外れスキル【レバレッジたったの1.0】を進化させ、俺はエルフ聖女と無双する ―冒険者パーティ追放勇者、バージョンアップの成り上がり―

緋色優希

文字の大きさ
131 / 169
第二章 バルバディア聖教国モンサラント・ダンジョン

2-43 スキル不思議な踊り

しおりを挟む
「では行くぜ。
 秘儀、スキル不思議な踊り!」

 俺はあの、マロウスから伝授されたスキル、魔物と仲良く(主従関係に)なるための不思議な踊りを踊り出した。

 まあ、仲良くもへったくれもない、俺がそやつを瀬死の状態にまで追い込んでから踊っている訳なのだが。

 まあ思いっきり拳(足と槍)を交えたならマブダチという事で、なんとか?

「いやあんた、これって秘儀というほどのものじゃ。
 って、この人ときたら踊りに夢中で、もう既にせいれいの話が聞こえていないわね」

 一生懸命に、その踊りを一心に踊りまくる俺。 
 それは確かに不思議な踊りなのだった。

 何しろ、それはあのビースト族が踊るための特別なダンスであって、本来なら俺のような人族ごときが踊れるような代物ではない。

 強烈なレバレッジがかかっていて、さらに鍛練オタクであるマロウスから毎日扱かれてきたような俺だからこそ、なんとか踊れるという代物なのだ。

 並みの人族が無理に真似て踊ろうとすれば、最初の一動作で筋肉が断裂し、当分は動けなくなるという禁断のダンスなのだ。

 何よりも、その動作の一つ一つがあまりにも素早い。

 そのため人族の動態視力では追い切れないので、彼らビースト族が一体何をやっているのか理解できないため、『不思議なダンス』と人族から呼ばれていたものなのだ。

 しかも、それは『狩りの成功を喜ぶ』滅茶苦茶な踊りで、単に飛び跳ねているようなものなので、他の同胞たるビースト族からさえも『不思議なダンス』にしか見えないという、徹底的にアレな感じの踊りなのだ。

 そして、何故か動物や魔物などを使役するための過程の一部としての動作と被る動きがあったため、その種のスキルとして動きが採用されるようになった。

 その上、それらは個々のビースト族によって動作が違うため、本人はスキルを用いているつもりでも、他のビースト族から見たら不思議なダンスを踊っているようにしか見えない。

 それでも一応はスキルとして、人族の俺でも使用できるものなのであった。

 なお、踊っている本人だけは高揚しているため楽しいので、なかなか踊り止まず、犬猫系なんかはなんとなく興味を覚えて仲間になってくれる確率は割合と高い。

 特に好奇心の強い子供に対しては効果大だ。
 そして十分間は瞬く間に過ぎ去って、恍惚の時間は終了した。

「ふう、よく踊ったなあ。
 それで蜘蛛は仲間になってくれたのかな」

「ああ、そいつなら、どうやらあんたが夢中になって踊っている間に死んだっぽいよ。
 元々、重症だったみたいだしね」

「そうか、そいつは残念だなあ。
 でも楽しかったからいいや」

「あのねえ。
 でもおかしいな。
 蜘蛛を全部倒したはずなのに、何故か扉の外へ出られないわね」

「そういやそうだなあ。
 じゃあ、仕方がないな。
 これの出番だ。
 特殊技能スキル【我が道を行く】、外界への道を拓け」

 そして俺の横には光の扉が誕生し、薄暗かった魔物が支配する闇の世界は、真っ白な耀きに満ちていった。

 そして、俺は次の瞬間には陽気にパーティメンバーと顔を合わせていた。

「よ、ただいま」

 俺の足元には、さっきの蜘蛛が原形を保ったまま遺跡ゾーンの石の床の上にくたっとなって転がっていた。

 まるで蜘蛛の抜け殻か何か、あるいは干からびて死んでいるかのようで、とても存在感が薄い。
 俺と一緒に残骸扱いで外に出されてしまったのか。

「あら、お帰り。
 リクル、扉の中はどうだった」

 まるで何事もなかったかのように、いつもの魔法剣士スタイルで意気軒昂に出迎えてくれるエラヴィス。

「うん、蜘蛛が十匹いただけだ。
 何故か全部を倒しても外に出られなかったから、スキルを使って強引に外へ出て来たよ」

「よかった。さすがに何百匹もいたら堪らないものね。
 いや強引に出て来たって。
 あんたも無茶をするわね」

「聖女の勇者に無茶は付き物さ!」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

スキルハンター~ぼっち&ひきこもり生活を配信し続けたら、【開眼】してスキルの覚え方を習得しちゃった件~

名無し
ファンタジー
 主人公の時田カケルは、いつも同じダンジョンに一人でこもっていたため、《ひきこうもりハンター》と呼ばれていた。そんなカケルが動画の配信をしても当たり前のように登録者はほとんど集まらなかったが、彼は現状が楽だからと引きこもり続けていた。そんなある日、唯一見に来てくれていた視聴者がいなくなり、とうとう無の境地に達したカケル。そこで【開眼】という、スキルの覚え方がわかるというスキルを習得し、人生を大きく変えていくことになるのだった……。

【完結】元ゼネコンなおっさん大賢者の、スローなもふもふ秘密基地ライフ(神獣付き)~異世界の大賢者になったのになぜか土方ばかりしてるんだがぁ?

嘉神かろ
ファンタジー
【Hotランキング3位】  ゼネコンで働くアラフォーのおっさん、多田野雄三は、ある日気がつくと、異世界にいた。  見覚えのあるその世界は、雄三が大学時代にやり込んだVR型MMOアクションRPGの世界で、当時のキャラの能力をそのまま使えるらしい。  大賢者という最高位職にある彼のやりたいことは、ただ一つ。スローライフ!  神獣たちや気がついたらできていた弟子たちと共に、おっさんは異世界で好き勝手に暮らす。 「なんだか妙に忙しい気もするねぇ。まあ、楽しいからいいんだけど」

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

異世界ラーメン屋台~俺が作るラーメンを食べるとバフがかかるらしい~

橘まさと
ファンタジー
脱サラしてラーメンのキッチンカーをはじめたアラフォー、平和島剛士は夜の営業先に向けて移動していると霧につつまれて気づけばダンジョンの中に辿りついていた。 最下層攻略を目指していた女性だらけのAランク冒険者パーティ『夜鴉』にラーメンを奢る。 ラーメンを食べた夜鴉のメンバー達はいつも以上の力を発揮して、ダンジョンの最下層を攻略することができた。 このことが噂になり、異世界で空前絶後のラーメンブームが巻き起こるのだった。

自由でいたい無気力男のダンジョン生活

無職無能の自由人
ファンタジー
無気力なおっさんが適当に過ごして楽をする話です。 すごく暇な時にどうぞ。

ダンジョン発生から20年。いきなり玄関の前でゴブリンに遭遇してフリーズ中←今ココ

高遠まもる
ファンタジー
カクヨム、なろうにも掲載中。 タイトルまんまの状況から始まる現代ファンタジーです。 ダンジョンが有る状況に慣れてしまった現代社会にある日、異変が……。 本編完結済み。 外伝、後日譚はカクヨムに載せていく予定です。

ダンジョンで有名モデルを助けたら公式配信に映っていたようでバズってしまいました。

夜兎ましろ
ファンタジー
 高校を卒業したばかりの少年――夜見ユウは今まで鍛えてきた自分がダンジョンでも通用するのかを知るために、はじめてのダンジョンへと向かう。もし、上手くいけば冒険者にもなれるかもしれないと考えたからだ。  ダンジョンに足を踏み入れたユウはとある女性が魔物に襲われそうになっているところに遭遇し、魔法などを使って女性を助けたのだが、偶然にもその瞬間がダンジョンの公式配信に映ってしまっており、ユウはバズってしまうことになる。  バズってしまったならしょうがないと思い、ユウは配信活動をはじめることにするのだが、何故か助けた女性と共に配信を始めることになるのだった。

【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜

KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。 ~あらすじ~ 世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。 そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。 しかし、その恩恵は平等ではなかった。 富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。 そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。 彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。 あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。 妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。 希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。 英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。 これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。 彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。 テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。 SF味が増してくるのは結構先の予定です。 スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。 良かったら読んでください!

処理中です...