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Episode 1-プロローグ

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 世に生まれ立つ物は皆、神様というほぼ概念に近い存在に魂を吹き込まれる。
 人は、いるかいないかも分からないその神様というものに、毎日祈ったり、すがったりしている。
 意味が有るか無いかも分かり得ないというのに。

 しかし、この前「神様っているんだな」って、沁々しみじみ思う出来事があった。
 とある赤ん坊の話なんだが、その家は貧乏でボロっちくて、どうやらファンタジーの物語の主人公には到底なれないような、それほど経済力が不安定で、毎日を生きれてやっとなほどなお宅なんだが。
 そこで、信じられないような出来事があったのさ。

 一人の赤ん坊なんだが、

 ―ステータスが異常で、歴代最強を遥かに越すほどの天賦てんぷの才を持っていた―

 歴代最強だけじゃ表しきれないほどの強さだった。
 いや、強さなんてものじゃない。もはや生物学的に人間なのかも怪しいほどだ。
 彼は名を、“九鬼原点くきげんてん”といい、九鬼家は今までに天才が生まれたことはない。
 というより、誰もが凡才ばっかりで、強い血筋なんてものではなく、どちらかと言えば弱い血筋だ。

 まぁ、九鬼原点という世界の常識をくつがえす天才が生まれてしまった。
 ということ以外に、説明はもう要らないと思う。
 
 あ、今回ナレーターを務める景樹ねこ丸です。
 何卒よろしくお願いします。
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