宇宙にいけたら

川西のぞみ

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りゅうとれん

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放課後、部活の帰り道。
バッタリとあいつに会ってしまった。

最近部活に来てないな、とか、クラスには馴染めたか、とか、色々思い浮かんだが、すべて声に出ずそのまますれ違ってしまった。

ほんとはこんな関係、もうやめたい。




「りゅうとれんってさ、仲いいのか悪いのかわかんないよね」


ついに言われてしまった。
それはれんが最近気にしていたことだった。
この親友、りょーたは今年から第一中学校にきた転校生だ。れんと同じクラスになり、すぐに気があってそれ以来ずっと一緒にいる。


授業が終わるとどちらかが話しかけに行く。
移動教室も必ず一緒。
部活中も帰るときも登校するときも一緒。
周りからゲイ疑惑が持ち上がるほどだった。


でも、れんにはりょーたが来る前にもずっと一緒にいる人がいた。

それがりゅうだ。
小学校のときはいつもりゅうと一緒にいたが、中学になりクラスもバラバラで、りょーたと仲良くなったのもあいまってめっきり話さなくなってしまった。


それからなんとなく気まずいのだ。悪循環している。
なんとかしたいとは思っているのだが、解決策なんて思い浮かばない。
それに、りょーたのことも大事だから1歩踏み出せずにいる。


「なんとかしたいならさー。あそこに相談してみたら?」

「あそこ?」

「ほらー、なんとか解決部みたいな。」


そういえばそんな部あったな、と今更思い出す。
なんでも、こないだ陸上部の牛沢が入ってようやく部として認められた極小の部なのだ。
少し頼りない気もしたが、早速助けられたという話も聞くし、プライベートでこんなこと話しにくいし、それだったらいっそ業務的な感じで聞いてもらうのもありかと思った。


「時間あるときに行ってみるよ」


ずっとこのままで二年生になるのもいい気がしないから、相談してみることにした。
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