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21 カナ side 倭人
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「バカ・・・」
え、なに、可愛すぎるんだけどっ
怒ってる固さを含んでるのに、拗ねている子どもが甘えてるみたいだ。
小さく耳元で囁かれた「バカ」は、くすぐったくって自然ににやけてしまう破壊力。
何度でも言われたくなる「バカ」は初めて。
顔が見たい。
でも、離れたくない。
桜宮からの抱擁に、その背に腕を回していいのかも迷って動けない。
本当に、今の俺でいいの?
固まったままの俺にしびれを切らしたのか、桜宮は一旦体を離して。
離れていく桜宮を追いかけたいのが、顔に出ていたんだと思う。
俺の顔を見て、桜宮は苦笑した。
「記憶を無くした倭人さんが、発情フェロモンを出せない俺にその気になるなんて・・・どれだけ嬉しいと思ってるんだっ」
さっきまで優しく首に回されていた手が、俺の髪をクシャクシャにかき混ぜる。
頭を触られてるのに、嫌な気が全くしない。
家族でも、こんなに乱暴に触られたら腹が立つはずなのに。
泣き笑いみたいな顔をしていた桜宮は、最後に両耳の側を撫で付けるように指を動かして。
ずっとされるがままだった俺の唇を、優しく奪った。
え、なに、可愛すぎるんだけどっ
怒ってる固さを含んでるのに、拗ねている子どもが甘えてるみたいだ。
小さく耳元で囁かれた「バカ」は、くすぐったくって自然ににやけてしまう破壊力。
何度でも言われたくなる「バカ」は初めて。
顔が見たい。
でも、離れたくない。
桜宮からの抱擁に、その背に腕を回していいのかも迷って動けない。
本当に、今の俺でいいの?
固まったままの俺にしびれを切らしたのか、桜宮は一旦体を離して。
離れていく桜宮を追いかけたいのが、顔に出ていたんだと思う。
俺の顔を見て、桜宮は苦笑した。
「記憶を無くした倭人さんが、発情フェロモンを出せない俺にその気になるなんて・・・どれだけ嬉しいと思ってるんだっ」
さっきまで優しく首に回されていた手が、俺の髪をクシャクシャにかき混ぜる。
頭を触られてるのに、嫌な気が全くしない。
家族でも、こんなに乱暴に触られたら腹が立つはずなのに。
泣き笑いみたいな顔をしていた桜宮は、最後に両耳の側を撫で付けるように指を動かして。
ずっとされるがままだった俺の唇を、優しく奪った。
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