ヘタレαにつかまりまして

33 指輪

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｢三枝・・・ここまで笹部が謝るなんて、一体何をされたんだ？｣

｢へ、え、えーーーっと・・・｣


よほど言いにくい内容なのか。
三枝は言い淀む。
言い淀んだまま、泣きそうな顔をするから、よっぽど酷いことを言われたのか？
思わず、笹部を追求しようと睨み付ければ。


｢俺の言葉が足りなくて、三枝を傷付けたんだ｣


先に、顔を上げた笹部が謝罪。
三枝は、｢違う、違うって！俺が調子に乗ってたから・・・｣あくまで自分が悪いんだと庇う。
俺の経験上、笹部の方が間違いなく悪いと思うんだが・・・・

珍しく笹部が自分から謝っているのに、三枝はそれを否定する。
なかなか話が進まないな・・・一体何を笹部は言ったんだ？
三枝には記憶がないだろうが、笹部が頭よりすぐに身体が動く馬鹿なのは、ヤマの噛み跡に触ってきた一件で立証済みだ。

どうせ思い付くままに口にした言葉で、三枝を傷付けたんだろう。