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第二章 バルバディア聖教国モンサラント・ダンジョン
2-43 スキル不思議な踊り
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「では行くぜ。
秘儀、スキル不思議な踊り!」
俺はあの、マロウスから伝授されたスキル、魔物と仲良く(主従関係に)なるための不思議な踊りを踊り出した。
まあ、仲良くもへったくれもない、俺がそやつを瀬死の状態にまで追い込んでから踊っている訳なのだが。
まあ思いっきり拳(足と槍)を交えたならマブダチという事で、なんとか?
「いやあんた、これって秘儀というほどのものじゃ。
って、この人ときたら踊りに夢中で、もう既に人の話が聞こえていないわね」
一生懸命に、その踊りを一心に踊りまくる俺。
それは確かに不思議な踊りなのだった。
何しろ、それはあのビースト族が踊るための特別なダンスであって、本来なら俺のような人族ごときが踊れるような代物ではない。
強烈なレバレッジがかかっていて、さらに鍛練オタクであるマロウスから毎日扱かれてきたような俺だからこそ、なんとか踊れるという代物なのだ。
並みの人族が無理に真似て踊ろうとすれば、最初の一動作で筋肉が断裂し、当分は動けなくなるという禁断のダンスなのだ。
何よりも、その動作の一つ一つがあまりにも素早い。
そのため人族の動態視力では追い切れないので、彼らビースト族が一体何をやっているのか理解できないため、『不思議なダンス』と人族から呼ばれていたものなのだ。
しかも、それは『狩りの成功を喜ぶ』滅茶苦茶な踊りで、単に飛び跳ねているようなものなので、他の同胞たるビースト族からさえも『不思議なダンス』にしか見えないという、徹底的にアレな感じの踊りなのだ。
そして、何故か動物や魔物などを使役するための過程の一部としての動作と被る動きがあったため、その種のスキルとして動きが採用されるようになった。
その上、それらは個々のビースト族によって動作が違うため、本人はスキルを用いているつもりでも、他のビースト族から見たら不思議なダンスを踊っているようにしか見えない。
それでも一応はスキルとして、人族の俺でも使用できるものなのであった。
なお、踊っている本人だけは高揚しているため楽しいので、なかなか踊り止まず、犬猫系なんかはなんとなく興味を覚えて仲間になってくれる確率は割合と高い。
特に好奇心の強い子供に対しては効果大だ。
そして十分間は瞬く間に過ぎ去って、恍惚の時間は終了した。
「ふう、よく踊ったなあ。
それで蜘蛛は仲間になってくれたのかな」
「ああ、そいつなら、どうやらあんたが夢中になって踊っている間に死んだっぽいよ。
元々、重症だったみたいだしね」
「そうか、そいつは残念だなあ。
でも楽しかったからいいや」
「あのねえ。
でもおかしいな。
蜘蛛を全部倒したはずなのに、何故か扉の外へ出られないわね」
「そういやそうだなあ。
じゃあ、仕方がないな。
これの出番だ。
特殊技能スキル【我が道を行く】、外界への道を拓け」
そして俺の横には光の扉が誕生し、薄暗かった魔物が支配する闇の世界は、真っ白な耀きに満ちていった。
そして、俺は次の瞬間には陽気にパーティメンバーと顔を合わせていた。
「よ、ただいま」
俺の足元には、さっきの蜘蛛が原形を保ったまま遺跡ゾーンの石の床の上にくたっとなって転がっていた。
まるで蜘蛛の抜け殻か何か、あるいは干からびて死んでいるかのようで、とても存在感が薄い。
俺と一緒に残骸扱いで外に出されてしまったのか。
「あら、お帰り。
リクル、扉の中はどうだった」
まるで何事もなかったかのように、いつもの魔法剣士スタイルで意気軒昂に出迎えてくれるエラヴィス。
「うん、蜘蛛が十匹いただけだ。
何故か全部を倒しても外に出られなかったから、スキルを使って強引に外へ出て来たよ」
「よかった。さすがに何百匹もいたら堪らないものね。
いや強引に出て来たって。
あんたも無茶をするわね」
「聖女の勇者に無茶は付き物さ!」
秘儀、スキル不思議な踊り!」
俺はあの、マロウスから伝授されたスキル、魔物と仲良く(主従関係に)なるための不思議な踊りを踊り出した。
まあ、仲良くもへったくれもない、俺がそやつを瀬死の状態にまで追い込んでから踊っている訳なのだが。
まあ思いっきり拳(足と槍)を交えたならマブダチという事で、なんとか?
「いやあんた、これって秘儀というほどのものじゃ。
って、この人ときたら踊りに夢中で、もう既に人の話が聞こえていないわね」
一生懸命に、その踊りを一心に踊りまくる俺。
それは確かに不思議な踊りなのだった。
何しろ、それはあのビースト族が踊るための特別なダンスであって、本来なら俺のような人族ごときが踊れるような代物ではない。
強烈なレバレッジがかかっていて、さらに鍛練オタクであるマロウスから毎日扱かれてきたような俺だからこそ、なんとか踊れるという代物なのだ。
並みの人族が無理に真似て踊ろうとすれば、最初の一動作で筋肉が断裂し、当分は動けなくなるという禁断のダンスなのだ。
何よりも、その動作の一つ一つがあまりにも素早い。
そのため人族の動態視力では追い切れないので、彼らビースト族が一体何をやっているのか理解できないため、『不思議なダンス』と人族から呼ばれていたものなのだ。
しかも、それは『狩りの成功を喜ぶ』滅茶苦茶な踊りで、単に飛び跳ねているようなものなので、他の同胞たるビースト族からさえも『不思議なダンス』にしか見えないという、徹底的にアレな感じの踊りなのだ。
そして、何故か動物や魔物などを使役するための過程の一部としての動作と被る動きがあったため、その種のスキルとして動きが採用されるようになった。
その上、それらは個々のビースト族によって動作が違うため、本人はスキルを用いているつもりでも、他のビースト族から見たら不思議なダンスを踊っているようにしか見えない。
それでも一応はスキルとして、人族の俺でも使用できるものなのであった。
なお、踊っている本人だけは高揚しているため楽しいので、なかなか踊り止まず、犬猫系なんかはなんとなく興味を覚えて仲間になってくれる確率は割合と高い。
特に好奇心の強い子供に対しては効果大だ。
そして十分間は瞬く間に過ぎ去って、恍惚の時間は終了した。
「ふう、よく踊ったなあ。
それで蜘蛛は仲間になってくれたのかな」
「ああ、そいつなら、どうやらあんたが夢中になって踊っている間に死んだっぽいよ。
元々、重症だったみたいだしね」
「そうか、そいつは残念だなあ。
でも楽しかったからいいや」
「あのねえ。
でもおかしいな。
蜘蛛を全部倒したはずなのに、何故か扉の外へ出られないわね」
「そういやそうだなあ。
じゃあ、仕方がないな。
これの出番だ。
特殊技能スキル【我が道を行く】、外界への道を拓け」
そして俺の横には光の扉が誕生し、薄暗かった魔物が支配する闇の世界は、真っ白な耀きに満ちていった。
そして、俺は次の瞬間には陽気にパーティメンバーと顔を合わせていた。
「よ、ただいま」
俺の足元には、さっきの蜘蛛が原形を保ったまま遺跡ゾーンの石の床の上にくたっとなって転がっていた。
まるで蜘蛛の抜け殻か何か、あるいは干からびて死んでいるかのようで、とても存在感が薄い。
俺と一緒に残骸扱いで外に出されてしまったのか。
「あら、お帰り。
リクル、扉の中はどうだった」
まるで何事もなかったかのように、いつもの魔法剣士スタイルで意気軒昂に出迎えてくれるエラヴィス。
「うん、蜘蛛が十匹いただけだ。
何故か全部を倒しても外に出られなかったから、スキルを使って強引に外へ出て来たよ」
「よかった。さすがに何百匹もいたら堪らないものね。
いや強引に出て来たって。
あんたも無茶をするわね」
「聖女の勇者に無茶は付き物さ!」
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