ヘタレαにつかまりまして

三日月

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第9号 β通信

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は~い、ベッタベタのβ、三枝 渡15歳、学園祭ではバスケ部のハロウィン喫茶『不思議の国のアリス』でアリスをすることになったんやけど、準備号の反響があったとかで、前日先輩が去年の倍見込んでお菓子やコーヒー豆やジュースを購入。
売れ残ったらどうするんやろうとか、ほんまに反響あったんかなとか、気にしてしまう心配性やで。

廊下から中が見えへん場所が良いってことで、毎年科学部が展示に使ってる実験室を使えるように交渉。
入る前に、先輩が廊下の受付で食券形式でメニューから選んでもろてお金管理してな。
黒いカーテンをくぐって入ってきたお客さんを、俺ら一年生が引き継いで接客すんねん。

キッチン担当は先輩と、接客からあぶれた一年がするんやて。
来年するときに、一年が誰も知らんとあかんからって話やねんけど。
俺だけは常に接客に出ろって、部長命令されてしもた。

場所も変わったし、みんなわかるんやろか?
それに、なんで外から中が見えたらあかんのやろ?
朝着替えるときは、部員にしか見られへんし恥ずかしなかったし良かったんやけどな。

俺が着替え始めたとこに檜山先輩が来てくれて。
他の部員を追い出して、着替えるのと化粧を手伝ってくれはった。
生徒会ではおんなじβやし、檜山先輩はお菓子くれたり気をかけてくれてるえぇ先輩やねん。

一緒に写真撮って、後から入ってきた部員同士でも写真撮って。
なんや、今から学園祭始まるんやなぁって、テンション上がってたんや、けど。
先にトイレ済ませとこってトイレ行ったら、肩捕まれたり、追いかけられたり・・・東棟三階の生徒会室までダッシュで逃げた。
生徒会室には開始前にかなちゃんがおるんわかってたし、頼りになるもん。

それにしても、ほんま、テンション、だだ下がりやわ・・・

撮影されへんキスマークシールはつけたものの、かなちゃんと笹部君に挟まれるみたいに実験室に戻ったときに、並んでた生徒からは早速スマホ向けられたし。
笹部君が不許可やって言ってくれて、かなちゃんが入り口に『アリス撮影不可』って一筆書いてくれて。

もう、追いかけられたくないから一人でトイレも怖て行かれへん。
接客中もなんや手を握られたり、スカート捲られたり・・・俺に向けられる視線がおかしいっ

はよ、かなちゃん助っ人つれてきてくれへんかなぁ。
俺の接客時間、はよ終わらんかなぁ。
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