僕は伝説の神獣らしい

マグロ

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第一章

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僕が眠っていると誰かが僕の頭を撫でる感触がした。
とっても気持ちいい…。

その手に擦り寄ると一瞬だけ撫でる手が止まったが、また撫ではじめてくれた。

目を薄っすらと開けるとカインの綺麗なブルーの瞳と目が合った。

「カインお帰りなさい」

寝起きでボーッとする頭でフニャッと笑って言った。

「あぁ…ただいま」

カインはそう言って体を窪め、寝ている僕のこめかみ辺りにチュッとキスをしてきた。

それで目が覚め、目をパチパチさせて起き上がる。
そして僕もお返しにカインの頬にチュッと返した。

この挨拶は初めてここに泊まった時の朝に教わった。
朝、起きると僕が抱き着いた形で寝ていたのにカインが僕を抱き締めて寝ていた。

まつ毛長いなー。とか鼻高いなー。とか思いながらジッと観察しているとカインがゆっくり目を開けた。

そして目が合うとフッと笑って、おはよう。と言いながらこめかみ辺りにチュッとして来たのだ。

それ何?と聞くとおはようの挨拶だと返された。
だから僕もお返しに目の前にあった頬にチュッとした。

それから起きた時は毎回している。

ちなみに契約している人以外したらダメなんだって。
だから僕がお昼寝してる時、たまにレオンもいるんだけど起きたらカインとしかしなかった。

何かビックリした顔してその後カインをジーッと見てたけどカインは普段通りだったから気にしないことにした。

「ルル、この部屋に第二騎士団長が来たんじゃないか?」

「あ!そうだった!ごめんなさい!ノックされた時、声を出しちゃってカインって勘違いしたみたいで入って来ちゃったの」

ショボーンと下を向くと頭をポンポンされた。

「それなら仕方ない。これからは気をつけろよ」

カインはそう言って笑いながら覗き込んできた。
僕は、はい!と返事をしジークに言われた事を聞いてみた。

「そう言えばジークがまたここに来たいって言ってた。何の神獣かは教えなかったよ!だからまたお話してもいい?」

「…あぁ。ルルが良いなら俺は構わないがあまり俺がいない時は会わないでほしい。ルルは俺の大切な契約獣だ。何かあったら困る」

「分かった!でもジークってカインに雰囲気が似てたから少し安心しちゃった」

「おい。そこは俺だけに安心してくれ」

はーい。と返事をすればカインが真剣な顔になった。
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