転生した悪役令息は破滅エンドをなかなか回避できない

ハバーシャム

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1年生

食堂

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 食堂は、赤いカーペットの上に茶色のテーブルと椅子がいくつも置かれていて、天井に大きなシャンデリアのついた豪華絢爛たる空間だった。吹き抜けの2階部分にもテーブルが置いてあり、ベランダもある。

 僕は目を輝かせて食堂を見渡した。すると、見知った顔が目に入った。エチカとグランだ。エチカは僕に気づくと、「おーい!」と手を振り、グランと一緒にこちらに来た。

「マリス! それにリュゼも! 君たち同室だったんだね」
「エチカ久しぶり。マリスと知り合いだったんだね~」
「うん。ガイダンスの時に知り合ったんだ」

 エチカとリュゼは幼馴染である。孤児だったエチカを育ててくれたのは教会の孤児院で、神子の力が目覚めた後は司教であるリュゼの父親がエチカの養父となったのだ。

「あ、トイレでマリスとイチャついてた人じゃん」

 リュゼがグランを見てにやけ顔をした。

「え、イチャついてたの?」

 エチカが怪訝な顔で僕とグランを交互に見る。

「違うよ、グランが僕の頬をつねってきただけ!」
「それはマリスが」
「あー、言っちゃ駄目! あはは、気にしないで。グランとは入学式の席が隣だったんだ」

 自分の顔に見惚れていたなんてバラされたら僕は明日から不登校だ。僕はグランを睨め付け、これ以上言うなという圧もかけておいた。

 僕たちは4人で夕食をとることにした。テーブルに着き、メニューを選んでウェイターに注文をする。料理はすぐに運ばれてきた。マナーが少し不安だったが、体が覚えているようで大丈夫だった。

「そういえばエチカ、グランと一緒にいるってことはグランと同室なの?」
「うん。そうだよ」

 僕は手にもっていたフォークを落としそうになったが、寸でのところで手に力を入れ平静を装った。ゲームでは、エチカだけ1人部屋だったはずだ。

 部屋の画面では1日に3つのスキルを上げることができる。攻略キャラによって必要なスキルのパラメーターが違うのだった。

(早速ゲームの展開と違う! どういうことなんだ……でも、グランはゲームには出てこないキャラだし……もしかして、ゲームでは描写されていないだけとか?)

「おい、マリス?」

 うーんと唸っていると、グランたちが心配そうにこちらを覗いた。いつの間にか食事の手が止まっていたみたいで、僕以外のみんなは既に食べ終わっていたようだ。僕は慌てて食事を口に運んだ。

 食事を終え、僕たち4人は部屋へと向かっていた。別れる間際、エチカが僕の耳元で、「2人で話したいから、1時間後にテラスに来て」と囁いた。

 エチカは僕に微笑むと、グランと共に自室へ戻って行った。

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