ヘタレαにつかまりまして

三日月

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34 特殊

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笹部は三枝の手を払い除けず、しょんぼり肩を落とした姿に苦笑い。
賛同してほしいと、全身で訴えている。


「まぁ、番に関する考え方は色々あるからな。
俺は、これだけ気持ちを傾ける番を手にいれた菊川が羨ましいと思うぜ?」

「そっかぁ、良かった~
笹部君やったら、俺にかて優しいくらいやし。
羨ましいって思ってるんやったら、もっと優しくなるやんな!
笹部君の番になるんは、どんな子なんやろ。
俺、笹部君の番とも仲良うしたいわ」


三枝の無邪気さに、笹部もヤマも。
そして、俺も、だが。
曖昧にしか笑い返せない。
内心は、複雑だ。
多分、三枝が考えている以上に番の関係は厄介なものに変わってきている。

番を作らないαもいるし、笹部が果たして番を作るかどうかも本人にさえわからないんじゃないか?
昔と違って、番の解除に世間は厳しい。
根っから浮気性のαなら、金を払って発情Ωを相手に気晴らししている方が後々面倒にはならないしな。
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