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第五章 公爵令息の作戦 遂行編
作戦19 作戦変更
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こうして、卒業式に、国王陛下から御言葉を賜るという作戦に決まった。
僕は食堂での昼食に、イメルダリアさんを見つけては、ロンとディークを連れて隣で食べた。
シャーワント公爵様の言うように、僕の存在がイメルダリアさんの醜聞にならないために、ロンは、本当に便利!
だから、たまには、ロンのお気に入りの女の子たちとも昼食をする。みんなAクラスなので、不思議はない。
ロンのお気に入りの女の子は、学年2位の才女で、ロン曰く、
「あの子以外とは、まともな会話ができない。」そうだ。Aクラスには元々女の子は少なく、20人中3人。なのに、2位。すごい才女なのだ。僕は勝てない……。
〰️ 〰️ 〰️
と、穏やかな日々の中、卒業式まであと約1ヶ月。エマローズさんの婚約白紙が決まった。
そんな日常、僕とディークは、平日なのに、公爵邸へ呼ばれた。
いつもの父上の執務室。この1年よく来ている気がする。
「ゼファーライト殿下から手紙だ。アリーシャは、タニャード王国で受け入れられそうだ。」
僕とディークは、目を合わせてガッツポーズした。
「安心するな。いい話だけで、呼ぶわけがないだろう。」
不穏な空気。
「アナファルト殿下を含めたあの4人がな、陛下に報告書を提出した。」
「報告書……ですか……?」
「内容は、アリーシャを始めとする今回のご令嬢たちが行っている虐めについてだ。」
「は?虐め???ですか??」
「心当たりはないのか?」
「当然です!」
「だろうな。」
「誰に対する虐めですか?」
「あの4人だぞ。
今、学園の警備を使って精査しているところだ。
まだ、問題は出ていないが、これからも言い掛かりで罪を着せられる恐れがある。
ご令嬢たちには、1人で行動しないようにと言っておくように。」
「っ!冤罪ですか。わかりました。」
「アリーシャは、公爵邸に戻す。王城にも行かせないし、しばらくは、外にも出さん。学園に問い合わせたら、成績上は問題ないそうだ。」
「そうですか。さすが、姉上ですね。」
「三人のご令嬢の家にも伝えてあるが、どうするかは、各々の判断だ。」
「わかりました。明日、必ず伝えます。」
次の日、ご令嬢たちには、それぞれの王都の屋敷に帰ってもらった。
〰️ 〰️ 〰️
卒業式まで残り約2週間。朝早くに、寮の部屋にノックが響く。ディークだったので、寝間着のまま対応した。
「僕は、ロンを起こしに行くから、着替えたら、ロンの部屋に来て。」
ディークが焦っている。
「わかった。」
何も聞かずに頷く。
ロンの部屋に行くとロンが着替えの途中だった。
「ロン、今、話している時間がないから、悪いけど、聞かずにやってほしいことがある。」
「わかったよ。大丈夫。信用してるっ!」
「ありがとう。僕ら三人の今日の休講届け出して、家へ帰ってくれ。
そして、イメルダリアさんに、ヴィオリアさんとエマローズさんを、侯爵邸に呼んでもらってくれ。
僕とヨアンは、この後すぐ、王城へいく。
王城での用が、済んだらそちらへ二人でいくから。」
「わかった。」
「玄関に学園の馬車用意しておく。僕らは先に出るね。よろしく頼む。」
「任せとけっ!」
〰️ 〰️ 〰️
ディークと二人で学園の馬車に乗り込み王城へ向かう。
「お花畑たちが、ご令嬢たちの断罪を計画している。」
「な、そんな、ムチャな!」
「お花畑だからムチャもできるんだろ。その断罪内容は、この前のメノール嬢への虐めってやつだろう。でも、嘘であっても、断罪されたってことだけが噂になれば、醜聞となる。」
「そうか!やるならやれってわけにはいかないな。」
「卒業パーティーを狙っているようだ。」
「とにかく、父上が精査しているっていうものが必要になるな。」
〰️ 〰️ 〰️
王城に着くと、父上の執務室へ行く。
「父上、陛下とお話できますか?」
父上は何も聞かずに、陛下に取り次いでくれた。陛下を待つ間に、ディークが、父上に状況を話す。
半刻後、陛下の執務室に通された。ディークももちろん一緒だ。陛下は、今日は執務机についていた。
「何があった?」
挨拶も何もなく、受け入れてくれた。
「彼は僕の友人のディビィルーク・トラリオンです。」
「ほぉ、あの報告書の1人か。」
「はい。恐れながら、彼から報告があります。」
「畏まった言い方を気にする必要はない。不敬になど問わぬ。とにかく、話してみよ。」
「ありがとうございます。」
〰️ 〰️
アナファルト殿下たちの計画をディークが国王陛下に話した。
〰️ 〰️
「その情報はどこからだ?」
「はい、市井で、かの5人が懇意にしている喫茶店があります。その店の従業員が私の友人で、昨日、勤務番だったときに聞いてしまったそうです。」
「ほぉ、面白いものを持っておるな。なるほどな。
ワシのところにも、昨日報告がきた。学園のメイドからだ。学園の生徒会室でもそのような話をしていたそうだ。
レンバーグ公爵、本当にやると思うか。」
「やると考え、準備しておくのが、最善かと。」
「そうか。
今こちらで精査しているものが膨大でな、その後他の情報とも照らし合わせねばならぬ。あと2週間、ギリギリというところかの。
ヨアンシェル、ディビィルーク、
もし、そなたらだけであっても、どうにかできるように、計画してみよ。学園長なら使って構わぬ。
なぁに、失敗しても、こちらで用意しているもので、ご令嬢たちは、守れる。
やれるだけやってみろ。」
「「はいっ!」」
僕は食堂での昼食に、イメルダリアさんを見つけては、ロンとディークを連れて隣で食べた。
シャーワント公爵様の言うように、僕の存在がイメルダリアさんの醜聞にならないために、ロンは、本当に便利!
だから、たまには、ロンのお気に入りの女の子たちとも昼食をする。みんなAクラスなので、不思議はない。
ロンのお気に入りの女の子は、学年2位の才女で、ロン曰く、
「あの子以外とは、まともな会話ができない。」そうだ。Aクラスには元々女の子は少なく、20人中3人。なのに、2位。すごい才女なのだ。僕は勝てない……。
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と、穏やかな日々の中、卒業式まであと約1ヶ月。エマローズさんの婚約白紙が決まった。
そんな日常、僕とディークは、平日なのに、公爵邸へ呼ばれた。
いつもの父上の執務室。この1年よく来ている気がする。
「ゼファーライト殿下から手紙だ。アリーシャは、タニャード王国で受け入れられそうだ。」
僕とディークは、目を合わせてガッツポーズした。
「安心するな。いい話だけで、呼ぶわけがないだろう。」
不穏な空気。
「アナファルト殿下を含めたあの4人がな、陛下に報告書を提出した。」
「報告書……ですか……?」
「内容は、アリーシャを始めとする今回のご令嬢たちが行っている虐めについてだ。」
「は?虐め???ですか??」
「心当たりはないのか?」
「当然です!」
「だろうな。」
「誰に対する虐めですか?」
「あの4人だぞ。
今、学園の警備を使って精査しているところだ。
まだ、問題は出ていないが、これからも言い掛かりで罪を着せられる恐れがある。
ご令嬢たちには、1人で行動しないようにと言っておくように。」
「っ!冤罪ですか。わかりました。」
「アリーシャは、公爵邸に戻す。王城にも行かせないし、しばらくは、外にも出さん。学園に問い合わせたら、成績上は問題ないそうだ。」
「そうですか。さすが、姉上ですね。」
「三人のご令嬢の家にも伝えてあるが、どうするかは、各々の判断だ。」
「わかりました。明日、必ず伝えます。」
次の日、ご令嬢たちには、それぞれの王都の屋敷に帰ってもらった。
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卒業式まで残り約2週間。朝早くに、寮の部屋にノックが響く。ディークだったので、寝間着のまま対応した。
「僕は、ロンを起こしに行くから、着替えたら、ロンの部屋に来て。」
ディークが焦っている。
「わかった。」
何も聞かずに頷く。
ロンの部屋に行くとロンが着替えの途中だった。
「ロン、今、話している時間がないから、悪いけど、聞かずにやってほしいことがある。」
「わかったよ。大丈夫。信用してるっ!」
「ありがとう。僕ら三人の今日の休講届け出して、家へ帰ってくれ。
そして、イメルダリアさんに、ヴィオリアさんとエマローズさんを、侯爵邸に呼んでもらってくれ。
僕とヨアンは、この後すぐ、王城へいく。
王城での用が、済んだらそちらへ二人でいくから。」
「わかった。」
「玄関に学園の馬車用意しておく。僕らは先に出るね。よろしく頼む。」
「任せとけっ!」
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ディークと二人で学園の馬車に乗り込み王城へ向かう。
「お花畑たちが、ご令嬢たちの断罪を計画している。」
「な、そんな、ムチャな!」
「お花畑だからムチャもできるんだろ。その断罪内容は、この前のメノール嬢への虐めってやつだろう。でも、嘘であっても、断罪されたってことだけが噂になれば、醜聞となる。」
「そうか!やるならやれってわけにはいかないな。」
「卒業パーティーを狙っているようだ。」
「とにかく、父上が精査しているっていうものが必要になるな。」
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王城に着くと、父上の執務室へ行く。
「父上、陛下とお話できますか?」
父上は何も聞かずに、陛下に取り次いでくれた。陛下を待つ間に、ディークが、父上に状況を話す。
半刻後、陛下の執務室に通された。ディークももちろん一緒だ。陛下は、今日は執務机についていた。
「何があった?」
挨拶も何もなく、受け入れてくれた。
「彼は僕の友人のディビィルーク・トラリオンです。」
「ほぉ、あの報告書の1人か。」
「はい。恐れながら、彼から報告があります。」
「畏まった言い方を気にする必要はない。不敬になど問わぬ。とにかく、話してみよ。」
「ありがとうございます。」
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アナファルト殿下たちの計画をディークが国王陛下に話した。
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「その情報はどこからだ?」
「はい、市井で、かの5人が懇意にしている喫茶店があります。その店の従業員が私の友人で、昨日、勤務番だったときに聞いてしまったそうです。」
「ほぉ、面白いものを持っておるな。なるほどな。
ワシのところにも、昨日報告がきた。学園のメイドからだ。学園の生徒会室でもそのような話をしていたそうだ。
レンバーグ公爵、本当にやると思うか。」
「やると考え、準備しておくのが、最善かと。」
「そうか。
今こちらで精査しているものが膨大でな、その後他の情報とも照らし合わせねばならぬ。あと2週間、ギリギリというところかの。
ヨアンシェル、ディビィルーク、
もし、そなたらだけであっても、どうにかできるように、計画してみよ。学園長なら使って構わぬ。
なぁに、失敗しても、こちらで用意しているもので、ご令嬢たちは、守れる。
やれるだけやってみろ。」
「「はいっ!」」
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