【 異能の転生者 】勇者への道、救世主への道、英雄への道……

異能な転生者

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第195話 ダイラス連邦

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俺たちはダイラス連邦の屋敷の温泉に入ったあと、またオーリス王国の屋敷に戻る。

また戻ったのは、準備を整えなければいけなかったからだ。

俺は、別に持っていく荷物なんてないんだが、女性陣はそうはいかない。

女性陣は準備を整えて俺の部屋に集まってもらい、俺の異空間収納に荷物を入れた。

俺たちは基本的にはメンバー全員で動くことをしているが、一応、確認している。

メンバーで動いていた方が、何かとすぐに対処ができる。

単純にダイラス連邦に報告に行くだけなんだけど、メンバー全員がついてくると言うのでダイラス連邦の俺の屋敷にてにしてきた。

転移してきた俺たちは、ソフィアに頼んで首長の都合を聞いてきてもらう。

俺が直接、行こうかと思ったんだけど、ソフィアに公爵が歩いて首長の家に行くのは、おかしいと言われたからだ。

まぁ、それはそうだなと思ったので。

ソフィアに聞いてきてもらうと、午後の3時だったら会えると言う事だったので、それまでは暇を潰す。

しばらくは研究に来ていないので、地下3階の閉鎖された空間に転移した。

相変わらず、ここは、ホコリだらけ。

魔法で明かりを出して照らす。

ここの書物は古すぎてボロボロになっているので、取り扱いに気をつけなければいけない。

机の上に置いてある最後の日記を見ることにしたが、しかし、この日記は全て読み終えているので、他にも日記が置いてあるところを確認して探してみる。

机の横の棚に、同じようなノートが数冊入っている。

その中で一番、新しい日記を手に取る。

表紙をめくって、ノートに書いてある字を見ながら、読み進めていく。

しかしあまり参考になるようなものは書いていない。

最後まで読み終えて、時間になったことに気がついて、俺の部屋に転移で戻ってきた。

そうすると、そこにはアリシアがドレスを着て待っていた。

「どこに行ってたの?、クリス」

「ちょっと地下3階までね」

「へー、地下3階なんてあるんだ、あれ、でも、地下3階は倉庫しかなかったんじゃない?」

「実はあるんだよね、隠れた部屋が」

アリシアは、それ以上、詮索する事はせず、ふーんそうなんだと言って話を打ち切った。

「クリス、急がないと」と言ってせかされながら チャーターした馬車に乗って。屋敷を後にした。

首長の屋敷の前にたどり着くと、門番に、約束してあると告げて中に入れてもらう。

屋敷の侍女に案内されながら、首長が待っている部屋まで行く。

そして侍女がドアをノックして開けてくれる。

俺たち2人は挨拶をして、椅子に座る。

俺はダイラス連邦を後にしてブラッドフォード大公国に行ったことを報告した。

そして、その時に、魔族が攻め込んできている情報をいち早くつかんで、直接、魔族の皇帝に、たまたま会うことができたので、娘さんが拉致されて、拉致したのは、大公国だと思い込んでいたみたいだったから、娘さんの救助に向かって成功して軍を引き返してもらったと説明した。

皇帝から褒美として邸と爵位をもらったと説明した。

「そんなことがあっていたなんて、私もいろいろな情報をつかんではいたが、そこまでの情報はしてなかった」と首長

「私が知らないような情報でも、貴殿の耳には届いていることもあるのだな、しかも、また人身売買組織だなんて」

首長の娘さんも人身売買組織に誘拐されたわけだから。

当然だが、思うところはあると思う。

「私も本当は冒険者なんですけど、冒険者ギルドに行くことも少なくなってきているし、冒険者活動をしていないんですよね」と俺

「魔物も実際に怖いですけど、人身売買組織の方が自分のメンバーも誘拐されていますから、思うところは私もあります」

とチラッとアリシアの方を見た。

「本当に今でも、娘が誘拐されて、どうなっていたかわからないと思うと夜寝ていても目が覚めることがあるよ」と首長

「なんだか人身売買組織が、かなり大きな組織のような気がするんですけど」

「同じグループなのか、どうか分かりませんけど、かなりヤバイ状況じゃないかなと思います」と俺

「私もそう思うよ、これからも、もし人身売買組織に関係するようだったら、ぜひ動いてくれ、協力するよ」と首長

俺たちは握手を交わして屋敷を後にした。

チャーターしていた馬車は先に返した。

屋敷から徒歩で帰ってくる公爵と言うのも珍しいと思うけど、俺たち2人は首長から、馬車で送ろうかと言われたが断って、2人で歩いている。

俺は人身売買組織のことを考えながら歩いていたが、歩きながらアルシアが突然、手を握ってきた。

昔は子供の頃は、手をつないでいたこともあるけど、最近はあまりなく、アリシアが突然手を握ったことにドギマキした。

アリシアが握ってくれる手は暖かく、俺の心を落ちつかせてくれる。

屋敷まで2人で話しながら、ゆっくり歩いて帰った。


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