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第27話 主人公の近くに強い人がいたらモブはいらないと思うじゃん
「う~ん、大した事ないな」
「この程度のモンスターに苦戦されても困ります」
ダンジョンに入って、1時間くらい経っただろうか。
学園が管理しているダンジョンなだけあって、出て来るモンスターのレベルは低い。
今回のダンジョン探索は、合格ラインというものがあるらしく、一定数の魔石を集めると高評価が貰えるらしい。
別に魔石を集めきれなくても評価が下がるわけでもないらしいが。
「ここのモンスター簡単に倒せるから、合格ラインの魔石はもう集まったんだよな」
「教師達の所に戻りますか?」
「3時間以内に戻るようにって先生言ってたし、早く戻りすぎても何か言われそうなんだよなぁ」
「であれば、もう少し奥に進んでみますか?」
「このダンジョン5階層まであるんだっけ?」
ダンジョンには、階層があり下に潜っていくような構造になっている。
下に行くに連れて、モンスターのレベルが上がっていき、危険も増していく。
また、最下層にはダンジョンのボスがいる部屋があり、道中に出て来るモンスターに比べて数段強さが増す。
ただ、ボスを倒す事が出来れば、貴重なアイテムや財宝を手に入れることが出来る。
「ボスだったら、少しは骨があるかな?」
「5階層までしかないダンジョンのボスです。その辺りにいるモンスターと変わらないかと」
「階層が多いほど、モンスターのレベルが上がるからな。俺がアルファに連れられて行ったダンジョンって、何階まであったっけ?」
「50階ですね。それも、2年前の話しです。最近は、マスターを鍛えるのに良いダンジョンが無くて困っている所です」
「鍛えるというか、普通に死にかけてたけどな。正直、あんな思いもうしたくないんだが」
「甘えたことを言わないでください。私が考えるマスターの強さには、まだ到達していないのですから」
アルファのおかげで強くはなったが、今までの訓練を思い出すだけで寒気が・・・。
「ん? 近くに他に生徒がいるみたいだな」
「モンスターと戦っているようですよ」
「俺ら以外にも3階層まで降りてきた奴がいるのか」
ここに来る途中、1・2階層で苦戦している生徒が多いように思えた。
俺が3階層に入ってから、他に人の気配は感じられていなかった。
気になって、気配のする方に観に行くことにした。
「はあっ!」
「ぎゃっ!」
そこには、ゴブリン3体を相手に1人で戦っているリーゼの姿があった。
近くの岩陰に隠れて様子を見てみる。
「凄いな、リーゼ。ちゃんと、戦えているじゃないか」
数はモンスターの方が多いが、剣や魔法を上手く使って立ち回っている。
「あれだけ緊張していたのに、あんなに動けるなんて」
「恐らく『リリィ』が補助しているのでしょう。精神を安定させる魔法など掛けているようです」
「ははは、なるほど」
よく見ると、リーゼの肩の辺りに小さな妖精が飛んでいるのが分かる。
リーゼが召喚魔法で契約した『リリィ』だ。
「妖精だと言われていたけど実は精霊で・・・しかも、精霊達の頂点にいる『女王』ってアルファに教えられたときは驚いたけど、あの時感じたプレッシャーにも納得だよな」
リリィが召喚される前に感じた強大な魔力。そして、リリィと目が合った時に感じたプレッシャー。
正直、あの場で戦闘することになっていたらと思うとゾッとする。
リーゼに敵意を感じなかったし、リーゼから話しを聞く限り仲良くしているようなので大丈夫だとは思うのだが。
「しかし、精霊の女王が召喚魔法で召喚されるとは一体何を考えているのやら」
「もう、分かんないよ。リーゼの主人公補正みたいなのが働いたんじゃないの?」
「リーゼが主人公というだけで、リリィは現れたというのですか?」
「多分ね、リリィに関しては深く考えるのやめたよ。面倒くさいし、怒らせて何されるか怖いし」
「最後のが本音ですね」
「それにしても、サポートだけじゃなくて、リリィももう少し攻撃したら良いのに」
リーゼ達の戦いを見ていると、リリィは確かに魔法でリーゼをサポートしているのが分かるが、モンスターに対して攻撃していないように見える。
「リーゼの力で倒して欲しいのではないでしょうか。彼女が成長するために」
「なるほど・・・・・あっ!」
「きゃっ!」
ゴブリンを1体倒したリーゼだったが、その隙に別のゴブリンに攻撃されそのまま地面に倒れてしまった。
「うっ・・・」
何とか立とうしているが、ここに来るまでにも戦っていたのだろう、力が上手く入らないようだ。
倒れたリーゼの傍で、リリィが慌てているのが分かる。
ゴブリンくらい、リリィ1人でどうにかなりそうだとは思うが、迫ってくるゴブリンに攻撃しようとしない。
「おいおいおい、何で攻撃しないんだよ! このままだとリーゼやられちゃうよ!」
心配で岩陰から少し体を出したら、岩の一部が欠けてそのまま地面に落ちた。
落ちた事で小さな音がなったが、ゴブリン達は気付いていない。
気付いたのは
「やっべ、バレた」
リリィだった。
俺に気付いたリリィは、ニコッと笑う。
笑っているのに恐怖感じるその表情からは
「何見てんだ? 早くこの子助けに来い」
と言われている気がした。
俺は思わず、腰に下げていた剣を手に取った。
「行くのですか?」
「行かなきゃ、俺が殺されるよ」
俺は、一瞬で距離を詰めて、2体のゴブリンを切り伏せた。
「ぐぎゃっ!」
「ぎぃっ!」
倒れたゴブリンは消滅し、その場に魔石だけが残った。
リーゼの様子を確認してみると、俺がいきなり目の前に現れたからか口を開けて少し驚いた表情をしていた。
そんな表情も可愛い。
そして、リリィの表情も確認してみると
「今度からはもっと早く助けに来い」
と言われている気がした。
(いや、精霊の女王が傍にいるんだから俺はいらないと思ったんだよ)
なんて言い返せる勇気は無いから、そんな思いはさっさと消したのだった。
「この程度のモンスターに苦戦されても困ります」
ダンジョンに入って、1時間くらい経っただろうか。
学園が管理しているダンジョンなだけあって、出て来るモンスターのレベルは低い。
今回のダンジョン探索は、合格ラインというものがあるらしく、一定数の魔石を集めると高評価が貰えるらしい。
別に魔石を集めきれなくても評価が下がるわけでもないらしいが。
「ここのモンスター簡単に倒せるから、合格ラインの魔石はもう集まったんだよな」
「教師達の所に戻りますか?」
「3時間以内に戻るようにって先生言ってたし、早く戻りすぎても何か言われそうなんだよなぁ」
「であれば、もう少し奥に進んでみますか?」
「このダンジョン5階層まであるんだっけ?」
ダンジョンには、階層があり下に潜っていくような構造になっている。
下に行くに連れて、モンスターのレベルが上がっていき、危険も増していく。
また、最下層にはダンジョンのボスがいる部屋があり、道中に出て来るモンスターに比べて数段強さが増す。
ただ、ボスを倒す事が出来れば、貴重なアイテムや財宝を手に入れることが出来る。
「ボスだったら、少しは骨があるかな?」
「5階層までしかないダンジョンのボスです。その辺りにいるモンスターと変わらないかと」
「階層が多いほど、モンスターのレベルが上がるからな。俺がアルファに連れられて行ったダンジョンって、何階まであったっけ?」
「50階ですね。それも、2年前の話しです。最近は、マスターを鍛えるのに良いダンジョンが無くて困っている所です」
「鍛えるというか、普通に死にかけてたけどな。正直、あんな思いもうしたくないんだが」
「甘えたことを言わないでください。私が考えるマスターの強さには、まだ到達していないのですから」
アルファのおかげで強くはなったが、今までの訓練を思い出すだけで寒気が・・・。
「ん? 近くに他に生徒がいるみたいだな」
「モンスターと戦っているようですよ」
「俺ら以外にも3階層まで降りてきた奴がいるのか」
ここに来る途中、1・2階層で苦戦している生徒が多いように思えた。
俺が3階層に入ってから、他に人の気配は感じられていなかった。
気になって、気配のする方に観に行くことにした。
「はあっ!」
「ぎゃっ!」
そこには、ゴブリン3体を相手に1人で戦っているリーゼの姿があった。
近くの岩陰に隠れて様子を見てみる。
「凄いな、リーゼ。ちゃんと、戦えているじゃないか」
数はモンスターの方が多いが、剣や魔法を上手く使って立ち回っている。
「あれだけ緊張していたのに、あんなに動けるなんて」
「恐らく『リリィ』が補助しているのでしょう。精神を安定させる魔法など掛けているようです」
「ははは、なるほど」
よく見ると、リーゼの肩の辺りに小さな妖精が飛んでいるのが分かる。
リーゼが召喚魔法で契約した『リリィ』だ。
「妖精だと言われていたけど実は精霊で・・・しかも、精霊達の頂点にいる『女王』ってアルファに教えられたときは驚いたけど、あの時感じたプレッシャーにも納得だよな」
リリィが召喚される前に感じた強大な魔力。そして、リリィと目が合った時に感じたプレッシャー。
正直、あの場で戦闘することになっていたらと思うとゾッとする。
リーゼに敵意を感じなかったし、リーゼから話しを聞く限り仲良くしているようなので大丈夫だとは思うのだが。
「しかし、精霊の女王が召喚魔法で召喚されるとは一体何を考えているのやら」
「もう、分かんないよ。リーゼの主人公補正みたいなのが働いたんじゃないの?」
「リーゼが主人公というだけで、リリィは現れたというのですか?」
「多分ね、リリィに関しては深く考えるのやめたよ。面倒くさいし、怒らせて何されるか怖いし」
「最後のが本音ですね」
「それにしても、サポートだけじゃなくて、リリィももう少し攻撃したら良いのに」
リーゼ達の戦いを見ていると、リリィは確かに魔法でリーゼをサポートしているのが分かるが、モンスターに対して攻撃していないように見える。
「リーゼの力で倒して欲しいのではないでしょうか。彼女が成長するために」
「なるほど・・・・・あっ!」
「きゃっ!」
ゴブリンを1体倒したリーゼだったが、その隙に別のゴブリンに攻撃されそのまま地面に倒れてしまった。
「うっ・・・」
何とか立とうしているが、ここに来るまでにも戦っていたのだろう、力が上手く入らないようだ。
倒れたリーゼの傍で、リリィが慌てているのが分かる。
ゴブリンくらい、リリィ1人でどうにかなりそうだとは思うが、迫ってくるゴブリンに攻撃しようとしない。
「おいおいおい、何で攻撃しないんだよ! このままだとリーゼやられちゃうよ!」
心配で岩陰から少し体を出したら、岩の一部が欠けてそのまま地面に落ちた。
落ちた事で小さな音がなったが、ゴブリン達は気付いていない。
気付いたのは
「やっべ、バレた」
リリィだった。
俺に気付いたリリィは、ニコッと笑う。
笑っているのに恐怖感じるその表情からは
「何見てんだ? 早くこの子助けに来い」
と言われている気がした。
俺は思わず、腰に下げていた剣を手に取った。
「行くのですか?」
「行かなきゃ、俺が殺されるよ」
俺は、一瞬で距離を詰めて、2体のゴブリンを切り伏せた。
「ぐぎゃっ!」
「ぎぃっ!」
倒れたゴブリンは消滅し、その場に魔石だけが残った。
リーゼの様子を確認してみると、俺がいきなり目の前に現れたからか口を開けて少し驚いた表情をしていた。
そんな表情も可愛い。
そして、リリィの表情も確認してみると
「今度からはもっと早く助けに来い」
と言われている気がした。
(いや、精霊の女王が傍にいるんだから俺はいらないと思ったんだよ)
なんて言い返せる勇気は無いから、そんな思いはさっさと消したのだった。
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もし違っていた場合は修正しますので、遠慮なくお伝えください。
(追記2018.07.02)
お気に入り400超え、驚きで声が出なくなっています。
どんどん上がる順位に不審者になりそうで怖いです。
(追記2018.07.24)
お気に入りが最高634まできましたが、600超えた今も嬉しく思います。
今更ですが1日1エピソードは書きたいと思ってますが、かなりマイペースで進行しています。
ちなみに不審者は通り越しました。
(追記2018.07.26)
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