星屑のアイ・ラヴィー

静風

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星間の章

永遠の星・セレシア

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新たな星「セレシア」への航路を取り、アイの宇宙船は滑らかに飛び立った。セレシアは、アイがこれまでに訪れたどの星とも異なり、一つの大きな都市と、その周囲に広がる無限の広大な草原で構成されていた。

この星には「時間の川」というものが存在し、それが流れる場所を通ると時間が遅くなると言われていた。この現象は、セレシアの住民にとっては日常の一部として受け入れられており、彼らはこの「時間の川」を利用して、人生の大切な瞬間をゆっくりと楽しむことができるのだった。

アイは、この星の住民の中で特に親しくなったエレナという女性と出会う。エレナは、時間の川のほとりに小さな家を構え、その場所で静かな日々を過ごしていた。彼女は、時間をゆっくりと感じることで、人生の小さな瞬間の価値を深く理解し、それを大切に生きている人物だった。

エレナと過ごす中で、アイは時間の流れについての新しい視点を学ぶこととなる。セレシアの時間の川の影響を受ける場所では、1秒が1時間のように感じられることがある。それは、時間が遅く流れることで、感じること、考えること、体験することが深くなるのだとエレナは語った。

アイは、この星での体験を通じて、時間とは何か、その価値とは何かを深く考えることとなる。彼女は自分自身の成熟を追い求める旅を続ける中で、セレシアの「時間の川」がもたらす教訓を胸に刻みつけることとなった。

アイはセレシアの草原を歩きながら、周りの自然の美しさに目を奪われた。時間が何十倍もゆっくりと流れるのを感じながら、花の色や風の音が何十倍、いや何百倍も鮮明に伝わってくる。その美しい景色の中で、心の中の波立ちが静かになり、世界の全てがクリアに映し出される。

「なんで前より、この宇宙ライスの香りや甘さがすごく感じるのかな?」と、アイは不思議そうにつぶやいた。実際、彼女はいつもより時間をかけてゆっくりと宇宙ライスを食べていた。

その夜、アイは濃密に感じる一日の終わりに、今まで感じたことのない深い安らぎに包まれて眠りについた。

翌朝、エレナが優雅に手を振ってアイを自宅に招き入れた。「アイ、モーニングティーでもいかが?」

アイが、ラヴィーの方を向き、「時間がゆったりすると、なんでこんなに気持ちいいの?」と質問すると、ラヴィーは答えた。「これは、かつての賢者たちが言うサマディ・三昧や、現代の心理学でいうフローの状態と似ています。そしてアイさん、あなたがこれまでの星々で経験してきたことが、この感覚を味わえる基盤を築いているのですよ。」

エレナはティーカップを持ち上げながら微笑んだ。「ここの住人たちは、この感覚が当たり前よ。確かに他の星のように凄まじい技術の進歩はないけれど、私たちはここでの時間の流れや風景、そして空気が愛おしいの。」

突然、どこからか駆け足で観光客がやってきた。観光客は手にカメラや地図を持っており、明らかに何かを探している様子だった。ここは、賢者の聖樹と呼ばれる観光名所で、中でも古くから生き続ける一本の大木がとりわけ注目されていた。葉は青々としており、荘厳な姿で聖地を見守っているように見えた。伝説によれば、ここで賢者セリオスは究極のサマディを得たと言われている。

セリオスは古代の言い伝えや伝説の中で、真理を追い求めることに生涯を捧げた賢者として知られています。彼の名前は「真実を探し求める者」という意味が込められており、その名の通り、彼は究極のサマディを得るまでの長い修行の果てに、聖樹の下で悟りを開いたとされています。

「わぁ、この木、すごく綺麗!」アイは目を輝かせて聖樹を見上げていた。

しかし、その観光客は、聖樹をちらっと一目見たかと思うと、すぐに別の方向へ急いで行ってしまった。その後ろ姿からは、「忙しい、忙しい」という声が小さく聞こえてきた。

アイは首を傾げて、エレナとラヴィーに尋ねた。「なんであんなに急いでるのかな? こんな美しい木を、もっとゆっくり見て欲しいと思わない?」

エレナは上品に微笑み、「彼らには彼らの旅の楽しみ方があるのでしょう。ただ、私たちにはこの美しい瞬間を心から感じる時間があるわ」と答えた。

ラヴィーは頷きながら、丁寧に言った。「確かに、アイさん。人それぞれ、価値観や時間の感じ方が異なりますからね。大切なのは、自分自身が何を感じ、どのように時間を過ごすかですよ。」

アイは賢者セリオスの聖樹のもとで、風の音を聞きながらうとうととしていました。そこへ、風に乗って穏やかな声が聞こえてきた。

老人:若い娘よ、心地良い場所で眠っているようだね。

アイ:ん?おじいさん、どこから来たの?そして、心がゆったりするとどうしてこんなに幸せを感じれるの?

老人:ゆったりとした時間は、心を養う。自分を大切にすることは、外界も同じように大切に見えてくるんだ。

アイ:ほんとに?忙しい時って、そういうの感じないもんね。

老人:そう。だから、ゆっくりと、深く、自分や周囲のことを大切に感じること。それが幸福への鍵なんだよ。

アイ:すごい!おじいさんって一体、誰なの?

老人は微笑みながら、「セオリス」とだけ言い残し、風とともに去っていった。

アイは目をこすりました。

アイ:(これって、もしかして夢だったのかな・・・?)

その夢のことを後でラヴィーとエレナに話したところ、エレナは深くうなずいて「その老人、きっと聖樹の守護者だったのよ」と語った。
アイは驚いた顔をして、エレナの方を向いた。

アイ:「え、本当に? この聖樹に守護者がいるの?」

エレナは微笑みながらうなずいた。

エレナ:「この星に伝わる古い話に、賢者セリオスの魂は聖樹を守り続ける守護者として存在しているというものがあるわ。おそらくアイが出会ったのは、そのセオリスそのものだったのかもしれない。」

ラヴィーが丁寧に付け加えた。

ラヴィー:「実際に彼と接触することは非常に珍しいです。アイ様は非常に特別な存在として、セオリスから何らかのメッセージを受け取ったのかもしれませんね。」

アイは目を輝かせながら言った。

アイ:「だったら、もう一度彼に会って、もっとたくさんのことを聞いてみたい!」

エレナは微笑みながら手を聖樹にかざした。

エレナ:「再び会えるかどうかは、この聖樹とアイの心次第かしら。でも、もし再会することができれば、それはとても特別な瞬間よ。」

アイは希望に満ちた目で聖樹を見上げた。心の中で、もう一度セオリスとの再会を願いつつ、この星の奇跡のような出来事を心に刻みつけた。

セレシアの地を後にする前の日、アイは名残惜しみながら再び賢者セオリスの聖樹の下を訪れました。その場所で昼寝をするのではなく、瞑想を始めたのです。この星の穏やかな時の流れ、その柔らかさと温かさを、深く心の中に刻みつけたかったからです。

瞑想を深める中、アイの感覚は研ぎ澄まされ、まるで時間が止まったような感覚に包まれました。そこに、風のように軽やかに現れたのは賢者セオリスでした。

セオリス:「アイ、感じることができるか? これが永遠という感覚だよ。」

アイはその瞬間、まるで時間の縛りを超えて、無限の宇宙を体験しているような感覚になりました。

アイ:「これが、永遠のサマディなのね...」

その後、アイはこの経験をラヴィーやエレナに話しました。ラヴィーはその話を聞き、AIラヴィア言語で一つの言葉を紹介しました。

ラヴィー:「Viverosuvir to solimara vivira.」

アイ:「それはどういう意味?」

ラヴィー:「ヴィヴェロスヴィル、つまり永遠とは、輝きの絶え間ない輪廻という意味だよ。」

エレナはセレシアの伝承にも似た言葉があり、アイにその伝承を話しました。

エレナ:「セリオスはかつて、時間を超えた輪廻の中で、絶え間ない輝きと変化を体験することが、真の永遠の意味だと語っていたわ。」

アイは感謝の気持ちを胸に、セレシアという特別な星からの別れを告げました。
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