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最低なコト
しおりを挟む「んで?呼び出してきて、なに。お前から連絡なんて珍しいけどさ。達也、いいって言ってんの?俺を家に上げてさ」
「んー……言ってない、かな?」
この前出したコーヒーを淹れて出す。前は飲まずに残していたけれど、今日は口をつけていた。
「美味しいな、これ」
「達也が好きなんだ」
「……お前な」
ふうっとため息をついた響也が、で? と聞いてくる。
「達也に内緒で上げてまで、俺に何の用?」
「うん。今からすごい最低なコト言うんだけど、いい?」
「はぁ?」
「おばさんにバレちゃいそうなんだよね、達也と付き合ってること」
「は…?」
「悪いんだけどさ。もしなんか言われたら、俺、響也と付き合ってることにしてくんない?」
「……意味が分からない」
「達也と付き合ってたらさ、ソレ、不倫だろ。不倫が悪いことってのは、どんな理由があったって変わらないし」
「それで?俺を使うって?」
「まぁ、そういうこと」
「……勘弁してくれよ……」
言うが早いか、煌をベッドの上へと押し倒してくる。
「…俺の気持ち知ってて、それ言う?」
「言っちゃう」
てへぺろでもしておけばまだ茶化せたかな。
「……最低だな」
「知ってるよ。だから言ったじゃん?最初に」
「達也に言ってないんだろ。それこそ達也、キレるぞ」
「そうかもね。でも、そうでもしないと仕方ないじゃん」
「ーー条件がある」
「お前、条件好きだね。…なに?」
「お前が達也と離れていた間、俺と関係があったことをちゃんと言え」
「…は?」
「それが条件」
「……言う必要ねぇだろ」
「俺の気持ち知ってるなら俺が考えてること分かるだろ。お前らが別れればいいと思ってる」
堂々と言い切る響也に呆れてしまう。
「何で今更」
「これも何回も言った。お前に告白されて嬉しかったのに、達也を好きになったとか言われて。…お前の頭に恋愛なんてないと思ったから諦めてたけど、ちゃんと恋愛できて男もオッケーっていうなら俺は遠慮しないって」
「そんなのお前の勝手な都合だろ」
「横恋慕に勝手もクソもあるか?」
「……俺には無理」
「じゃあ諦めろ」
「…他になにかないわけ?」
「他?……お前が今この場で、俺に抱かれてくれるならいいぞ」
「それこそもっとダメなやつだろ」
「達也の帰り遅いんだろ。…バレねぇよ、痕も残さねぇ」
ズシッと乗っかってくる響也は多分本気だろう。
「俺に達也を裏切れって言ってるわけ」
あまりにも頭がいっぱい過ぎて、気付かなかった。玄関の扉が開いたことに。
「一度ならいいだろ?…達也と離れてる間に達也の代わりになってやったのは誰だよ?前にもヤってんだから、一度くらいいいだろ。な?」
「…やだってば」
「じゃあもっと抵抗しろ、よー…………」
響也が言葉を失った。それもその筈だ。
「……おいおい、何の真似だ?達也ぁ」
「兄さんこそどういうつもりですか?…今すぐどけ」
響也の首に刃物が当たっている。キッチンに置いていた包丁だ。
「ちょ…達也、やめろって!」
慌てて煌が割って入る。
「…なんで兄さんを入れてんの?」
鋭い視線は煌へ向いてしまった。
「ったく、兄に刃物向けるなんて」
「刺されたくなかったら出ていけ」
「はいはい…」
声音が余りにも本気のようだったので、響也はため息をついて帰って行った。
(…あいつ!!!)
この状況、俺にどうしろって言うんだよ!
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