クリアレイン

白米かため

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ラスト

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クリアレイン⑦

次の日結局起きれなかった俺たちは学校をサボり、昼過ぎまで一緒に寝ていた。

お風呂掃除をしていなかったので父親にこっぴどく怒られたが、頭がボーっとしてただうんうんと頷く事しかできなった。


『んうぅ~…颯ぇ…』
『う、んぅ、田島ぁ…?』
『怒られちゃったよぉ、慰めてぇ…?』
『んぅ、よしよし…』

ベッドに寝そべる元山に擦り寄り胸元に頭を埋めると、半開きの目で俺の髪を撫で回してくれる。

『颯ぇ、もっとなでなでしてぇ』
『よしよし…ふぁ~あ』
『まだ眠いぃ…?』
『んぅぅ…起きるよぉ、ん、うん、起きるぅ…』

そう言ったのに元山はまた目を閉じてスウスウと静かに吐息を漏らしていた。

『颯ぇ、颯ってばあ』
『んぅ、ん、たじま、ん…』

可愛い…可愛すぎる。
困った眉毛も、汗ばんだ額も、裸のままなのも、全部全部愛おしくてたまらない。

『好き♡ ずっと、ずっと…俺と一緒にいよ?』
『んふ、ふふ……ぅんん~』

小指を絡め約束した。
もう一生離さないって。
これから何があっても側にいるって。

触れるだけのキスは淡い淡い、水色のようだった。


終わり

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