クリアレイン

白米かため

文字の大きさ
上 下
6 / 12

③-3※

しおりを挟む

夕暮れの部室で後ろから元山を突き上げていたらもうダメ、と体がベンチへ落ちた。

『なんだよ、んっ、イっちゃった?』
『あっ、んっ、ちょ、ダメぇっ』
『俺まだイってない、んっ』

ベンチに敷いていたタオルにはべったりと白い液体が飛び散っている。

『颯ぇ、んっ、こっち』
『ひゃあっ、あっ、らめぇっ』

脇から手を差し込み抱きかかえるとあそこだけで体重を支え膝に乗せた。
胸を撫で回し先端を両手でキュウッと摘むと、元山の背中が反ってサラサラの髪が頬に当たる。
ゆさゆさと下から突き上げ摘む指を左右に揺さぶると元山が頭を振り出した。

『らめ、らめぇ、んっ、やっ、んぅ、奥、熱いの、あっあっあっ…!』
『あぁっ、ちょっ、颯締めすぎっ、イくって』
『あっあはぁっ、はひぃっ、あ、ひぃっ…!』
『んんっ、颯ぇ…っ』

元山の体がガクガクと震えて絞り取られそうなくらい締めつけられる、もう我慢できず中に出してしまうとまだ震えている体を抱きしめた。

『ハアッ、ハア、良かった? 颯』
『あ…あ、ぁ…ひぃ…』

元山のそこを肩から見下ろすとピュクッピュクッと少しずつ液体が飛んでいる。

『可愛いー、颯ぇ』
『ひゃああっ…』

握り上下に擦り上げるとまた元山の太ももがガクガクと震え、その手を掴まれた。

『もっ、もぉっ、らめぇ、ひぃんっ、しょこ、らめ、やっ、やぁっ』
『またイきそう? スケベだなぁ、颯』
『ちがっ、ちがぁっ、止まんなっ、あっ、やだあッ』

ビクンッと腰を突き出しそこからまた液体が放たれる。勢いはなくゆったりと流れ伝うそれを手でクチョクチョと鳴らしていたら元山に止められた。

『らめぇ…っ、もぉ、出ないよぉ、あ、んぅ、んん…』
『えー、もっ回、な? 颯、もっ回だけー』
『むりだってばぁ…ん、あ、ん、やだあ…』
『ゴムまだあるだろ? 2回しかしてねぇじゃん』
『やだ、ってば…ぁ』
『俺もう勃ったもん、ちょっと待って、ゴム新しいの付ける』

元山をベンチに寝かせゆっくり引き抜くとお尻が震える、なんだよやっぱり元山もしたいんじゃんと、ゴムを外していたら振り向いて睨まれてしまった。

『も、しないってば…!』
『嘘つけ、こっちは欲しいって言ってんじゃん』
『あっ、んっ、もおっ、バカっ』

指を挿れたら手首を掴まれてまた睨まれる。

『すぐゴム付けるから待てって~』
『しないってば! もうっ、僕服着るっ』
『颯ぇ? いいじゃん、もう1回だけだって、なあ、いいじゃん~』

お尻を撫で上げる手を叩(はた)かれる、さすがにムッとして乳首を摘み上げるとその手も叩かれた。

『しないって言ってるのにぃ…!』
『しょうがねぇなあ…じゃあ、明日は土曜日だからお泊まりしよっ?』
『あ、明日は、用事ある…』
『は?なんの?』

いそいそと服を着ながら元山が目を左右させる、その顔はなんだかイタズラが見つかってしまった子供のようだ。

『出かけるから、友達と…』
『宇野?』
『違う…』
『まさか、黒坂?』
『まさかって、なんだよ、友達なんだから別にいいだろ』
『デートかよ』
『違うってば、黒坂が靴買いたいから付き合って、って、それだけ』
『デートじゃん、え、チューとかしてないよな?』
『は、ハア!?するわけないだろ!今っ、田島とこんな、してたのにっ、何言ってんだよ!』
『おっぱい触らせてないよな? え、黒坂のちんこ触ったことある?』
『なに言ってんだよ、さっきからぁ~!なんだよっ、僕ってそんなに信用ないの!?』
『だって、颯スケベだし、黒坂イケメンだし…』
『す、スケベなの田島だろっ!もうっ、もういい!田島以外の男とチューしてえっちしてやる!バカっ!』
『え!?ダメっ!』
『うるさい!スケベ!デカちんこ!』
『え…デカちん、ありがとう』
『……バーーッカ!』

そう言い放つと元山はバッグを掴み部室を出て行った。

と思ったらすぐに戻ってきた。
なんだあ、やっぱり俺のこと好きなんじゃん?

『鍵、ちゃんと閉めて隆に渡しておいてよ?
ふんっ!』

今度こそバタンッとドアを閉められる。
いやいや、あんなシた後で歩けねーだろと思い後を追いかけるとやっぱり階段を1段1段ゆっくり降りている元山を見つけた。

鍵を閉めてその後ろ姿を追いかけると腰に手を回して顔を覗き込む。

『危ねぇだろ、一緒に帰ろ?』
『触るな、スケベバカ』
『ハア~、もう、ごめんってば』
『謝んなくていい、もう僕、他の男と浮気してやる』
『え…浮気ってことは、俺って本命?』
『うう、う、うるさいバカっ、エロ田島!』
『えへっ、えへへへっ、俺ってさあ、もしかして颯の彼氏?』
『違う、ヤダ、こんなエロデカちんこなんか彼氏にするもんか、彼氏にするなら黒坂みたいに優しいイケメンにする』
『そんなの…マジで凹む、黒坂と比べんなよ、あんな格好良くてファンクラブあるようなヤツ…』
『ふん、明日黒坂とチューしてやるから』
『ダメダメダメっ、絶対ダメっ、颯ぇ、許してってばあ~』

電車に乗って家に着いても元山は機嫌を直してくれない、そっと手を握っても振り払われてしまうし目線を合わせようとしてもそっぽを向いてしまう。

『家着いたから、もう、じゃあ、帰るね』
『え~…じゃ、じゃあ、バイバイのチューは?』
『今日はしないっ』
『そんなぁ~…』

無常にも玄関のドアは閉められ元山の姿は見えなくなった。
ガックリと項垂れ来た道を引き返す、大きな通りに出る時に1度振り向いた、もしかしたら元山が見てるかもしれないなんて、期待を込めて。

『あっ…』

2階の部屋、窓から元山が顔を出していた。
嬉しくなってブンブンと手を振るとカーテンを閉められてしまった。

な、なんだよぉ~!そんなに怒ることないじゃん!

《ごめんってば。謝るから浮気なんかしないで?》
《颯の事ほんっと~に可愛いって思ってるし!俺、颯以外とえっちな事してないよ?颯だけだから!》
《颯に嫌われたら生きていけないよ~!なんでもする!黒坂とデートしても何してもいいから!とりまLINE返して?お願い!》

家に着くまで何度もLINEを送るが返事が来ない、既読は付いているので見てはいるはずだ。

もどかしくなって電話をかけると意外にも3コールで繋がった。

『颯っ?なんでLINE返さないんだよぉ~!』
『あんなに連続で送られたら返すタイミングないでしょ、ハア』

さっきまで一緒に居たのになんだか懐かしいくらい久しぶりに話した気がする。

『なあ、なあ~、明日黒坂と出かけるんならさ、その後は?夜は家いるだろっ?』
『夜はぁー…黒坂ん家でご飯食べようって』
『えっ、えっ、な、なに、お泊まりするの…!?えっ!しないよな!?てか黒坂ん家ってどこ!?』
『泊まるかは分かんない、黒坂ん家はすぐ近くだよ、自転車で10分くらい』
『じゃ、じゃあ!飯食ったら帰るよな!?泊まったりなんかしないよな!?』
『うるさいな……関係ないでしょ、田島は僕とえっち出来ればいいんでしょっ、ふんっ!スケベバカ!』

そう言うと電話は切れてしまった。さすがにもう1度電話をする勇気はない。だけど元山が他の男とチューしたりあそこ触り合ったりしたらどうしようって考えちゃって、家に着いてもご飯食べてても上の空になってしまっていた。

ベッドに寝転ぶと枕を抱きしめゴロゴロと体を転がす、なんだかジッとしていられない。
こんな時、元山の写真でもあればなんとか気持ちの拠り所があるのにカメラロールには可愛いあの姿はひとつも無い。

あ、そうだ、今度ハメ撮りさせてもらおう。
えへへへへ、っとニヤついていたらインスタのストーリーが更新された。

ゲぇッ、黒坂のじゃん、ムカつくけれど元山のことが何か書いてあるかも、と期待してアイコンをタップした。

《明日楽しみだな~》

空の写真にそれだけの文章が載っている。
元山と買い物に行くことなのか、それとも違うことなのかわからないがとりあえず腹が立つ。

黒坂のインスタはフォロー数1000人を超えていて、ただの高校生では絶対に無い数にますます腹が立ってきた。

こんなにモテるんなら元山とデートなんかしなくてもいいだろ、年下の可愛い後輩でも年上の綺麗なお姉さんでも選びたい放題じゃん、俺の元山に遊び半分で手なんか出して欲しくない。


日が暮れて、そして昇った。
午前中は部活の練習だ、12:00で終わるのでいつもなら薮にご飯行こうと誘うが今日はそれどころではない。
いつ黒坂が元山を迎えに来るかとソワソワして落ち着かず、スッと準備室へ入っていった元山の後を追った。

『颯っ』
『うわっ、え!? な、なに、田島?』

ボールを入れるカゴを移動させていた元山に後ろから抱きついた、このまま連れ去って1日中体を貪ってしまいたい。

『この後黒坂と会うの!?ヤダっ!チューなんかしないよな!?俺だけだろっ?俺としかえっちしちゃダメって約束したじゃん!』
『や、やめてよっ、誰か来たらっ、見られたらどうすんだよっ!』
『ヤダヤダヤダヤダっ!誰ともチューしちゃヤダ!俺とだけってもっ回約束して!?』
『大っきい声出すなよ…っ!シィッ!』

目の前で指を唇に当て入り口の様子を伺っている、チュンと尖らせた唇が可愛くて今すぐチューをしたくなる。

『颯っ、颯えっ、ダメだってば、黒坂とチューすんの?俺ショックで死んじゃうよぉ~!』
『ほ、本気で言ったわけじゃないだろ!』
『ヤダヤダヤダヤダ~!なあっ、なあっ!俺以外のちんこ咥えた事ないよな!?ペロペロしてない!?してないよね!?』
『声!大っきいってば!』
『してない!?なあっ!ちんこペロペロしたことないよな!?おっぱいも触らせたりしてねぇよな!?颯!?』
『もぉっ…してないってばあ!』
『ほんとほんとほんと!? 俺だけ!?颯のおっぱいもちんこもお尻も俺だけ!?』
『そうだよ…っ!もぉっ、いいでしょっ!?離してよぉっ!』
『嬉しい…っ、颯とえっちすんの俺だけ!?なあ、俺だけ!?』
『んっ、もおっ!そうだよっ!田島だけとしかシたことないからっ!離してよぉ!』
『颯ぇっ』

ギュウギュウに抱きしめていたらお尻に衝撃が走った。

『イッてぇ!』
『コラっ、副キャプテンを虐めるでない!』

薮がカンチョーしたらしい、小学生みたいな事すんなよと呆れてしまう。

『虐めてねぇよぉ』
『コブラツイストかけてたろ』
『違うよバカっ』
『ありがと薮、田島にやられるとこだった』

スッと離れていく体が寂しい。先週の土日は部活が終わってからずっと一緒にいたのに、これから他の男とデートだなんて。
あと着いて行こうかな、あ、でも、それこそ嫌がるかも…
しおりを挟む

処理中です...