ヘタレαにつかまりまして

三日月

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「まぁた、倒れてんのか?」


そのとき後ろの扉から続いて入ってきた人影が、座ったままの樟葉の後ろ襟をひょいっと引っ張りあげた。
樟葉の小さな身体は、軽々持ち上げられて宙に足が浮いてしまっている。


「フフフ・・・たぁちゃん、僕、挨拶出来たよぉ」


「たぁちゃん、言うなっ
武瑠だっつーの」


言葉は乱暴だが、樟葉を床に下ろす動作は慎重。
樟葉の知り合いのようだが・・・三枝とも「おはよう~」「おぅ、おはよう~」と短い挨拶を交わしている。

8組の生徒か?
突然割って入ってきた男子生徒は、勢いよく今度は俺の手ごとヤマの手を両手で握り。
ブンブン、こっちは乱暴に振り回した。


「いやぁ、昨日危うく喧嘩売りそうになったけど、あんた、飛鳥様と清人様の弟だったんだな!
二人とも憧れの人なんだよっ
あ、俺、芝浦 武瑠、よろしくな」


あははっと快活に笑う芝浦は、このあと無言のヤマのフェロモンに潰されていた。
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