ヘタレαにつかまりまして

三日月

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9 特別棟

26

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カリカリカリ

ヤマは焦る気持ちを少しでも落ち着けたいのか、壁に何度も爪を立てる。
視線は一切俺に向かず、背中しか見せない。


「番になるのはお互い好きになってからって決めてたのに、結局カナの発情フェロモンに抵抗できなくて、あんな負担かけるようなことになって。
これでも、すごくすごく、反省してるんだ。
次こそはって、自制もしてて。
それなのに、それなのに、こんな場所でカナに手とか口とかって!
もう、絶対に、ダメーッ」


はぁ・・・反省、ね。

こちらはフェラをする覚悟を決めていただけに、肩透かし、だな。
迎え入れようとしているΩを前に、ぶれない恋愛脳がαの発情を押さえ込んだのか。
αの発情に合わせるのが、番のΩであるはずなのに・・・
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