ヘタレαにつかまりまして

三日月

文字の大きさ
58 / 1,039
4 予想外

19

しおりを挟む
コイツは、誰かと勘違いしてるとかじゃないのか?
これがこうなるまでだったなら、今まで歯牙にもかけなかったくせにと、長年の鬱積した気持ちが菊川にイヤミの1つも投げたいところなんだが。
番になった実感、理屈は分かっていても菊川に抱く感情への戸惑いがごちゃ混ぜで何かを言い返すことも出来ない。
必死に努力しても届かないαだと目の敵にしてきたあの菊川に、甘い声で可愛いと何度も告げられるとか⋯なんでこんなことになっているんだろう。

考えようと思っても、二人を囲む菊川のフェロモンが呼応するように「桜宮、可愛い」「俺の番は可愛い」と渦巻き身体に絡みついてくる。
フェロモンは嘘をつかない。
本当に⋯本当にコイツはこの俺を可愛いと認識してるのか?

ここには、飛鳥さんと契約上の番になるために来たんだ。
それなのに、こんな、そう、こんな裸で制服姿の菊川に背後から抱き締めれまだ繋がって⋯⋯⋯うわぁぁあ、もう、ダメだっ
キャパ越えで耐えられないっ

後孔を初めて貫いた、硬度を保ったままのペニスの存在ももちろん頭から離れてはくれないし、物理的にも無くならない。

いや、無くせば良いんだ!


「番が成立したなら、も、抜けよっ」


そうだっ
まずは、離れよう!
菊川から距離をとろう!
番が成立したせいで、相手のフェロモンに引きずられてしまっているんだ。
番になったΩは、三ヶ月に一度の発情期から開放される代わりに、相手が求めたときに発情フェロモンを放出してそれに応じるようになる。

菊川の牙が引っ込んでないと言うことは、俺を、も、求めていると言うことで。
額を打ち付けた痛みで、応じようとする感度は若干鈍くなっているようだがどうしたって綺麗に消えてはくれない。
番になっているんだからな。

ここは、うん、そうだな。
風呂場を借りて、一人でゆっくり整理しよう。
うん、そうしよう。

俺は落ち着きを取り戻していた。
と、思い込もうとしていた。
ドクドクと高鳴り出した鼓動も、ジワリと上がっていく体温も、ジクジク身体が疼きだしているのも、きっと勘違いだ。
菊川も俺の発情フェロモンで強制的にあんなことになってしまったが、多分というか確実に何度も受け止めて菊川は俺の中で果てているはず。
足を伝う生温い滴りがその証拠だ。
だから、そう、落ち着いているはずだ。

それなのに。


「え、無理」


あっさりと軽い口調で菊川は拒否。
スンスンと、汗まみれの頭を嗅がれてつい怒鳴りつけてしまった。


「バカ菊川、ふざけんなっ
何が、無理だっ
お前がこの手を離して、退けば良いだけだろっ」
しおりを挟む
感想 205

あなたにおすすめの小説

番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か

雪兎
BL
第二性が存在する世界。 Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。 しかし入学初日、彼の前に現れたのは―― 幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。 成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。 だが湊だけが知っている。 彼が異常なほど執着深いことを。 「大丈夫、全部管理してあげる」 「君が困らないようにしてるだけだよ」 座席、時間割、交友関係、体調管理。 いつの間にか整えられていく環境。 逃げ場のない距離。 番を拒みたいΩと、手放す気のないα。 これは保護か、それとも束縛か。 閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。

αが離してくれない

雪兎
BL
運命の番じゃないのに、αの彼は僕を離さない――。 Ωとして生まれた僕は、発情期を抑える薬を使いながら、普通の生活を目指していた。 でもある日、隣の席の無口なαが、僕の香りに気づいてしまって……。 これは、番じゃないふたりの、近すぎる距離で始まる、運命から少しはずれた恋の話。

【完結】幼馴染から離れたい。

June
BL
隣に立つのは運命の番なんだ。 βの谷口優希にはαである幼馴染の伊賀崎朔がいる。だが、ある日の出来事をきっかけに、幼馴染以上に大切な存在だったのだと気づいてしまう。 番外編 伊賀崎朔視点もあります。 (12月:改正版) 8/16番外編出しました!!!!! 読んでくださった読者の皆様、たくさんの❤️ありがとうございます😭 1/27 1000❤️ありがとうございます😭 3/6 2000❤️ありがとうございます😭 4/29 3000❤️ありがとうございます😭 8/13 4000❤️ありがとうございます😭 12/10 5000❤️ありがとうございます😭 わたし5は好きな数字です💕 お気に入り登録が500を超えているだと???!嬉しすぎますありがとうございます😭

塩対応の同室αが実は俺の番を狙っていた

雪兎
BL
あらすじ 全寮制の名門学園に入学したΩの俺は、入寮初日から最悪の同室相手に当たった。 相手は学年でも有名な優等生α。 成績優秀、運動もできる、顔もいい。なのに—— めちゃくちゃ塩対応。 挨拶しても「……ああ」。 話しかけても「別に」。 距離も近づけないし、なぜか妙に警戒されている気がする。 (俺、そんなに嫌われてる……?) 同室なのに会話は最低限。 むしろ避けられている気さえある。 けれどある日、発情期トラブルで倒れた俺を助けてくれたのは、 その塩対応αだった。 しかも普段とは違い、必死な顔で言われる。 「……他のαに近づくな」 「お前は俺の……」 そこで言葉を飲み込む彼。 それ以来、少しずつ態度が変わり始める。 距離は相変わらず近くない。 口数も少ない。 だけど―― 他のαが近づくと、さりげなく間に入る。 発情期が近いと察すると、さりげなく世話を焼く。 そして時々、独占欲を隠しきれない視線。 実は彼はずっと前から知っていた。 俺が、 自分の運命の番かもしれないΩだということを。 だからこそ距離を取っていた。 触れたら、もう止まれなくなるから。 だけど同室生活の中で、 少しずつ、確実に距離は変わっていく。 塩対応の裏に隠されていたのは―― 重すぎるほどの独占欲だった。

ヒートより厄介な恋をα後輩に教え込まれる

雪兎
BL
大学三年のΩ・篠宮湊は、何事も理屈で考えるタイプ。 ヒート管理も完璧で、恋愛とは距離を置いてきた。 「フェロモンに振り回されるのは非合理的」 そう思っていたのに――。 新学期、同じゼミに入ってきた後輩は、やたら距離の近いα・高瀬蒼。 人懐っこくて優秀、なのに湊にだけ妙に構ってくる。 「先輩って、恋したことないでしょ」 「……必要ないからな」 「じゃあ俺が教えますよ。ヒートより面倒なやつ」 余裕のあるα後輩と、恋に不慣れなΩ先輩。 からかわれているはずなのに、気づけば湊の心は少しずつ乱されていく。 これは、理屈ではどうにもならない “ヒートより厄介な恋”を教え込まれる物語。

貧乏Ωが御曹司αの将来のために逃げた話。

ミカン
BL
オメガバース

ネガティブなΩがスパダリαから逃げる

ミカン
BL
オメガバース

【完結】愛されたかった僕の人生

Kanade
BL
✯オメガバース 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。 今日も《夫》は帰らない。 《夫》には僕以外の『番』がいる。 ねぇ、どうしてなの? 一目惚れだって言ったじゃない。 愛してるって言ってくれたじゃないか。 ねぇ、僕はもう要らないの…? 独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ✻改稿版を他サイトにて投稿公開中です。

処理中です...