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貸し部屋に入居
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軽く、ココロさんから入居の手続きと入居の説明を済ませ、入居金、銀貨二枚を払う。
「ココロさん。他に部屋を借りている人はいますか?」
「いいえ。今のところシェナちゃんだけよ」
「そうなんですか」
「ほら、ここって、街から離れているし林の近くだからあまり人が来なくって。若い子は殆ど街の借り部屋か借家を借りるから」
ココロさんが少し困ったように笑っている。
確かに、シェナはそう思った。
街の借り部屋や借家ならギルドにも市場にも近いし、物資が手に入りやすい。
それに林や森の近くは魔獣や魔蟲に遭遇しやすい。
まぁ、その土地の管理にもよるけど。
「ごめんなさいね」
「え?」
自分が入居する部屋に向かう途中でココロがもう一度シェナに謝る。
「さっきの夫の態度。あの人、人見知りが激しくて、よく誤解されるの」
「人見知り?ですか?」
「あの外見で人見知りだなんて、おかしいでしょ?」
「はい。威圧感がありました」
ハッキリ言うシェナにおかしそうに笑うココロ。
「ねぇ、ただでさえ体が大きくて無表情だから余計におっかなく見えるけど、本当は口下手で人見知りやさんなの。可愛いでしょ?」
「はぁ・・・?」
コロコロ笑いながら何故か惚気るココロさん。
「特に子供好きなんだけど、見た目が威圧感あるからよく小さい子に怖がられる事が多くってね」
「お子さんにも怖がられたことがあるんですか?」
何気なしに聞いてみると、ココロさんは少し悲しそうな顔をした。
「・・・・私たちに子供は居ないの。私が子供を産めない身体だから」
「っ、すみません」
自分の失言に、すぐに謝罪するシェナ。
「謝らないで。自分で言った事だから」
優しく笑うココロ。
「すみません」
「だから、謝らないで。それに、シェナちゃんみたいな可愛い女の子が来てくれて、嬉しいのよ」
娘が出来たみたいで、と嬉しそうに笑うココロさん。
嬉しいけどちょっと反応に困るシェナだった。
「シェナちゃん、ここがシェナちゃんの部屋よ」
いつの間か自分が入居する部屋の前に着いていた。
二階の角部屋。
ココロが部屋のドアを開けると大きな窓から月明かりが部屋を照らしている。
ココロに促されて部屋に入り、ココロが部屋の明かりをつける。
決して広い部屋ではない。
だが、綺麗に掃除されており、壁際にシンプルなベッドとサイドテーブル。
窓には藍色のカーテンが右側に寄せてある。
左側にもう一つドアがあり、そこはトイレや洗面台、シャワーが使える部屋になっていた。
シンプルな部屋ではあるが、一人暮らしには充分な部屋だ。
前にいたパーティーでは納屋みたいな所で寝泊まりしていたから余計にありがたく感じる。
「少し狭いけど、気に入ってくれたかな?」
「はい、充分過ぎるくらいです。ありがとうございます」
「よかったわ、気に入ってくれて。じゃあ、はい、コレが部屋の鍵」
ココロさんが銀色の鍵を私に手渡す。
「さあ、もう遅いからシェナちゃんも早く休みなさい。シャワーはもうすぐに使えるからね」
「はい、何から何までありがとうございます」
「いえいえ。ただのおばあさんの世話焼きだから気にしないで。それじゃ、シェナちゃん。お休みなさい」
「はい。ありがとうございます」
優しく笑い、部屋を退室するココロ。
シェナはココロを見送って、きちんとベッドメイキングされたベッドに倒れ込む。
「・・・・・・・色々ありすぎて、疲れた」
日向の匂いがするベッドの上でポツリとこぼすシェナだった。
「ココロさん。他に部屋を借りている人はいますか?」
「いいえ。今のところシェナちゃんだけよ」
「そうなんですか」
「ほら、ここって、街から離れているし林の近くだからあまり人が来なくって。若い子は殆ど街の借り部屋か借家を借りるから」
ココロさんが少し困ったように笑っている。
確かに、シェナはそう思った。
街の借り部屋や借家ならギルドにも市場にも近いし、物資が手に入りやすい。
それに林や森の近くは魔獣や魔蟲に遭遇しやすい。
まぁ、その土地の管理にもよるけど。
「ごめんなさいね」
「え?」
自分が入居する部屋に向かう途中でココロがもう一度シェナに謝る。
「さっきの夫の態度。あの人、人見知りが激しくて、よく誤解されるの」
「人見知り?ですか?」
「あの外見で人見知りだなんて、おかしいでしょ?」
「はい。威圧感がありました」
ハッキリ言うシェナにおかしそうに笑うココロ。
「ねぇ、ただでさえ体が大きくて無表情だから余計におっかなく見えるけど、本当は口下手で人見知りやさんなの。可愛いでしょ?」
「はぁ・・・?」
コロコロ笑いながら何故か惚気るココロさん。
「特に子供好きなんだけど、見た目が威圧感あるからよく小さい子に怖がられる事が多くってね」
「お子さんにも怖がられたことがあるんですか?」
何気なしに聞いてみると、ココロさんは少し悲しそうな顔をした。
「・・・・私たちに子供は居ないの。私が子供を産めない身体だから」
「っ、すみません」
自分の失言に、すぐに謝罪するシェナ。
「謝らないで。自分で言った事だから」
優しく笑うココロ。
「すみません」
「だから、謝らないで。それに、シェナちゃんみたいな可愛い女の子が来てくれて、嬉しいのよ」
娘が出来たみたいで、と嬉しそうに笑うココロさん。
嬉しいけどちょっと反応に困るシェナだった。
「シェナちゃん、ここがシェナちゃんの部屋よ」
いつの間か自分が入居する部屋の前に着いていた。
二階の角部屋。
ココロが部屋のドアを開けると大きな窓から月明かりが部屋を照らしている。
ココロに促されて部屋に入り、ココロが部屋の明かりをつける。
決して広い部屋ではない。
だが、綺麗に掃除されており、壁際にシンプルなベッドとサイドテーブル。
窓には藍色のカーテンが右側に寄せてある。
左側にもう一つドアがあり、そこはトイレや洗面台、シャワーが使える部屋になっていた。
シンプルな部屋ではあるが、一人暮らしには充分な部屋だ。
前にいたパーティーでは納屋みたいな所で寝泊まりしていたから余計にありがたく感じる。
「少し狭いけど、気に入ってくれたかな?」
「はい、充分過ぎるくらいです。ありがとうございます」
「よかったわ、気に入ってくれて。じゃあ、はい、コレが部屋の鍵」
ココロさんが銀色の鍵を私に手渡す。
「さあ、もう遅いからシェナちゃんも早く休みなさい。シャワーはもうすぐに使えるからね」
「はい、何から何までありがとうございます」
「いえいえ。ただのおばあさんの世話焼きだから気にしないで。それじゃ、シェナちゃん。お休みなさい」
「はい。ありがとうございます」
優しく笑い、部屋を退室するココロ。
シェナはココロを見送って、きちんとベッドメイキングされたベッドに倒れ込む。
「・・・・・・・色々ありすぎて、疲れた」
日向の匂いがするベッドの上でポツリとこぼすシェナだった。
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