて終わりだ。
「今の関所だよね?」
「そうよ。正確には、ここはスピラリニ王国ではないわね」
馬車の脇に馬を並べて、ファブリノも話に入った。
「じゃあ、どこなんだ?」
「分類としては、未開拓自治区ってところかしら?」
「「未開拓自治区?!」」
さすがに声が裏返る。ルーデジオは、内緒であるとは聞いていたが、ここまで知らないとは、ビアータとサンドラのイタズラに笑わずにはいられなかった。
「そうよ。いつかスピラリニ王国に属する予定ではあるけれど、今、属してしまったら、税が取られるでしょう。まだそこまで大きくなっていないから、自治区にしているの。自治区の責任者は、ビアータよ」
あまりの大きな話に二人は何を聞いたらいいのかもわからなくなっていた。
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関所から30分程で、遠くに建物が見えてきた。そして、道の脇には、柵が立てられ、彼方まで続いているように見える。
建物も近くになってくると、いくつかあることがわかる。それらに向かって進む。
馬車が建物の近くに止まると、建物の中から、子どもたちが30人ほど出てきた。子どもたちといっても、今馬車に乗っている子どもたちが1番小さいようだし、大きい子は、コルネリオたちと変わらないみたいに見える。
予想以上の状況に、コルネリオとファブリノは、口を開けていた。
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『ビアータの家』は、国境の関所から5キロほど南の未開拓地に建っている。北は国境壁、東と南は鬱蒼とした森、西は小さな森が点在し、少し遠くに川がある。つまり、森の中に、ポッカリと空いた川沿いの草地といったところだ。この未開拓地は、そうやって川に大きく囲まれている土地のため、他の国への街道が通っていない。
『ビアータの家』から南に40キロも進んだところに、東から西に流れる川がある。この川は、さらに東に30キロもいったあたりで2つに分かれ、一本は支流として北へ流れて、小さな山を避けるように北東へ進む。本流はそのまま西に向かい、西へ5キロほどで北へ進路を変え、蛇行しながらスピラリニ王国の城壁近くを沿うように流れて、スピラリニ王国の西側にある大きな湖を作っている。スピラリニ王国では、その西の川をピエガ川、東の川をブリ川、湖をスプレド湖と呼んでいる。スプレド湖の東側はスピラリニ王国でも有数の観光地である。
その川に囲まれた中には、東の森の向こうに小さな山はあるが、お金になる鉱物がとれるわけではなく、それでいて大きな森には、熊やイノシシなどの少し凶暴な動物もいる。
なので、主要価値もなく、未開拓地となっていた。関所は、冒険者などが森へ猟へ行くためのものでしかない。
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サンドラたちが馬車から降りた。、建物の中から出てきた子どもたちに囲まれる。
「サンドラさん、おかえりなさい」
コルネリオたちと同じくらいの男の子が声をかけてきた。
「ジャン、また大きくなったわね。みんなのこと、いつもありがとう!」
ジャンと呼ばれた男の子は、身長はサンドラより高いが、どうやら、年下のようだ。
「サンドラさんのこと、待ってたんだ。新しい子はあの子たちかな?」
ジャンは子ども扱いされて照れていた。
「そうよ。ガレアッド男爵領の孤児院からは何人?」
「春に二人。夏は来てないよ」
「そう。逃げた出した子がいないってことね。仕事の環境が整っているのかもしれないわ」
「メリナ、この子たちを部屋に案内してあげて。みんなは、この子たちの荷物を持ってあげてくれ。今日は疲れているだろうから」
「「「はーい!」」」
「サンドラさんも、家へ入りましょう。お二人もこちらへどうぞ。
お二人の荷物は、これですか?」
ジャンは慣れたように仕事を割り振っていく。
「俺たちは自分で持てるから気にしないでくれていい。それより、パンを大量に買ってきているんだ。それを頼むよ」
「あと、木箱は、野菜の苗なんだ。優しく頼む」
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