『シルフィード王国物語』〜 神聖法師イヴと女王シルフィア 〜

静風

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天啓編

不吉な予言

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聖なる祠があるクライン山脈で、シルフィアは祈りを続けていた。祠の周りには騎士団や魔法団が集まっており、シルフィード国のかつての住民も少しずつ戻ってきていた。そのため、小さな町のようなものが形成されていた。

最近の予言は不吉なものだった。アンドラス帝国の軍隊がこの地に向かって進軍しているという内容であったため、現在騎士団を指揮しているグロリアスに伝えた。エリオットが不在のため、グロリアスが指揮を執っている。しかし、これが本当であれば、兵力差により敗北は避けられない。そこでグロリアスは女王にこの地を離れるよう進言するが、女王の天啓にはこの地にとどまるよう指示があった。グロリアスは戸惑いながらも女王を守ることと、同時に自分も死を覚悟することを決意した。

グロリアスは、騎士団や魔法団の力を結集して、アンドラス帝国の軍隊に対抗するための作戦を立てた。彼は、敵の攻勢を防ぐために、クライン山脈の峠道を封鎖することを決めた。

一方で、女王は神の啓示に従って、シルフィアに留まることを決意していた。彼女は、シルフィアが神聖な場所であることと、シルフィード国を守るために必要な決断を下すために、この地にとどまることを決めたのである。

アンドラス帝国の軍がクライン山脈に迫り、グロリアス軍はイシュトヴァン将軍とゾルタン大佐率いる敵軍に苦戦していた。イシュトヴァン将軍の狡猾な戦略により、グロリアス軍は多くの犠牲を出し、兵力不足に悩まされていた。しかし、ゾルタン大佐の勇猛果敢な戦いにより、アンドラス帝国軍も大きな損害を受けていた。グロリアス軍は絶望的な状況にあったが、グロリアスと兵士たちは女王を守るために最後まで戦い抜く決意を固めていた。

武将たちは激しい戦いを繰り広げ、多くの犠牲を出しながらも、アンドラス帝国の攻撃を防ぎ続けていました。しかし、敵の攻勢はますます激しさを増し、武将たちは窮地に立たされました。

そんな中、レナ・シャドウキャストが一計を案じます。「私たちが敵の攻勢に対抗することはできないかもしれませんが、この場所を守ることはできます。そこで、私たちは防御を強化し、敵の攻撃をしのぐことに専念しましょう。」

他の武将たちはレナの意見に賛同し、防御の強化に全力を注ぐことに決めました。クレア・セレスティアルは、回復魔法を使って負傷した仲間たちを助け、ローラン・グレイスは防御魔法を駆使して城壁を強化しました。ヴァレリア・アレクサンドラ・ハートは、独自に開発した防御魔法を使って城を守り、ミア・エアリーウェイブは風魔法を使って城内の空気を浄化し、防御の妨げになるものを排除しました。

ソフィア・ライトキャスターは、防御魔法を使って城内の全員を守り、アリア・リンドブルムは、自然の力を使って城の周りに花を咲かせ、城内の士気を高めました。イアン・マーキュリーは、敵の動向を探るために城壁の上で見張りを続けました。

そして、最前線で戦う三人の武将たちは、敵の攻勢に対して奮戦し続けました。セラフィック・ライトは、聖なる槍で敵を切り伏せ、レイジング・セイントは、聖なる弓で敵を射止め、グロリアス・アークは、聖なる剣で敵を一掃しました。

女王軍は、激しい戦いの果てに一時的に帝国軍を後退させたが、その勢いは一瞬のものであった。客将たちは命をかけて戦い、猛攻を仕掛けたが、帝国軍の数の多さには勝てず、徐々に追い詰められていった。帝国軍の圧倒的な力量に対し、女王軍は一筋の光明を見出すことができなかった。

女王軍は追い詰められ、士気も低下していた。突如として現れたエリオットとイヴによって、戦況は一変した。

「見てくれ、あいつらが帰ってきたぞ!」

「エリオットとイヴか! 」

エリオットは馬に跨り、剣を抜いて帝国軍に向かって叫ぶ。

「ここで終わりにしてやる! 帝国軍よ、これが女王軍の真の力だ!」

イヴは神聖法結界を発動し、祠を守る。

「帝国軍め、ここは通さないわ。この祠は、私が守る!」

その瞬間、帝国軍は二人の勇姿に圧倒され、逃げるように後退していった。女王軍は劇的な形で窮地を脱したのであった。

窮地に追い込まれた女王軍は、必死に抵抗するも、帝国軍の攻撃には太刀打ちできず、陣地が崩れ始めていた。その瞬間、天空から現れた巨大な鳥が、エリクと名乗る男を乗せて降り立った。

エリク:「遅れてしまいましたが、私が来たことで少しでも力になれれば幸いです。」

女王軍兵士:「エリク様が!最強の魔術師エリク様が来た!」

女王:「エリク様、ありがとうございます。どうか、私たちを助けてください!」

エリク:「かまいません。私はこの場にいる限り、貴女たちを守り抜くことを誓います。」

エリクは手を振り、瞬く間に周囲の帝国軍を氷の柱で封じ込めた。氷柱は次々と巨大化し、帝国軍の侵攻を阻止した。

帝国軍将校:「何だ、この魔術は!」

帝国軍兵士:「くっ、凍てつくほどの冷気が!」

女王軍兵士:「エリク様の魔術、すごい!」

エリクは鳥に乗り、指揮を取りながら、女王軍を導いていく。彼の魔術によって、女王軍は再び戦いの機会を掴んだのであった。

この巨大な鳥は「炎翼鷲(えんよくしゅう)」と呼ばれ、全身が黒く、その翼には炎が宿っている。翼を広げると数十メートルにも及び、空を自在に飛び回ることができる。炎翼鷲は非常に知性が高く、鳥の中でも特に賢いとされている。

女王軍兵士:あの巨大な鳥は何だ!?

エリク:それは私のパートナー、アイリスだ。さあ、後ろに下がって、私に任せてくれ。

ゾルタン大佐:アイリスとやらはともかく、私たちにはアンドラス帝国の名誉がかかっている。イシュトヴァン将軍、どういう作戦を考えている?

イシュトヴァン将軍:この魔法使いがどこまでの力を持っているか分からない。一旦撤退して、情報を収集することにしよう。

ゾルタン大佐:しかし、私たちは兵士たちに勇気を与えるためにも、敵軍に勝利しなければならないではないか。

エリク:それは間違っている。勝利には多くの方法がある。今回は、あなたたちが私たちを追い詰めることを期待している。私たちはそれに乗じて、あなたたちを追い払うつもりだ。

ゾルタン大佐:どういうことだ?

エリク:アイリス、攻撃だ!

(エリクが魔法攻撃を仕掛けると、帝国軍は大混乱し、撤退を始める)

イシュトヴァン将軍:何が起こった!?

エリク「アークライトバースト!」

帝国軍兵士たち「何だ!?」

(エリクが指を突き上げた瞬間、まるで太陽が爆発したように眩しい光が放たれ、その光が帝国軍の陣営を一瞬で焼き尽くした。)

帝国軍兵士たち「うわぁ!何だこれは!?」
イシュトヴァン将軍「全軍撤退だ!このままでは全滅する!」
ゾルタン大佐「将軍、でも私たちは女王軍に負けたくない!戦うべきではないでしょうか!」
イシュトヴァン将軍「馬鹿な!ここで死んでも何も得られん!後退するんだ!」
(帝国軍はエリクの魔法に驚愕し、敗北を認めて撤退する。)

エリク「無事に帝国軍を撃退できましたね。」
女王「ありがとうエリク。あなたの魔法がなければ、きっと敵の攻撃を耐えられなかったでしょう。」
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