ヘタレαにつかまりまして

22 ヤマ

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ヤマの指を袖から外し、自分の指を絡めて繋ぎなおす。
俺の落ち度をお前が謝るな。
体温が俺より高いヤマと繋がった手に力を込め、笑いかける。


｢俺は・・・ヤマが俺だけの番でいてくれて嬉しい｣

｢・・・うん｣


まだ納得しきれないヤマに、これから会いに行く医者や研究者がどれ程フェロモンレイプに抗った件で大騒ぎしているかレクチャーしてもらうべきか？
記憶を無くしたヤマに情報がいかないよう、わざと遠ざけていたが、その騒動は世紀の大発明どころじゃない。

しかも、Ωに操をたてたαという刺激的なコンテンツは、Ωだけじゃなく人口が最も多いβ受けするもの。
そのαが、Ω人権解放の立役者、菊川家の御子息となれば好感度の相乗効果。
学園祭明けの火曜日、俺への注目度は・・・まぁ、明日はヤマへ殆ど流れていてほしい。
ヤマは他人の視線に無頓着だから大丈夫だろう。