『シルフィード王国物語』〜 神聖法師イヴと女王シルフィア 〜

アンドラス帝国伝

ゼノス・ブラッドローズ

ゼノス・ブラッドローズの容姿は、まるで黒鉄の騎士のように堂々としています。彼の身に纏った鎧は、シンプルながらにも驚くべき強度を持っており、その存在感はまるで岩山のように圧倒的です。彼が黒い馬に跨っている姿は、まるで夜空に浮かぶ黒い星のように美しく、凛々しさを感じさせます。

そして、腰に差した剣は、まるで鋭利な月光を集めたような輝きを放っています。その剣は、敵を一瞬で粉砕するほどの切れ味を持ち、ゼノスの身を守るために鍛えられた武器の中でも最高峰のものと言えます。

ゼノスは、幼少期に親を失い、暴力団に身を落とすことを余儀なくされました。そこで剣技を磨き、暴力団の仕事をこなし、生き残ってきました。しかし、ある事件をきっかけに暴力団を裏切り、自由気ままな傭兵となりました。

ゼノスは戦争が起こると、傭兵として参加し、膨大な成功報酬を要求します。そのため、一度も敗北したことがなく、無双の戦士として知られています。シルフィード王国とクリスタル王国が戦争をした際には、クリスタル王国側につき、シルフィード王国の聖騎士団団長のクレイ・アルディアスを一騎打ちで討ち取るなど、その勇猛な戦いぶりで勇名を馳せました。

【黒霧の断罪（こくむのだんざい）】
ゼノス・ブラッドローズの必殺技、黒霧の断罪は、彼の凄まじい剣技の中でも最も恐れられている技です。この技は、ゼノスが剣を振るうことで、周囲を黒い霧で覆い尽くし、相手を追い詰めます。

相手はこの黒霧の中で視界を奪われ、動きを制限されるため、ゼノスが自在に攻撃を仕掛けることができます。この技を受けた相手は、まるで暗黒の世界に閉じ込められたかのように、絶望に包まれるでしょう。

しかも、この技には更に恐ろしい効果があります。ゼノスが黒霧の中で相手を切り裂く際、剣に込めた激しい魔力が相手の身体に直接浸透します。そのため、相手は一瞬にして肉体だけでなく、精神までもが蝕まれ、痛みに悶え苦しむことになるでしょう。

黒霧の断罪は、その凄惨な効果から、ゼノスの強大な力を象徴する必殺技として、多くの人々に恐れられています。

黒霧の断罪、その名は恐ろしいほどに有名であり、その深さは闇そのものとも言われています。しかし、その深さゆえに、誰もがその真の力を見た者はいません。そのため、聖騎士クレイ・アルディアスも、いかにしてゼノスによって倒されたのかを知る者はおらず、ただその黒霧に包まれた彼の姿を見て、その力を垣間見た者たちは、口々に恐れを口にしています。

「まるで深淵そのものだ...」「あれこそが、死の香りだ...」という声が聞こえますが、真相は闇に葬られたままです。しかし、一つだけ言えるのは、ゼノス・ブラッドローズの黒霧の断罪は、誰もが恐れるべき絶大な力を秘めているということです。