没落した建築系お嬢様の優雅なスローライフ~地方でモフモフと楽しい仲間とのんびり楽しく生きます~

土偶の友

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1章

第5話 冒険者登録と従魔登録

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「ここが冒険者ギルドだ。サッサと登録してくれ」
「感謝しますわ」

 わたくし達が冒険者ギルドに入ると、鋭い視線が飛んでくる。

 これが異世界の知識にある新人はいびられるっていう奴なのでしょうか。
 でも、その視線はすぐにそらされる。

「?」

 なんなのかしら? と思いつつも、わたくしは受付の綺麗なお姉さまの所に向かう。

「あの、冒険者登録と、従魔登録をしたいのですが」
「はい。冒険者の制度についてはご存じですか?」
「いえ、何もわからないのですわ」
「ではご説明しますね」
「よろしくお願いいたしますわ」

 ということで、説明をしてもらったことをまとめると。
 冒険者のランクは鉄<銅<銀<金<ミスリル<オリハルコン<アダマンタイトという様にランクが上がっていき、ミスリル以上は2割くらいしかいない。
 そして、冒険者として依頼を受け、それをこなして報酬を得る。
 ただ、自身のランクより高い依頼は基本的に受けることが出来ず、失敗も続くとランクが下がる可能性がある。
 依頼者とのやり取りは基本的にギルドに任せてもいいけれど、詳しい説明を聞く時などは会った方がいい場合もある。
 登録料として、50レアード銅貨が必要になる。

「問題はありますか?」
「ないですわ!」
「ではこちらの書類にサインをしてください」
「わかりましたわ!」

 わたくしがサインをしようとすると、ティエラがサッと前足を出して止めてくる。

「ティエラ?」
「クレア。こういう書類はちゃんと読まないといけない。読んだ感じ問題はないけが、読まないとトラブルになるかもしれないからな」

 そう言ってくるティエラに、わたくしは頷く。

「なるほど、失礼しましたわ。次からはちゃんと読みますわ!」
「うん。それじゃあお姉さん。俺たちの従魔登録をしたいんだけど」
「えぇ……従魔がしゃべる……? それってめちゃくちゃ高位の……」
「そういうのは気にしないでいい。俺は文字が書けないから、マーレが代わりに書く」
「ん~そっか。お姉さん。書類出して」
「えぇ……従魔が文字を書くとか聞いたことないんですけど……?」
「じゃあこれが初めてだね。大丈夫。ちゃんと読める字を書くから」
「そっちの問題じゃないんですよぉ……」

 といいつつも、ちゃんと彼女は書類を出してくれた。

 マーレはちゃんと書類を読み、ティエラに聞きながら用紙に記入していく。

「わたくしも終わりましたわ!」
「あの……ここの部分が足りていません」
「なんですって!?」

 と、そんなことをしながら話を進めていき、わたくしの冒険者登録と、ティエラとマーレの従魔登録が終わった。

「これをつけないと駄目なのか……」
「なんか変な感じだね」
「申し訳ありませんわ」
「クレアが謝ることじゃない」
「そうだよ。仕方ないことだから」

 ティエラとマーレは2人とも左前脚に銀色の腕輪? をつけていた。
 これが従魔であることの証だ。
 で、大事なお友達である彼らにそんな枷の様な物をつけるなんて……。

「そうですわ。わたくしも同じような腕輪を付ければお揃いですわ! それならいいと思いませんこと!?」

 わたくしは名案を思いついたのでそう言って2人を見る。

 ティエラとマーレは首を横に振って駄目だと言う。

「そんなこと必要ない」
「そうそう。僕達のことを大事に思ってくれているのは知っているから。クレアは本当にすごくいい子だって知っているよ」
「ティエラ……マーレ……」

 わたくしが目を潤ませて彼らを見ると、彼らはわたくしを抱きしめて下さいました。
 いつものようにとってもモフモフで堪りませんでした。

 ちなみにマーレの方が毛並みに気を使っているのでモフモフ度はとても高いです。
 ティエラの方がちょっと固い感じというか、毛の芯が残っているという感じでしょうか。

 と、そうやった後に、衛兵さんが話しかけてくる。

「よし、それじゃあ俺は持ち場に戻る。困ったことがあったら俺達と同じ服装の奴に話しかけるか、詰め所に来い」
「ありがとうございましたわ!」
「気をつけてな」

 そう言って、衛兵の方は去って行く。

「とても助かりましたわ」
「いい奴だったな。戦場ではすぐに死にそうだ」
「なんてこと言うんですの? さて、それでは……食料だけ買ってカレドニアに向かいましょう!」
「ああ」
「だね」

 ということで、結構な量の食料を買い込み(ほぼマーレの分)、わたくし達はカレドニアに向かうのですわ。
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