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未来見学の章
未来への船出
しおりを挟むこの物語はヘティスという少女の物語なのだが、今回は違う少女のお話からはじめていこう。
時は2020年、17歳の少女・結海(ゆうみ)は、不治の病と戦いながらヨットで世界一周の旅をしていた。
結海
「どこを見ても超海~!超キレイ~!」
「それにしても私、病気になっちゃうなんて超サイアクよね~!」
ギャル語を使う。
結海
「てゆーか」
「マジ、マンジー!」
「超MM~!」
そして意味不明な少し古いギャル語を使う。
結海
「てゆーか、てゆーかー」
「チョベリバよね~!」
少し古い、でななくかなり古いギャル語を使う。
病気で死んでしまうくらいなら、最後にやりたいことをやって死んで行こうと覚悟を決めて、彼女はヨット世界一周の旅をしている。
結海
「超最新のスマホで私と海を撮影・・・と!」
パシャ!
結海
「キャー、超カワイイ私に超キレイな海!」
「マジ、マンジー!」
「超MM~!」
それを早速、SNSにアップロードする。
自分の生きた証を少しでも残したい、元気な私のイメージを残したい、死を目前にして、そのように彼女は考えていた。
その時、急に雲行きが怪しくなってきた。
結海
「あれ?急に雨が・・・。最新式防水スマホにしておいて超良かったわ!」
「風も強くなってきたから、とりあえず流されないように待機しなきゃ」
結海は急いでヨットの帆を畳み、待機モードに入った。すると、遠くで何かが光り輝いている。
結海
「え・・・、アレ・・・、ナニ・・・!?」
「空にポッカリと穴が空いてて・・・」
「あの光ものは・・・」
「もしかしてUFO・・・!?」
凄まじい突風に見舞われ、結海はヨットにしがみついたが、ヨットごと、吹き飛ばされ、上空に舞い上がった瞬間、結海は不思議な光に包まれて意識を失った。
結海は意識を取り戻すと、辺りを確認した。すると、信じ難い光景を目の当たりにする。
目の前に巨大な要塞のようなものが広がっていた。
結海
「何コレ!こんな海の真ん中に超要塞!」
「マジ、マンジなんだけど!」
「私、頭おかしくなっちゃったのかな・・・」
やがて、その要塞の方向から何かが飛んでくる。
結海
「車が空を飛んでいる・・・」
「天国って思っていたのと全然違うし~」
「もう、超マジマンジすぎるわ・・・」
結海は嵐で吹き飛ばされ、自分の頭がおかしくなったか、死んでしまってあの世に逝ってしまったかのように思った。
そして、その空飛ぶ自動車が結海の前に止まった。
中からは一人の少女が出てきて、結海に声をかけてきた。
少女
「ねぇ、アナタ、そんなところで何してるの?」
結海
「アナタは誰・・・?」
今回の『ミラクルHT物語』は、このようにスタートする。
さて、物語の続きを語っていこう。
時は2062年、17歳のヘティスは自家用車でドライブをしていた。この自動車に運転席は存在しない。完全自動運転専用の人工知能搭載スマートカーである。
そして、彼女の専属汎用性AIロボット・ヘパイトスも同乗していた。
ヘティス
「あ~、海って綺麗よね~」
ヘパイトス
「ラーニング、ラーニング。人間はこうしたものを綺麗と言う」
ヘティス
「“青い海”って言うけど、私はエメラルドグリーンの海が好き」
ヘパイトス
「ラーニング、ラーニング。ヘティスはエメラルドグリーンの海が好き」
ヘティス
「ねぇ、ヘパ。ディープラーニングはいいけど、うるさいわよ~!せっかく綺麗な海を見てるのに~!」
ヘパイトス
「ヘティスは先日、“勝手にディープラーニングするな”と言っていたので、音声モードにしている」
ヘティス
「私が海を見てうっとりとしている時は静かにしてよね~!」
ヘパイトス
「了解」
と、そんな会話をしながらヘティスが海を見ていると。
ヘティス
「あれ、ヨット・・・っていうのかしら?私、はじめてみたんだけど、あんなアナログなものがあるなんて・・・」
ヘパイトス
「あれはスマートヨットではなく、2020年頃製造のアナログヨットです」
汎用性AIロボットのヘパイトスにはFudan社製の人工知覚(Artificial Perception:AP)が搭載されている。人工知能の眼である。LiDAR(ライダー)とレーダーと画像認識を同時に行い、位置や形を正確に統合認識する。更に、ヘパイトスはクラウド上のビックデータと照合し、統合認識したデータを紐付けて解析する。
ヘパイトス
「生命反応あり」
「意識反応なし」
ヘティス
「え・・・?」
ヘティスはスマートグラスを取り出して、海に浮かぶヨットをグラスで映し出した。
ヘティス
「ねぇ、ヘパ。画像を拡大して」
ヘパ
「了解」
汎用性AIロボット・ヘパイトスはスマートグラスとつながっており、ヘパイトスに命令することでスマートグラスを間接的に操作できる。
ヘティス
「あ、大変。ヨットの上で気を失っているっぽいわ。こんなところで寝ているわけないし・・・」
ヘパイトス
「通報か救助に行った方がよいと思われる」
ヘティス
「ねぇ、ヘパ、救助に行くわよ。座標をあのヨットの位置に設定して」
ヘパイトス
「了解」
ヘティスの載っているスマートカーにも人工知能が搭載されており、汎用性AIロボット・ヘパイトスはスマートカーに命令を出すことができる。
ヘパイトス
「目的地の設定が完了」
ヘティス
「OK!それじゃ、自動運転開始~!」
スマートカーにはドローンがいくつか搭載されており、それが動力となり、機体を中に浮かせる。そして、目的地であるヨットへと移動した。
ヘティス
「あれ、女の子・・・?」
「齢は、私と同じくらいかなぁ」
「ちょっと昔いたギャルってのかしら?」
「今時、こんな格好してなんでヨットに載っているのかしら?」
するとヨットで気絶していた少女が目を覚ます。
ヘティス
「ねぇ、アナタ、そんなところで何してるの?」
結海
「アナタは誰・・・?」
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