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18 巡回
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目を閉じて、深く息を吸い込みゆっくりと吐き出す。
今は、冷静になれ。
心の中で5カウント。
目を開き、視線をそらさないよう眉間に力を込めて、改行が続くスマホ画面の先を目で追いかける。
笹部が俺を注視しているのはわかっていたが、まずは現状把握が優先だった。
『現状:抵抗中』
現れた文字にホッと胸を撫で下ろせるのは一瞬だ。
Ωの発情フェロモンに、αが最後まで抗えないのは知っている。
俺とヤマが、そうだった。
番になると同意はあったが、ヤマはひたすら逃げて身体の関係を拒んで。
でも、Ωの発情フェロモンが発生してからはわずかな時間しか抵抗できなかった。
『場所:新聞部部室
施錠中、他への影響は無
Ω:柏原 千歳
誘発剤使用 故意
物証:録音データ
廊下にて待機 指示待ち』
柏原 千歳(かしわばら ちとせ)、クラスメートの新聞部だな。
"故意"の二文字に、腹の底がぐわっと一瞬で煮たった。
俺からヤマを、俺の番を、奪う気かっ
今は、冷静になれ。
心の中で5カウント。
目を開き、視線をそらさないよう眉間に力を込めて、改行が続くスマホ画面の先を目で追いかける。
笹部が俺を注視しているのはわかっていたが、まずは現状把握が優先だった。
『現状:抵抗中』
現れた文字にホッと胸を撫で下ろせるのは一瞬だ。
Ωの発情フェロモンに、αが最後まで抗えないのは知っている。
俺とヤマが、そうだった。
番になると同意はあったが、ヤマはひたすら逃げて身体の関係を拒んで。
でも、Ωの発情フェロモンが発生してからはわずかな時間しか抵抗できなかった。
『場所:新聞部部室
施錠中、他への影響は無
Ω:柏原 千歳
誘発剤使用 故意
物証:録音データ
廊下にて待機 指示待ち』
柏原 千歳(かしわばら ちとせ)、クラスメートの新聞部だな。
"故意"の二文字に、腹の底がぐわっと一瞬で煮たった。
俺からヤマを、俺の番を、奪う気かっ
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