その学園にご用心

マグロ

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第五章

9 頼サイド

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今日は朝からダルかった。
何もしたくないし何も考えたくない。

あぁー、学校休めばよかったかなー。
授業受ける気もしねーし裏庭のベンチんとこで寝よっかなー。

そう考えて裏庭のベンチへ行き、寝ていた時、校舎の方がザワザワとうるさい事で目が覚めた。
普段、裏庭の方の校舎は移動教室がない限り人はいないはず。

ベンチから起き上がり校舎の方を見ればゾロゾロと結構な人数が歩いていた。

ん?今日は何かあったっけ?
そう思って起き上がり校舎の方へ近付き、窓側から顔を出し近くにいた2人組に声をかけた。

「ねぇ、何で今日こんなにここの校舎、人多いの?」

振り返った2人組は一瞬驚いた顔をしたがすぐに顔を赤く染めながら話しだした。

「キャッ!山野井様!」

「あの、えっと今日は秋学の生徒会の方が2人お越しになってて二階堂様が校内を案内してるんです。それで今、この校舎を案内しているみたいでひと目見たくて着いて来たんです」

「あぁ、何か会長がそんな事言ってたような…。今日だったんだ。それで?見れたの?」

「はい!少ししか見れませんでしたがとてもお美しい方とヤンチャそうな美形の方が二階堂様といらっしゃいました」

「背の高い方ももちろん美形でしたが真ん中の方は格が違うと言うかとてもキラキラしていて天使のような方でしたよ」

思い出したのかキャーっと2人で盛り上がっていた。

ふーん。格が違う…ね。
少し俺も見てみたいかも。
自分も周りからキャーキャー言われる方で自分の近くにも美形しかいないから目は肥えてる方だと思うけど違う学園の奴が来てそこまで騒がれる程ならそれわそれで気になるな。

俺も見に行ってみようか。
そう思って窓側から校舎に入った。
しばらく歩いていると向こう側から天音が走って来た。

「頼ー!!聞いてよ!!二階堂が今日、秋学の生徒会の人を校内案内してんだけどさ、今日来た秋学の2人がめちゃくちゃレベル高いらしい!!しかもその内の1人がキラキラ光ってて天使らしいよ!!二階堂と美形の間に天使が手を繋いで歩いてたらしいんだけどそれはもう美しいんだって!ちょー見たい!!一緒に食堂行こう!そこだったら確実に来るだろうし話せる!」

とマシンガントークを繰り広げ、クルッと方向転換し行ってしまった。

一緒に行こうって言いながら先に行ってんじゃん。
と思いながら確かに食堂だったら探すよりは確実かと思って俺も食堂に向かった。
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