異世界で歌姫やってます

宇治 ほたる

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歩み始める前の話

2話

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  「リト、ライラ誕生日おめでとう!」
大きな声が館のとある部屋に響き渡る。そう、ここは館なのだ。何で館の一室で、私とリトの誕生日が祝われているのかと言うと、ここが私たちの家だからだ。そして、今日は私達の誕生日だ。だから机の上に大量のケーキやご飯が置いてある。幸いにも、前世の記憶を取り戻す前の私と、今の私は余り性格が変わらないので、これからは素で大丈夫そうだ。
  「この大量のご飯何?」
  「何って・・・何が?」
本当に質問の意味がわかっていないようで、首を傾げて母親・ミリルナに質問を返された。私とリトはお母さん似だ。因みに父親の名前はアーサーだ。有名な作品に出てくる名前だか敢えて触れないでおこう。その父親は今さっき仕事を済ませに行ったらしい。さっき部屋に来たのはそのせいか。
  「質問変える。何でこんなに大量にあるの?」
  「今年から貴方達が王都に行って魔法学校に通うことになるから、暫く一緒に誕生日を祝えないのよ。だから、今年はうんと豪華な誕生日にしようって話になったからに決まってるじゃない」
  「魔法学校?私達って事はリトも?」
  「えぇ」
私は固まった。記憶取り戻してすぐに家から出るって・・・。だが、すぐに復活した。ん?暫く誕生日を祝えない...寮か向こうに暮らすっていうことですか?作戦会議しやすくなる!何でもありの神様のおかげか?取り敢えず聞いてみよ。
  「お母さん」
  「何?」
  「暫く祝えないって向こうに暮らすことになるってこと?」
  「えぇ、悲しいけどそうなるわね」
  (よっしゃ~うるさいのと離れる!)
もちろんうるさいの、とはお父さんのことだ。父親に対してうるさいの、とは失礼だと思うが実際にうるさいのだから仕方ない。だがもう二つ質問がある。
  「暫くってどれくらいなの?」
  「うーん・・・そうね、だいたい十年ぐらいかな」
思ったより長かった。五、六年ぐらいかと思ったんだけどな。帰ってくるときは二十才あたりか.....。
  「あと、何で魔法学校に通う事になったの?」
  「それは私達がエルフで、エルフは元々魔力が多いからその族長となると差はあるけど、大人の人間の五人から十人ぐらいの魔力を持っているのよ。だから貴方達は特別枠として魔法学校に通う事になったの」
そういうことか。というか個人差すごいな。それより私は自分が族長の娘っていうことに結構驚いてるは。エルフっていうことは別にいいけど族長の娘って。
  「それって拒否権は?」
おー、勇気ある発言を言ったな、リトよ。多分神様の時と一緒で、拒否権ないと思うよ、私は。
  「ないわよ」
ほらやっぱり、なんか最近強制的なこと多すぎて慣れてきちゃたわ、そろそろやばいな。
  「学校っていつから?」
今度は私が聞く。
  「二週間後よ」
この世界は十二ヶ月あり、日にちは一日から三十日まで週は五日一日の長さは二十四時間、つまり日本とほとんど同じだから、覚えやすいんだよね。二週間後って事は十日後か。
  「ずいぶん早いね」
  「まぁ確かに急だと思うけど...エルフ特有の転移魔法を使えばすぐだから、一日前に行けば良いかな、と私は思ってるわよ。寮などの準備はもう出来てるみたいだし」
あ、転移魔法の事忘れてた。まぁでも、転移魔法ならすぐ着くし余り急じゃないのかも?
  「魔法学校の話はもういいかしら?」
  「うん」
  「じゃあご飯食べましょう。せっかく作ったのに冷めちゃうわ」
料理の事も忘れてたわ。ちょっとやばいかも。記憶力上げたいな、後でリトと頑張って練習しよ。
  「いただきます」
この異世界も挨拶は一緒なんだよね。神様のおかげかな?そういえば神様の名前聞いてないな。今度会う機会あったら聞いとかないと。食べながら私は思った。そういえばリトがさっきから静かだな、どうしたんだろ?覗いてみたら強制だったのが堪えたらしく、しょんぼりしていた。まぁこれから慣れていけば大丈夫だよ。私はもう慣れたけどね、アハハ。よし、これから頑張ろ。私はそう思い、これからの事を考えていたのだった。遠くから自分の事を見ている誰かが居るのに気付かずに.......。
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