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第一章 幸せの青い鳥?
1-48 進軍
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とりあえず、合流した騎士チームには引き続き、薬用茶などを飲ませながら休憩してもらった。
その間に補充のアイテムを全員に配る。
アメリも一緒に手伝ってくれる。
この人は回復魔法士に比べてはるかに体力があるので。
やはり冒険者上がりなのか、このようなイレギュラーな戦闘状態に慣れているみたい。
「後方の人は私が回復させますので、なるべくアイテムを節約して。
でも無理な我慢はしないでね。
それくらいなら戻って聖水を補給してから出直すわ。
なるべく私が回復させますけど、足りない分や行き届かない分は皆さん地力でお願いします。
合流する度にどんどん人数は増えるけど、皆さんも魔力体力気力などを消耗していきますので、そのあたりも考慮しつつお願いします。
何しろ、戦闘要員は増えても回復魔法士の数とアイテムの数は増えませんから!」
「ああ、了解した。
あんたがいなかったら、もう収集がつかなかったな」
「ねえ、小隊長さん」
私は合流した隊のリーダーに訊ねた。
「あの魔物って、このチームの騎士さん十人がかりで倒せますか?」
「むう、そればかりはなんともいえんな。
我々は冒険者ではない。
やりあった加減では、あれはかなり耐久力があって手強い。
武器も本来は対人用の物なのだ。
騎士団か冒険者の増援が来てくれないと厳しいだろう。
あまり無理をしてもアイテムが切れると全滅する。
さすがに戦えないサヤ殿を常時前線に出す訳にはいかんのでな」
「そうかー。
とりあえずは、なんとか他のチームと合流しないと、アイテム切れで彼らが全滅しますので頑張って前進しましょう。
どうやら、あの魔物どもはガチガチに守りを固めているのではなく、襲撃者の掃討を狙って広範囲に動いているようなので。
上手く立ち回れば、他のチームのところへもなんとか辿り着けそう」
「まあ、うっかりと魔物に出会ってしまったような時は、サヤ殿の回復魔法頼みで我々が奮戦し、チームを前進させるというわけですな」
「大変申し訳ないのですが、ここは体を張ってください。
こちらも目いっぱい努力しますので。
そうしないとリュールさん達の先遣隊が全滅します。
後はもう副団長の指揮の下、任務完遂を目指すなり一旦引いて態勢を立て直すなり、彼の判断に従うのがいいのではないかと」
その任務のために死んでくれと言わんばかりの言い草には騎士団一同が苦笑したが、まあやるしかないのは彼らだってわかっているのだ。
「まあ、そういう事ですな。
まああの副団長の事だから死んではおらんでしょう。
そのうちに騎士団長が暴れ込んでくるでしょうから。
あの人には一匹くらい残しておかんと後が煩い」
いかにも騎士団的な事を言って、騎士団の人達はどっと笑い、そして立ち上がった。
「さて、サヤ殿。参りましょうかの。
騎士の人数がこれだけ増えたのはありがたい」
さっきまでは後方で後手後手に回っていた。
今度は攻めるので、やろうと思えば騎士総がかりで戦える。
それなりに補給も出来、休憩も出来て、いくらかの鋭気は養えたので皆それなりに顔は明るい。
今度は先に一人斥候を出して様子を伺いながら、回復魔法士の護衛と後方警戒を兼ねて比較的後方に二名の、前方に主力部隊が七名という攻撃的な布陣だ。
私には護衛専任のチュールとアメリさんがついているため、そういう手も使える。
前衛の騎士にはアイテムを多めに持たせてある。
『サヤ、もう少し先で戦ってる』
「小隊長、この少し先で1チームが戦闘中です。
チュールが見つけました」
「そうか。ランディス、偵察してこい。
本隊は警戒しつつ前進する。
いざという時の退路となる横道も見つつ行ってくれ」
「了解です」
「ランディスさん。回復アイテムを持っていって。
向こうのチームにこのザックごと渡して」
「了解であります」
元々は自国の王宮なのだから、まったく知らない場所ではない。
だが王宮は本来近衛兵の管轄なのだ。
私達は警戒しつつ進み、すぐにランディスが戻ってきた。
「報告、戦闘中なのは我々騎士団の副団長が率いる本命部隊ではない別チームが六名と近衛兵の偵察部隊十名、近衛兵もアイテムで回復したので死者は無し。
ただし、アイテムが少ないため苦戦中。
私の持っていたアイテムは、自前の分まで全部渡してきました」
「ご苦労、戦況はどうだった?」
「はあ、魔物には一定のダメージを与えていますが、対高位魔物戦を想定していない、万全ではない部隊では倒し切るのは難しいかと。
やはり武器が対人用なのが一番堪えています」
なるほど、十六人と想定していたよりもずっと頭数はいてくれるのよね。
「ねえ、それでもダメージは入る事は入っているのよね。
二十六人がリジェネート・エクスペリエンスをかけ続けて鬼神のように戦い続けたら、今の装備でもそいつに勝てるかしら」
「……サヤ殿は鬼神というより、なんというかもう鬼のような方ですな。
それはもう、どれだけダメージを受けようが絶対に死ねない、エンドレスの生き地獄以外の何物でもありませんが。
おい、貴様ら。
我らが聖女様は、騎士団の獅子奮戦の戦いぶりをご所望だ。
ありがたく全員奮い立て!」
若干、苦笑気味の気勢があちこちから上がった。
だがまあ、なんとか格好はつくくらいには活気があった。
騎士団全員に、もれなく恐怖の永久再生スタイルの吶喊地獄行きが決定した。
もちろん、それは全部私のせいです。
なまじ魔力が切れる事がないので、ずっと続けられるもんね。
「うわあ、なんかごめん」
その間に補充のアイテムを全員に配る。
アメリも一緒に手伝ってくれる。
この人は回復魔法士に比べてはるかに体力があるので。
やはり冒険者上がりなのか、このようなイレギュラーな戦闘状態に慣れているみたい。
「後方の人は私が回復させますので、なるべくアイテムを節約して。
でも無理な我慢はしないでね。
それくらいなら戻って聖水を補給してから出直すわ。
なるべく私が回復させますけど、足りない分や行き届かない分は皆さん地力でお願いします。
合流する度にどんどん人数は増えるけど、皆さんも魔力体力気力などを消耗していきますので、そのあたりも考慮しつつお願いします。
何しろ、戦闘要員は増えても回復魔法士の数とアイテムの数は増えませんから!」
「ああ、了解した。
あんたがいなかったら、もう収集がつかなかったな」
「ねえ、小隊長さん」
私は合流した隊のリーダーに訊ねた。
「あの魔物って、このチームの騎士さん十人がかりで倒せますか?」
「むう、そればかりはなんともいえんな。
我々は冒険者ではない。
やりあった加減では、あれはかなり耐久力があって手強い。
武器も本来は対人用の物なのだ。
騎士団か冒険者の増援が来てくれないと厳しいだろう。
あまり無理をしてもアイテムが切れると全滅する。
さすがに戦えないサヤ殿を常時前線に出す訳にはいかんのでな」
「そうかー。
とりあえずは、なんとか他のチームと合流しないと、アイテム切れで彼らが全滅しますので頑張って前進しましょう。
どうやら、あの魔物どもはガチガチに守りを固めているのではなく、襲撃者の掃討を狙って広範囲に動いているようなので。
上手く立ち回れば、他のチームのところへもなんとか辿り着けそう」
「まあ、うっかりと魔物に出会ってしまったような時は、サヤ殿の回復魔法頼みで我々が奮戦し、チームを前進させるというわけですな」
「大変申し訳ないのですが、ここは体を張ってください。
こちらも目いっぱい努力しますので。
そうしないとリュールさん達の先遣隊が全滅します。
後はもう副団長の指揮の下、任務完遂を目指すなり一旦引いて態勢を立て直すなり、彼の判断に従うのがいいのではないかと」
その任務のために死んでくれと言わんばかりの言い草には騎士団一同が苦笑したが、まあやるしかないのは彼らだってわかっているのだ。
「まあ、そういう事ですな。
まああの副団長の事だから死んではおらんでしょう。
そのうちに騎士団長が暴れ込んでくるでしょうから。
あの人には一匹くらい残しておかんと後が煩い」
いかにも騎士団的な事を言って、騎士団の人達はどっと笑い、そして立ち上がった。
「さて、サヤ殿。参りましょうかの。
騎士の人数がこれだけ増えたのはありがたい」
さっきまでは後方で後手後手に回っていた。
今度は攻めるので、やろうと思えば騎士総がかりで戦える。
それなりに補給も出来、休憩も出来て、いくらかの鋭気は養えたので皆それなりに顔は明るい。
今度は先に一人斥候を出して様子を伺いながら、回復魔法士の護衛と後方警戒を兼ねて比較的後方に二名の、前方に主力部隊が七名という攻撃的な布陣だ。
私には護衛専任のチュールとアメリさんがついているため、そういう手も使える。
前衛の騎士にはアイテムを多めに持たせてある。
『サヤ、もう少し先で戦ってる』
「小隊長、この少し先で1チームが戦闘中です。
チュールが見つけました」
「そうか。ランディス、偵察してこい。
本隊は警戒しつつ前進する。
いざという時の退路となる横道も見つつ行ってくれ」
「了解です」
「ランディスさん。回復アイテムを持っていって。
向こうのチームにこのザックごと渡して」
「了解であります」
元々は自国の王宮なのだから、まったく知らない場所ではない。
だが王宮は本来近衛兵の管轄なのだ。
私達は警戒しつつ進み、すぐにランディスが戻ってきた。
「報告、戦闘中なのは我々騎士団の副団長が率いる本命部隊ではない別チームが六名と近衛兵の偵察部隊十名、近衛兵もアイテムで回復したので死者は無し。
ただし、アイテムが少ないため苦戦中。
私の持っていたアイテムは、自前の分まで全部渡してきました」
「ご苦労、戦況はどうだった?」
「はあ、魔物には一定のダメージを与えていますが、対高位魔物戦を想定していない、万全ではない部隊では倒し切るのは難しいかと。
やはり武器が対人用なのが一番堪えています」
なるほど、十六人と想定していたよりもずっと頭数はいてくれるのよね。
「ねえ、それでもダメージは入る事は入っているのよね。
二十六人がリジェネート・エクスペリエンスをかけ続けて鬼神のように戦い続けたら、今の装備でもそいつに勝てるかしら」
「……サヤ殿は鬼神というより、なんというかもう鬼のような方ですな。
それはもう、どれだけダメージを受けようが絶対に死ねない、エンドレスの生き地獄以外の何物でもありませんが。
おい、貴様ら。
我らが聖女様は、騎士団の獅子奮戦の戦いぶりをご所望だ。
ありがたく全員奮い立て!」
若干、苦笑気味の気勢があちこちから上がった。
だがまあ、なんとか格好はつくくらいには活気があった。
騎士団全員に、もれなく恐怖の永久再生スタイルの吶喊地獄行きが決定した。
もちろん、それは全部私のせいです。
なまじ魔力が切れる事がないので、ずっと続けられるもんね。
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