ヘタレαにつかまりまして

18 巡回

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｢はっ、ふざけやがって｣


舌打ちし、ギリギリ歯を鳴らす笹部。
三枝は開いた口が塞がらない。
スマホを俺に返しながら、｢うわぁぁぁ、ど、どうしたらえぇんやろう｣と不安をそのまま漏らしていた。
βしか周りにいなければ、フェロモンレイプは情報で耳にする程度。
それがすぐ近くで、しかもヤマに起こってるなんて想像すら出来ないんだろう。


｢かなちゃんに余裕がないから、それがガセじゃないのはわかる。
最悪未遂で止められなければ、もう一回噛んでもらって相手は檻にぶちこんでやれば良い。
菊川相手にフェロモンレイプを噛ましてくる阿呆、今までいなかったのに｣


忌々しいと毒づく笹部には、捨て身のΩに対する侮蔑が混じる。
情報源については暗につつかないと示され、笹部なりに俺を信用しているんだなと場違いだが驚いた。

だが・・・幼馴染みの癖に、未だにヤマの本質を理解してないようだな。